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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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コウチーニョ、アレクシス・サンチェス、ジエゴ・コスタにみるCL&EL登録・除外の裏側

青信号、赤信号、黄信号といったところでしょうか。移籍市場のデッドラインデーの主役になるかもしれないといわれながら、プレミアリーグ残留が決まった3人の選手のお話です。アレクシス・サンチェスは、ヨーロッパリーグの登録リストに名を連ねました。前提として、ヨーロッパリーグに出場した選手は1月以降にチャンピオンズリーグのメンバーに登録できますが、チリ代表のアタッカーは今季1年はアーセナルでプレイすることになってもいいと考えているのではないかと思います。マンチェスター・シティは、冬の移籍市場でアレクシス・サンチェス獲得に再チャレンジする意向と伝えられていますが、アーセナルがトマ・レマルなど代役ゲットを条件に売却に応じていたという報道が事実なら、このディールが実現するのは次の夏まで伸びる可能性があります。

アーセナルが、エースをゼロ円で放出することを覚悟してでもプレミアリーグ優勝のために手元に置くのか、最後の換金チャンスである1月に諦めて手離すのかは、年を越してみないとわかりません。いずれにしても、「僕の心は決まっている。アーセナル次第だ」と語っていた7番は、クラブに所属している以上は全力を尽くしてプレイしてくれるのではないでしょうか。昨季プレミアリーグで38試合24ゴールのエースは、少なくとも半年はピッチの上で彼らしく振舞い、大事なゴールを決めてくれるはずです。半年後に移籍、1年後に移籍、翻意して契約延長とどの可能性を取っても、近いうちにいなくなることを覚悟しているアーセナルにとっては悪い話ではありません。

ガナーズのアタッカーを青信号とすれば、アトレティコ・マドリード行きを熱望するジエゴ・コスタは真っ赤でしょう。チェルシーがプレミアリーグの登録メンバーにはその名を記しながらも、チャンピオンズリーグからは外したのは、「1月にアトレティコ・マドリードに売るが、契約期間が残っている間はチームのルールに従ってもらい、プレミアリーグのピッチに立てるよう準備してほしい」というメッセージに見えます。この夏にストライカーの願いが叶わなかったのは、チェルシーとアトレティコ・マドリードの間で希望額のギャップが埋まらなかったからといわれており、今回のCL登録リスト除外もスペインに出す際の移籍金額の最大化を目論んでのことだと思われます。ジエゴ・コスタがプレミアリーグのピッチに戻って活躍しても、ブラジルでストライキを続けても、1月には3度のタイトル奪取を味わったクラブを離れることになるはずです。

さて、問題は黄信号です。リヴァプールのフィリペ・コウチーニョは、チャンピオンズリーグの登録メンバーに入りましたが、「デイリー・ミラー」など現地紙の報道によると、1月の移籍を希望している10番が出場を拒否する可能性があるとのこと。背中あるいは腰を痛めていると報じられ、プレミアリーグの開幕3試合を欠場したコウチーニョは、8月30日のワールドカップ南米予選のエクアドル戦には出場して77分にゴールを決めました。このとき、涙を流したブラジル代表MFについて、ブラジルサッカー協会(CBF)は「彼は感情を揺さぶられるような状況にあり、迷いがあった。それでもゴールを決めたことは称賛に値する」とコメント。友人のバルサ行きに反対したネイマールも、「彼のゴールは嬉しかった。ハッピーだね。とても悲しんでいるみたいだけど、勝つためにチームをサポートしてくれた」と、レッズの10番が平常心ではなかったことを認めています。

リヴァプールへの愛を公言して、1月に契約を延長したエースは、昨季プレミアリーグを終えてからの数ヵ月で、すっかり心変わりしてしまったようです。レッズでCLに出てしまうと、同じシーズンのバルサでは出られないと心配しているというのが事実であれば、プレミアリーグでの活躍も望むべくもないのかもしれません。しかし、私はこう思っています。嘆くのは、まだ早い。まずは、9月9日のプレミアリーグ4節マンチェスター・シティ戦、13日にアンフィールドで開催されるCLグループステージ緒戦のセビージャ戦、カラバオカップとプレミアリーグで連戦となるレスターとのゲームを観てみようではありませんか。バルサ移籍が叶わなかったコウチーニョがすべての試合に出場して、今までと変わらないパフォーマンスを披露してくれるのなら、冬か夏かはまだわからない未来の話と一旦視界から外すことができます。

