パリか、残留か、プレミアリーグか!? クリスティアーノ・ロナウドの移籍騒動を巡る5つの主張
「BBC」がこの話を掲載するなら当然「移籍ゴシップ」のコーナー、「ザ・サン」や「アス」の見出しを紹介して終わりにさせるとたかをくくっていました。何しろ、プレミアリーグのクラブにとってはタイミングが悪すぎます。古巣のマンチェスター・ユナイテッドは、マドリード時代に確執があったと報じられていたジョゼ・モウリーニョが指揮を執っています。ペリシッチを獲得寸前と報じられ、年明けにはズラタンと再契約するのではないかといわれているクラブが、32歳のレジェンドを左サイドに迎えるとなれば、これまで進めていたプロジェクトをいくつか見直さなければなりません。
ベルナルド・シウヴァとエデルソンを獲ったマンチェスター・シティは、1億3000万ポンド(約182億円)ともいわれる元ライバルクラブ所属の選手に手を伸ばすでしょうか。アーセナルはアレクシス・サンチェス残留が最重要ミッション、チェルシーにはプレミアリーグ16ゴールと完全復活したエデン・アザールがいます。パリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンとともにマンチェスター勢の名前がタブロイド紙の記事の盛り上げに使われ、やがてご本人の「マドリードでキャリアを終えたい」という力強いコメントが出て終了…そんなシミュレーションをしていたところで、8000字を超える「BBC」の記事を発見して面食らいました。「Cristiano Ronaldo:Is the Real Madrid forward set to leave Spain?」と題した記事は、リーガ・エスパニョーラで394試合406ゴールという素晴らしい足跡を残した「The Portugal legend」について、さまざまな立場の関係者の予測や意見を丁寧にレポートしています。
レアル・マドリードで2009年まで会長を務めたラモン・カルデロン氏は、「レアル・マドリードこそが最高のクラブであり、彼は再度そこでプレイできる。私は残ることを願っている」。ロイターのスポーツ特派員であるリチャード・マーティン氏は「クリスティアーノ・ロナウドがレアル・マドリードに自らの力を誇示したのは初めてではない。2012年にも『僕は悲しい。クラブはその理由を知っている』とコメントしてサポーターや経営陣をパニックに陥れた」と振り返りながら、「彼は欧州とスペインのチャンピオンより優れたクラブがないことを知っている」と残留を予測しています。
マドリードを拠点とするサッカーライターのピート・ジェンソン氏は、パリ移籍を主張。「レアル・マドリードは131万ポンドの移籍金が入れば手を打ち、代わりにキリアン・ムバッペを獲得する。(古巣の)マンチェスター・ユナイテッドにとってはロマンティックな選択だが、パリ・サンジェルマンは彼ら以上に長きに渡ってロナウドの崇拝者だった。ナセル・アル=ケライフィ代表はポルトガル代表選手の長年の友人。ロナウドは12か月前に空いたズラタン・イブラヒモヴィッチの穴を埋めるだろう」と、パリとレジェンドのリレーションが決め手になるとしています。シェフィールド・ハラム大学で講師を務めるファイナンスの専門家ロブ・ウィルソン氏は、「ひとりの選手にこれだけ高額な移籍金を支払ってまでコミットしたいか」がポイントと指摘。プレミアリーグのクラブはそれが可能であることと、マドリードにとってムバッペ獲得は魅力的であるといっています。
唯一、古巣への復帰の可能性に言及していたのは「BBCスポーツ」のサイモン・ストーン記者。「マンチェスター・ユナイテッドとサポーターは、クリスティアーノ・ロナウドの復帰を熱望している。彼は公式戦292試合で118ゴールを決めており、ファンは今もロナウドの名前を熱唱する。ソーシャルメディアでは、ファンは今日もエド・ウッドワードにロナウドを復帰させるようせっついている」「ジョゼ・モウリーニョとロナウドはマドリード時代に揉めたが、ファンにどちらかを選べといえば、ロナウドだ」。
マドリードのライターで、BBCワールドサービススポーツで解説しているエドゥアルド・アルバレス氏は、税金の話だけがクリスティアーノ・ロナウドのフラストレーションではないといっています。CR7が、チャンピオンズリーグ決勝の前に「ホームで自分たちの選手にブーイングするなんて普通じゃない。マンチェスター・ユナイテッドで長年プレイしてきたけど、そんなことは一度もなかった」と語っていたことを念頭に置いているのでしょう。シーズンがファンタスティックな終わり方だったにも関わらず、ファンのリアクションにショックを受けたことも今回の話につながっているとしながら、「シーズン50ゴールはリプレイスできない」と警告。レアル・マドリードに残る穴は巨大であり、ロナウドはファンへの不満をプレスに話すのではなくクラブと向き合うべきだとしています。
…いや、おもしろい。この話のポイントは、「1年前のズラタンにはプレミアリーグにチャレンジしたい、モウリーニョともう一度やりたいという情熱があったのに対して、クリスティアーノ・ロナウドにはパリやマンチェスターに行く動機やモチベーションがない」ことだと思います。クラブとサポーターからの愛を感じられれば、スペインの検察に対する不満を呑み込みサンティアゴ・ベルナベウに残るとみますが、いかがでしょうか。「マンチェスター・ユナイテッドを欧州の頂点に復帰させるために、モウリーニョと握手して一緒にがんばる」といっていただければ、もちろんウェルカムですが、そんな話にはなりそうにないですね…。(クリスティアーノ・ロナウド 写真著作者/Chris Deahr)
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個人的には、ペップの元でプレイするCR7 が見てみたいですけどね
チーム状況等抜きで、ただ願望に近いですが(笑)
どんな化学変化が生じるのか見てみたいので
CR7がワールドクラスの選手なのは疑いようもないことですが、いかんせん高すぎます。
もしユナイテッドが彼をとろうとするなら、夏の移籍プランは一度白紙になるでしょうし、追いかけたすえ結局マドリーに残るなんてなったら、最悪です。
追いかけるなら、彼が公式にマドリーを退団するという発表をしてから、どうすればいいか悩めばいいと思います。
プレミアリーグ大好き!さん>
見てみたい気もしますが、見たくない気持ちのほうが…(笑)
不知火さん>
予定通りの補強をすすめて、出ていくことがわかったらその時点の状況でジャッジすればいいのではないかと思います。獲れなくても仕方がない、と覚悟を決めて。