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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

攻めると宣言したフランク・デブール新監督の構想は、ベンテケとファン・ペルシの2トップ!? 

「私の中にはアヤックスで培ったDNAがある。テクニカルなフットボールで勝つ。おそらくパレスでも素晴らしいチームを創れると確信している」。クリスタル・パレスの監督に就任したフランク・デブールは、プレミアリーグ14位のチームに抜本的な改革をもたらそうとしているようです。ボトム10のチームを預かった指揮官が最初に着手するのは、守備の整備と相場が決まっています。クリスタル・パレスやWBAを立て直したトニー・ピューリスはいうに及ばず。スウォンジーを危機から救ったポール・クレメント、ハル・シティの勝利数を倍増させて評価を高めたマルコ・シウヴァと、昨季プレミアリーグの後半戦に登場した若い監督たちもディフェンスラインの再構築から入っています。最も典型的な弱者の戦術を持ち込んだのは、フランク・デブールの前任者であるサム・アラダイスでした。イングランド代表監督の座を1試合で追われた老将は、冬のマーケットでママドゥ・サコ、ファン・アーンホルト、ジェフリー・シュルップを獲得。後ろを固め、ロングフィードをベンテケにひたすら当てるサッカーで、失点が止まらなかったチームをプレミアリーグに残留させています。

そんななかで、「サポーターがエキサイトするサッカーを築き上げるのが理想」と語ったフランク・デブール監督は、それだけでも異端です。とはいえ、ザハ、ベンテケ、タウンゼント、パンチュン、キャバイェ、ウィッカムと、サウスロンドンのクラブに攻撃のタレントが揃っているのは確かです。新指揮官は、どんなアプローチでチームに変化を及ぼそうとしているのでしょうか。補強に関する噂が、2つほど聞こえてきています。

まずは、残留の立役者となったママドゥ・サコです。冬にリヴァプールからレンタルされ、2月末のボロ戦で初お目見えとなった屈強なCBが出場した8試合は5勝1分2敗。危険なエリアをカバーし、デュエルを制し続けた元フランス代表は、チェルシーとアーセナルを破る原動力となりました。前任のサム・アラダイスが獲得を懇願したのもむべなるかな。フランク・デブールにとって、サコの獲得は重要な引き継ぎ事項かと思いきや、「選手と対話したうえでチームを創りたい。それによって、考え方が変わる可能性がある」と争奪戦への参入を保留しました。

なるほど、現有戦力を見極めてじっくりチームを創るのかと納得しかけたところに、驚きのワールドクラス獲得の噂が流れてきました。ロビン・ファン・ペルシ。いわずと知れた、プレミアリーグ2011-12&2012-13シーズンの得点王です。昨季のフェネルバフチェではリーグ戦24試合9ゴールとそこそこの数字を残したストライカーは、ベンチを温めることが多いチームに不満を抱いているようで、「デイリー・ミラー」はプレミアリーグ復帰の可能性があると主張しています。

ベンテケとファン・ペルシ…。キャバイェやマッカーサーがベンテケに楔のパスを通し、落としたボールをオランダ人ストライカーがフィニッシュ。ファン・ペルシがタメを創ってザハやタウンゼントに走る時間を与え、クロスに競り勝ったベンテケのヘッドが炸裂。どちらのゴールシーンもイメージが湧きます。移籍金などの具体的な情報は未だなく、タブロイド紙にありがちなゴシップの域を出ておりませんが、いや、これは見たい!「新シーズンは、デブールが率いるクリスタル・パレスとピーター・ボスのドルトムントのどちらが、アヤックスの攻撃的なスタイルを継承しているかが注目される」。母国オランダでは、名門を率いた指揮官の新旧対決を煽るメディアもあり、プレミアリーグデビューの新監督にはアヤックスで見せたサッカーの復活が期待されています。「ナイーブなサッカーはしたくない。ボールの有無にかかわらず、試合をコントロールする」といい切るフランク・デブールの元にファン・ペルシは駆けつけるのか。実現したら盛り上がりますね!(ファン・ペルシ 写真著作者/Елена Рыбакова)

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