今、思うことはこれだけです。コウチーニョが語っていたレッズへの愛情や感謝が、そのときの彼にとって率直な思いだったのだとすれば、そんなクラブに所属する最後の日まで、最高のプレイを見せたいという気持ちを持ち続けてほしい。現在過ごしている日々は、8ヵ月前に自らの意志で結んだ契約というレールの上を歩く日々です。これを外していいのは、レッズと合意したときだけです。コウチーニョに、プレミアリーグとチャンピオンズリーグでの活躍を期待したいと思います。クラブの主軸と目されていた選手が、特定の大会に顔を出さないなどといういびつな状態は、できれば見ないで済ませたいものです。

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“コウチーニョ、アレクシス・サンチェス、ジエゴ・コスタにみるCL&EL登録・除外の裏側” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    以前このコメ欄で今のコウチーニョに対しネガティヴなコメント残しましたが、その後の思いは複雑です。契約は自分自身が結んだことなので、どうにもする事は出来ません。問題は彼自身が語っていない事(語る事はもう難しいかもしれませんが)。メルウッドに戻ってきても気持ちの入ったプレーが出来るのか?怪我の言い訳はもう使えないので、、、。彼がCLやリーグで躍動する姿をシーズン前から期待していたので、今はただただ複雑な思いが交錯中といったところです(苦笑)

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    私もコウチーニョの件で、バルサ移籍が活発に報道されトラリクを提出してから本人が全く発言していないことが気になっています。
    おそらくはバルサ、代理人から止められていたのだとは思いますが、残留が決まった今も沈黙を貫き、自身の言葉で説明しようとしないことに違和感を覚えます。
    私はとにかく残留してくれればコウチーニョなら1年はレッズでまたやってくれると考えていましたが、ブラジル代表でのパフォーマンスと涙のセレブレーション、聞こえてくる報道は残留の喜びを打ち消し、ジエゴ・コスタ以上の内乱をレッズに招きかねないと心配しています。
    もし本当にコウチの心がアンフィールドに戻らないのであれば、サコーのように早々にチームから除外することも必要かもしれません。

    残留しても晴れないこのモヤモヤは、契約延長時の彼のコメントとトラリク提出から聞こえてくる彼の行動とのギャップがあまりにも大きいからだと思います。
    そして、少なくとも私にはレッズのシャツを纏ったリトルマジシャンのプレーがあまりにもまぶしく、彼がいないアンフィールドを想像できていないのです。
    こんな気持ちはチェルシー移籍に揺れたジェラード以来かもしれませんが、イングランド人でもスカウサーでもないコウチーニョにジェラードを重ねることができないのは承知ですが、インテルで燻っていた彼がリバプールでその才能を徐々に開花させ、いまやレッズを象徴するかのようにプレーする姿を私はジェラードと重ねていたのかもしれません。

    管理人様の仰るとおり、未来の話は彼がメルウッドに戻り、どのような行動または発言をするのか、そして公式戦で起用された場合のパフォーマンス次第だと思います。
    できれば、彼の口からありのままの思いを聞きたいですが、もしまだレッズでやってくれるならプレーで示してくれれば十分です。
    しかし、もし本当にもうレッズでプレーしたくないのなら、チームに影響が出る前に対処する必要があると思います。
    土曜日のマン・シティ戦、そしてCLセビージャ戦は複雑な気持ちで迎えそうです。

  3. アロンソ より:

    報道がどこまで本当がわかりませんが
    事実だとするならそれなりのバツは必要でしょう。
    そもそもそんなことして規律を重んじるクロップが
    許すとは思えませんが不用意な発言をした以外は
    サコよりも余程たちが悪く実力と人気があるからと
    言って許すべき問題ではありません。
    自分のプレーで謝罪も出来ないようなら
    試合に出す必要もなく
    半年間チーム練習不可くらいが妥当でしょう。
    別に移籍に関してはよくあることなので
    どうでもいいですがやり方を間違えました。
    コウチーニョとデンベレは選手としてはともかく
    人間としての価値を自ら下げましたね。
    これからの数週間色んな意味で
    楽しみになってきました。

  4. 不知火 より:

    バルサ行きは魅力的です。
    リヴァプールの事は愛してるけど、バルサで挑戦してみたい。そんな感じでしょうか。
    どうなるかわからないですが、コウチーニョのキャリアにとってもっともいい結果になるといいです。

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    プレイしているうちに、気持ちが切り替わるということもあるかもしれません。レッズの魅力的なアタックなら、なおさら。

    nyonsukeさん>
    早くプレイを観たいですね。「コウチーニョが出した答え」と思いながら観てしまいそうです。

    アロンソさん>
    どのあたりが罰の対象なのでしょうね。クラブは当初より、きちんと復帰してくれさえすれば水に流すというスタンスに見えます。

    不知火さん>
    それを無下に否定はできないですよね。年俸も欧州制覇のチャンスも名誉もブランドもついてくるお話ですので。

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