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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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焦るマフレズ、動じないレスター。移籍志願のサイドアタッカーは、無事にローマに辿り着けるか!?

移籍熱望と伝えられながら、一時は「オファーがない」といわれていたリヤド・マフレズに、ようやくひと筋の光が差してきました。「スカイスポーツ」が、ローマからのオファーに対してクラブに動いてほしいと訴えた本人のコメントを紹介しています。2015-16シーズンはプレミアリーグ37試合17ゴール11アシストという素晴らしい成績でレスターの奇跡的な優勝に貢献したサイドアタッカーは、昨季は36試合6ゴール3アシスト。ゴールの半分はPKと冴えない1年を過ごしました。2回のオファーを断られたローマがドルトムントの20歳MFエムレ・モルに方向転換したと報じられたのは、昨季のパフォーマンスに対して移籍金が高額だったからだと思われます。

ローマが提示した3000万ユーロ(約39億円)をレスターは却下。他国のクラブなら4000万ユーロ(約52億円)、プレミアリーグなら足元をみて4500万ポンド(約65億円)以上といわれる設定が事実なら、1シーズン活躍しただけの選手にそこまで払えないと考えるクラブがほとんどでしょう。モル獲得が難しくなったセリエAの強豪は、3500万ユーロ(約45億5000万円)にオファーを引き上げてリトライするといわれています。レスターが掲げる条件とのギャップは、オプションで埋めにいくという腹づもりなのかもしれません。悪くない話だと思いますが、レスターはリアクションしておらず、「今月中に移籍したい」と語る26歳のサイドアタッカーは、クラブの姿勢に対して苛立ちを募らせているようです。

「ローマからオファーがあったが、クラブが受け入れてくれなければ私は何もできない。素晴らしいクラブとぜひ話してみたいが、レスターがディールを受けない限りそれは不可能だ。レスターは私が退団したがっているのを知っているけど、私は今まで通りクラブのためにベストを尽くし続けるつもりだ」「トランスファーウインドウはまだ1ヵ月残っている。どうなるか見てみよう」(リヤド・マフレズ)

7月上旬にクレイグ・シェイクスピア監督が苦言を呈していたのを意識したのか、マフレズは慎重に言葉を選んでいます。「マフレズはクラブと契約しており、プロフェッショナルでなければならない。自らの責任感を選手やスタッフ、サポーターに示すべきだ。 何らかの決断をしたならそれに則るべきだが、いずれにしても私たちに忠誠を見せなければここではプレイできなくなる」。トランスファーリクエストを出したMFにアラームを鳴らした指揮官は、当時はどこからもオファーは来ていないと明言していました。アーセナルはトマ・レマルを最優先ターゲットに置いており、自軍の選手を売却する目処が立っていなかったこともあって具体的なアクションを起こすには至らなかったのでしょう。ローマからのアプローチをレスターが寝かせ続ければ、今度こそ話は完全に立ち消えとなり、マフレズはモチベーションキープに苦労しながらプレミアリーグでプレイすることになるかもしれません。

ハル・シティのGKヤクポヴィッチとCBマグワイア、セヴィージャの主将イボーラ、マンチェスター・シティで燻っていた逸材イヘアナチョと4人の即戦力を総額5700万ポンド(約82億円)で効率よく獲得してきたレスターに、マフレズ売却を焦る理由はなさそうです。プレミアリーグのクラブからは引き合いがない2016年のPFA最優秀選手は、自らを買ってくれるクラブがはっきりしていないのにトランスファーリクエストという切り札を使ったのは無謀だったのかもしれません。果たして彼は、ローマに辿り着けるのでしょうか。チェルシーにドリンクウォーターを狙われていると報じられた2015-16シーズンのプレミアリーグ王者が、後釜の目処をつけてマフレズ放出を決断するまでには相応の時間がかかりそうですが…。

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