TOP10にプレミアリーグから8人!移籍市場2016-17「払い過ぎ選手&商売上手クラブ」発表!
「適正価格よりも高く売れた選手」のTOP10を見ると、プレミアリーグ勢が8人。そもそも高額移籍金案件が多く、実際に気前よく払っているのでこうなります。1位はもちろんマンチェスター・ユナイテッドが買い戻したポール・ポグバ…と思いきや、ユヴェントスがポグバ資金で買ったゴンサロ・イグアインのほうでした。ポグバは9位で、適正価格が9480万ユーロ(約109億円)とされています。CIESの算出ロジックまではわかりませんが、100億円以上払うべきとされる選手が存在することにびっくりです。昨季、CIESは20歳ながらプレミアリーグで95試合に出場していたラヒム・スターリングに9510万ユーロをつけているので、「若さ×実績」という指標が強いのかもしれません。
1位のイグアインは、ユヴェントスがナポリに払った移籍金が9000万ユーロ(約103億5000万円)で、CIES適性価格は6620万ユーロ。差額は2380万ユーロ(約27億5000万円)です。2位は…おお、マンチェスター・ユナイテッドですか。ビジャレアルから獲得したエリック・バイリーは、1500万ユーロもしない選手だったはずとされています。ポグバ、イブラヒモヴィッチ、ムヒタリアンという話題性のある選手の陰に隠れて目立たなかったものの、いわれてみれば、ビジャレアルでリーガ35試合、エスパニョールで5試合にしか出ていない22歳に、ムスタフィやダヴィド・ルイス並みの投資は気前がよすぎたかもしれません。早々にプレミアリーグにフィットし、素晴らしい守備を見せてくれているので「来てくれてよかった!」と喜んでおりますが、そうですか。1500ですか。いや、17億円はさすがに安くないですか!?…と、思ってしまうあたりが既に「プレミアリーグ高額移籍金無反応症候群」に冒されているのかもしれません。
3位がセヴィージャからアトレティコ・マドリードに移籍したガメイロで、4位はクリスタル・パレスからエヴァートンのボラシェ。5位にアーセナルで開幕以来3戦連続出場のグラニト・ジャカ、6位はマンチェスター・シティで昔からいた選手のように振る舞うジョン・ストーンズ。2000万ユーロ(約23億円)以上のギャップがあるのはここまでです。7位のダヴィド・ルイスは、2年前のこのレポートで「パリの4950万ユーロ(約68億円)は、2900万ユーロも多く払っている」とされた選手。今回、チェルシーが過払い分の2/3程度をお返しした格好となりました。チェルシーに入団したマルコス・アロンソの980万ユーロという低評価が気になります。ボルトン、サンダーランドとプレミアリーグの下位クラブを渡り歩き、トップクラブ経験がヴィオラしかないのを数字にするとこうなるのでしょうか。ランキングの名前をみると、「最終日駆け込み特急料金」「ライバル排除独占交渉料金」「売る気ないクラブを振り向かせるエクストラ料金」などなど、移籍金にはさまざまなお金が乗っかってるのだなとあらためて思います。
【移籍市場2016-17 CIES算出の払いすぎ選手ランキング】
CIES適正額/6620万ユーロ 支払い額/9000万ユーロ 差額/2380万ユーロ
2位/エリック・バイリー(ビジャレアル→マンチェスター・ユナイテッド)
CIES適正額/1490万ユーロ 支払い額/3840万ユーロ 差額/2350万ユーロ
3位/ケビン・ガメイロ(セヴィージャ→アトレティコ・マドリード)
CIES適正額/1450万ユーロ 支払い額/3700万ユーロ 差額/2250万ユーロ
4位/ヤニック・ボラシェ(クリスタル・パレス→エヴァートン)
CIES適正額/1220万ユーロ 支払い額/3460万ユーロ 差額/2240万ユーロ
5位/グラニト・ジャカ(ボルシアMG→アーセナル)
CIES適正額/2880万ユーロ 支払い額/5000万ユーロ 差額/2120万ユーロ
6位/ジョン・ストーンズ(エヴァートン→マンチェスター・シティ)
CIES適正額/3820万ユーロ 支払い額/5850万ユーロ 差額/2030万ユーロ
7位/ダヴィド・ルイス(パリ・サンジェルマン→チェルシー)
CIES適正額/2020万ユーロ 支払い額/4000万ユーロ 差額/1980万ユーロ
8位/マルコス・アロンソ(フィオレンティーナ→チェルシー)
CIES適正額/980万ユーロ 支払い額/2650万ユーロ 差額/1670万ユーロ
9位/ポール・ポグバ(ユヴェントス→マンチェスター・ユナイテッド)
CIES適正額/9480万ユーロ 支払い額/1億1000万ユーロ 差額/1520万ユーロ
10位/レロイ・サネ(シャルケ04→マンチェスター・シティ)
CIES適正額/3780万ユーロ 支払い額/5230万ユーロ 差額/1450万ユーロ
さて、これらの差分を積み上げて出した「商売上手クラブランキング」の第1位は、スペインのセヴィージャ。獲得した6人の適正価格に対して、売り値は3490万ユーロ(約40億円)上回ったそうです。いやいや、このクラブはすごいです。この夏売ったのはガメイロやクリホヴィアクですが、毎年のように主力を放出しながら過去11シーズンでヨーロッパリーグ優勝5回。現在3連覇中で、バルサやマドリード勢がいない大会では無敵です。売ったお金で清武弘嗣やビエット、フランコ・バスケスを獲ってきましたが、やはり今季もチャンピオンズリーグでちゃっかりグループHの3位に終わり、ELにまわって勝ち切ってしまうのでしょうか。2位はボラシェ1発でクリスタル・パレス、3位はイグアインのナポリ。以下、マルセイユ、ボルシアMGと続きます。プレミアリーグががんがん稼いで欧州にお金を落とす構図は、テレビ放映権バブルが弾け、スポンサー獲得が頭打ちになるまでは続きそうです。いやー、そうですか。バイリーは…そうですよね。
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