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何もできなかった1年半…エールディヴィジ得点王メンフィス・デパイはリヨン移籍間近!

ファン・ペルシ、ルート・ニステルローイ、ベルカンプ、オーフェルマルス、ボアテング、カイト、そしてファン・デル・サール。プレミアリーグにやってきたオランダ人選手にはレジェンドと呼ばれる名プレイヤーが多いのですが、視点を変えて「エールディヴィジ得点王」となると成功・失敗は五分五分です。ニステルローイ、カイト、スアレスが大暴れした一方で、2004年にチェルシーに入団したマテヤ・ケジュマンは、エールディヴィジ2季連続得点王が嘘のようにプレミアリーグ25試合4ゴール。ミドルズブラに入ったアフォンソ・アウヴェスも通算10ゴールとパッとせず、スウォンジーでは輝いたボニー・ウィルフリードもマンチェスター・シティに移籍した後は沈んでいます。

さらにこの冬、失意のうちにイングランドを去るであろう7人めの得点王が話題になっています。マンチェスター・ユナイテッドの「栄光の7番」を背負ったメンフィス・デパイ。2015年の夏に2230万ポンド(約31億7000万円)でプレミアリーグにやってきた22歳FWは、プレミアリーグ33試合でわずか2ゴールとケジュマンを下回る低調ぶり。スピードとフィジカルの強さが求められるプレミアリーグが合わなかったのか、ファン・ハール監督の規律と戦術を消化しきれず自らの長所を忘れてしまったのか、7番のプレッシャーに負けてしまったのか。個性的なファッションセンスを「ペルーの笛吹き」といじられ、水タバコを吸う姿をパパラッチに捉えられたアタッカーは、チームにうまくなじんでいるようには見えませんでした。

セルフィッシュなプレイが目立ち、しばしば守備に戻ることを忘れるデパイは、モウリーニョ監督には選ばれないだろうという予想はあっさり的中。今季のプレミアリーグ出場は4試合19分に留まっており、シュナイデルランともども早晩チームを離れるのではないかといわれていました。このたび、オランダ代表FWの復活に賭けて手を挙げたのは、オリンピック・リヨン。「スカイスポーツ」が報じた2160万ポンド(約30億7000万円)のオファーなら、マンチェスター・ユナイテッドも文句はないでしょう。リヨンの公式サイトがデパイが現地入りしたことを発表しており、契約がまとまれば、メディカルチェックまで一気に進むものと思われます。

デパイはなぜ、マン・ユナイテッドで活躍できなかったのでしょうか。連携や守備などプレイの問題だけでなく、OBがうるさいビッグクラブへの適応、監督との相性などさまざまな理由が考えられるのですが、「ファン・ハールとモウリーニョの両方から気に入られるのは難易度が高い」のも理由のひとつではないかと思います。とりわけ昨季移籍してきた選手は、直近3シーズンをすべて異なる監督の下で過ごしたわけですが、今シーズン活躍しているといえる選手はゼロ。シュヴァインシュタイガーは出場機会がなく、マルシアルは不振で、最近スタメンが増えているダルミアンも長いこと放出候補といわれていました。ファン・ハールのスタイルにやっと慣れたところで、守備戦術の敷き方がまったく違うモウリーニョ監督に対応しなければならないとなると、多くの選手が戸惑うのでしょう。現在の主力は「マンチェスター・ユナイテッドで長く働いている選手」「モウリーニョ監督が連れてきた選手」「適応力が高い選手」「染まっていない若手」「フェライニ」のいずれかです。

私は、7番という待遇にも幻惑されてむやみにデパイに期待していたのですが、現状をみればやむなし、それなりの移籍金を残してチームを去るのがお互いにとっていい選択でしょう。浮いてしまった栄光の背番号は、後半戦で実績を残すという条件つきで、夏にムヒタリアンに渡していただくのがいいと思います。エールディヴィジ得点王は、復活の可能性があるボニーを勝ち負けどちらにも入れないとすれば、3勝1分3敗。8人めのチャレンジャー、プレミアリーグでは未だPK1発しか決めていないトッテナムのフィンセント・ヤンセンが心配な昨今です。

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“何もできなかった1年半…エールディヴィジ得点王メンフィス・デパイはリヨン移籍間近!” への8件のフィードバック

  1. ジダネス より:

    「フェライニ」で笑いました

  2. ホタ より:

    ヤンセン、最近はスカッド外になる事も多く流石に嫌な予感が的中してしまうのかと心配になってきました。打てども打てどもネットが揺らせない彼を見ていると太陽の陽射し溢れるバレンシアの街からやって来た9番の前任者を思い出してしまいます。
    ただしラメラの様なケースもあるので今は辛抱強く見守るしかないですね、ローンで出せるほど前線のオプションは多くないですし。

  3. yuto より:

    「フェライニ」はずるいです 笑
    デパイについては単純に実力不足だったと思います。
    彼が活躍する試合はカップ戦やELの格下相手ばかりで、プレミアリーグではドリブルは止められ、怠慢なプレーも見られたりという印象です。
    昨年のチェルシー戦でのパスミスでうんざりした印象が強く、期待感がなくなってしまいました。

  4. M より:

    「フェライニ」の存在感

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    フェライニはモイーズ時代は当然使われるとして、モウリーニョも高さ強さ考えればまあわかる、しかしファンファールにも使われるようになるとは意外でした。契約延長もなしてよくがんばってますね。

  6. グッチ より:

    フェライニはオンリーワンで使い方はっきりしてますがこう列挙されると笑うしかないです

  7. K より:

    レッズの補強候補でもあったので見てましたけど、抜群のトップスピードも加速はちょっと良い程度でドリブルも雑な香車のような駒。アイヴを思い出します
    カウンターサッカーでスペースに走ると活きますが、強豪クラブでは厳しかったですね

    寄せの激しさが世界最高リーグのプレミアに良く似たドイツ産とフランス産は力があれば馴染むのが早い印象で、
    トラップの精度と判断スピードの求められる水準がプレミアに比べて低く、高い戦術理解度でカバーするオランダ産とイタリア産は当たり外れが多いイメージです

    加えてキック力が高いプレミアだとどのリーグのGKも1年目はキャッチングに苦労する印象が強いですね

    自分たちのするサッカーを実現出来る駒をいかに揃えられるか、手元の駒を最大限に活用する布陣をどう選ぶか、監督と運営は長期的な視野を持つ事が大事ですね。新天地で自身の強みを活かせる選手が増える事を期待しています

  8. makoto より:

    ジダネスさん>
    ありがとうございます!

    ホタさん>
    ジルーも時間かかりましたので、待ってあげたいところです。9番の前任者は厳しかったですね…。

    yutoさん Kさん>
    デパイに関してはニュアンスが近いですね。メンタルと戦術理解度の問題もあったように思います。

    Mさん>
    ありますよね。何しろハートが強いです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    どういう目的・シーンで使えばいいのかがわかりやすい選手ではあります。

    グッチさん>
    オンリーワンですよね。ストライカーにしては足で放つシュートに正確性がなく、セントラルMFとしては判断スピードと展開力がなく…なのですが。フィジカル、ヘッド、「転んでもタダでは起きない」ハートはプレミアリーグ全体でもいい位置につけているのではないか、と。(うっかり、転ばすとタダでは済まない、と書きそうになりました・笑)

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