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ヴェンゲル監督留任決定!アーセナルの最新移籍トピックスをチェック!

「このクラブを愛しており、楽観と興奮とともに行く先を楽しみにしている。すべてにおいて今よりも強くなることに目を向けたい。いい選手たちが集まった強力なグループに、いくつかの補強を施せば成功を収めることができるだろう」。

ヴェンゲル監督が、アーセナルと2年契約を結んだことを正式に発表しました。ボスのポジティブな言葉を聞くと、次の夏もいつものようにプレミアリーグが始まるのだなと安堵に似た感覚に襲われますが、同時に「いくつかの補強」が気になってしまいます。ヴェンゲル留任の動きをにらみながら、「スカイスポーツ」が現地メディアが報じたアーセナルに関する移籍ニュースをまとめていました。まずは、彼らが現在進行形としているトピックスを紹介しましょう。

「マンチェスター・シティのスポーツディレクター、チキ・ペギリスタインがアレクシス・サンチェスと契約するためにロンドンに滞在中」
「ライプツィヒのスター、エミル・フォルスベリに3000万ポンド(約42億9000万円)でオファーしているが、バイエルン・ミュンヘンと競合している」
「ヴェンゲル監督は、レスターを退団するリヤド・マフレズを夏の最初の契約にしようとしている」
「ベルギーリーグ14位のオイペンに所属している19歳のストライカー、ヘンリー・オニェクル獲得について移籍金680万ポンド(約9億7000万円)でクラブ間合意」

アレクシス・サンチェスの話は置いておくとして、直近の補強トピックスに関しては全体的にシブい選手が多いですね。それぞれの戦績を並べてみましょう。ライプツィヒのフォルスベリはブンデスリーガ30試合8ゴール。オニェクルはベルギーリーグ28試合12ゴール、公式戦全体で41試合24ゴール。2015-16シーズンのプレミアリーグでレスターの優勝に貢献し、PFAの年間最優秀選手を獲得したマフレズは、昨季は不振で35試合6ゴール。アレクシス・サンチェス、エジル、ジルー、ウォルコットといった現有戦力に初年度から刺激を与えてくれそうなのは、フォルスベリだけではないかと思います。

いちばん目立つのは既に合意済みと報じられたオニェクルですが、チャンピオンズリーグで6ゴールを挙げたモナコの18歳ムバッペならいきなりレギュラーも考えられるものの、あくまでも先行投資という位置づけでしょう。チェルシーに移籍したベルギーリーグの先輩ミヒー・バチュアイは、20歳のときにスタンダール・リェージェで29試合18ゴールとオニェクルを上回る数字を残しており、マルセイユでリーグアン17ゴールという実績を積んだうえでロンドン入りしたものの、ジエゴ・コスタの壁は厚く初年度はプレミアリーグ20試合5ゴール。ワンタッチゴールに長けたバチュアイと、周囲を使えるオニェクルはタイプが違うとはいえ、10代の頃からベルギーのトップクラブで結果を出していたバチュアイを超えるポテンシャルがあるのかが気になります。プレミアリーグ11試合1ゴールと出番を得られず、チームを出たがっているルーカス・ぺレス以上に存在感を主張することが、3番手以下のスタートとなりそうな最初の年の目標になるのではないでしょうか。

最初のサインが、移籍金ゼロで獲得できるシャルケ04の左SBコラシナツでなく、オニェクルだったらびっくりです。ヴェンゲル監督は、自らの残り時間が長くないとわかっていても、「5年後のティエリ・アンリ」を優先して獲りにいくのか、と。クラブを愛する22年めの指揮官は、最後まで長期的な視座に立って補強の是非を判断するのだと思われますが、このスタンスは功罪半ばではあります。

さて、サイドアタッカーに目を移しましょう。フォルスベリとマフレズなら、3バックでも機能しそうなフォルスベリではないでしょうか。それぞれ、ラニエリのカウンターサッカー、ラングニックの4-2-2-2といった独特の哲学のなかで活かされた選手というイメージがあり、ビッグクラブでどこまでやれるかわからないのが気になるものの、運動量が豊富なフォースベリと守りたいときには代えられるマフレズでは、守備の強度が格段に変わると思われます。2022年まで契約延長したばかりの選手が、チャンピオンズリーグの出場権を捨ててノースロンドンに来るのかといわれれば黙り込んでしまいそうですが、縦に行きたがるサイドアタッカーが多いアーセナルのなかで、アレクシスのゼロトップ、中に斬り込むフォルスベリがウイング、WBチェンバレンという組み合わせはおもしろいのではないかと思います。

留任が決まったヴェンゲル監督には、くれぐれも出遅れることのないようお願いしたいものです。後で振り返れば、開幕のリヴァプール戦、次にレスター戦で半分眠っていたことが、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ出場権の分かれ目になってしまったという見方もできるわけですので…。必要な選手を早期に獲得し、コミュニティシールドで期待感たっぷりの試合を披露して、プレミアリーグ開幕から飛ばすアーセナルを見せていただければと思います。

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“ヴェンゲル監督留任決定!アーセナルの最新移籍トピックスをチェック!” への7件のフィードバック

  1. ひろと より:

    ぼくはグーナーですが、ヴェンゲル続投と、グリーズマン・ユナイテッド移籍に関して共通して思うところがあります。

    ヨーロッパで戦う選手達は、アーセナルやユナイテッドに対して、どのくらいの価値観を持っているのでしょうか。

    エジルのように、監督に対するリスペクトを持つ選手。
    誰とは言いませんが、サラリーのことを考えてやってきた選手(個々人の自由ですので非難する気は一切ありません)。
    スタメンとして活躍できるかどうかを意識した選手。
    色々な思いで選手は移籍するのだと思いますが、いずれにしろ「いつまでも4位5位争いをしていたら、いつかいい選手は来てくれなくなる」と危機感を持ってしまうのです。

    というよりも、現にそういう現状はやってきているのだと思ってしまいます。
    「アーセナル?サラリーはいいけど、ヴェンゲルは古くさいしなぁ」と言って契約を断った選手も過去にはいたのではないか。

    僕はヴェンゲルの続投を支持します。
    ここまできたら心中する覚悟です笑

    ですが、目に見える結果を残せない状況が続くと、いずれはサラリーと実力の見合わない選手ばかりのチームになってしまうような気がしてしまいます。

    「5年後のアンリ」もいいですが、「今のグリーズマン」を無理矢理にでも獲りにいく姿勢も大事なのではないかとユナイテッドを見てて思ってしまうのです。。。

  2. 朱大砲 より:

    他の名将を招聘できないため苦肉の続投…ならばいいのですがそれですらない感が。二年続投というのが気になります。
    CL連続出場が途切れたとはいえ、最後にFA杯を制して勇退、という形で十分だったと思うのですがね。
    誰しもがファーガソンのようにリーグタイトルを取って終われるわけではありませんし。

    しかしいずれにしても続けるのなら本当にスタンスを変えてほしい。
    動きのありそうな大物には総アタックするくらいの意気込みで、ワールドクラス、一線級の選手を二、三名八月の中旬あたりまでには取ってチームに溶け込ませる。そして序盤からスタートダッシュして息切れなくシーズン終盤まできちんと優勝争いに加わり続ける…ダメだできる気がしないw

    とりあえずまずはサンチェス、エジルの慰留に努め、カソルラがいよいよめどが立たなくなってきた中盤の戦力を見直してほしいものです。。

  3. 新参 より:

    無料で手に入るコラシナツは早めに獲得してほしいですね。あとは、コシェルニーのコンディションが気になるCBにファン・ダイクのような実力者を迎えれば、守備陣はOKかと思います。

    攻撃陣はアルダ・トゥランを獲得できれば、面白いかと思います。カソルラの代役も務めれるし、MSNの代役を務めたことからもエジルとサンチェスのレベルについていける選手と思ってます。
    いずれにせよ、のんびりしていたら市場から置いていかれそうなので、6月には2人獲得しておくぐらいの勢いがほしいものです。

  4. グナ より:

    更新ご苦労様です。

    補強に関してはご指摘の通り誰を獲るかだけでなくいつ獲るかも重要ですね。必ずしも歓迎されていないベンゲル続投を選択したクラブに求められるのは当然ですけど野心に溢れたパーフェクトな夏です。サンチェスとエジルを慰留することなど義務ですよ。

    その上で必要なポジションに必要なレベルの選手を適切な時期に獲得することが出来てやっと及第点のレベルだと私は思います。これまでやり切って初めてファンの懐疑的な目を変化させ始めることが出来るでしょう。クラブがその姿勢を明確に変化させないとファンのクラブに対する姿勢が変化するはずがありません。だからこそベンゲル続投はアーセナルというクラブにとって諸刃の剣なんです。

    ベンゲル以外の指揮官を選択していれば少なくても来季はファンも優しさを含んだ目をクラブに向けていたでしょう。産みの苦しみという使い勝手のいい言い訳も使えます。それをクラブは自ら放棄しました。故にハードルはこれまで以上に高くなっています。ベンゲルを含めたクラブ首脳陣はこの『現実』を理解して欲しいです。

    —–
    フロントやベンゲルが今後の展望をどう考えているか不明ですが、少なくとも優勝する意思があることを補強で、行動で示してほしいと切に願います。今の移籍市場が異常なのは重々承知ですが、では市場がおかしいから勝てない、ということでは納得行きませんのでね。

  5. おはむ より:

    リーグ1のフォワードは博打だと思っています。
    スウォンジーにいたゴミス、ファルカオ、バロテッリが揃って二桁ゴール超えて めちゃくちゃですよ!
    レミーやバチュアイは…
    最近だと、ズラタンだけですよ、ただ彼はリーグ1出身の選手ではないので… 非常に危険ですよね

  6. おはむ より:

    コメントするところを間違えてしまいました

  7. makoto より:

    ひろとさん>
    アレクシス・サンチェスとエジルは、ハイレベルな選手が必要という明快な意図の元に獲ってますよね。今季の順位とライバルの動きを考えれば、今、またその時期が来たのではないかと思います。

    朱大砲さん>
    「ヴェンゲルで充分勝てるし、来季は勝ってほしい」というニュアンスですよね。賛否あるでしょうが、明快なジャッジだなと思いました。

    新参さん>
    アルダ・トゥラン、なるほど、いいですね。さらにがっつり守れるアンカータイプがひとりほしいのでは?と思いました。コクランが不安な試合が目立っていたので。

    tomoさん>
    そうですね。ぎりぎりでまあまあな選手、といういつか見た補強しかなければ、サポーターのストレスは溜まるでしょうね。

    グナさん>
    そうですおね。3位のクラブがあれだけ飛ばしているのですから。

    おはむさん>
    いえいえ。お気遣いなく。

    —–
    すみません。署名おかしくなってしまいましたが、上記私です。

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