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ペップ・ヴェンゲル・モウリーニョが争奪戦!? WBAのジョニー・エヴァンスはなぜモテる?

「私たちはどの選手とも合意には至っていない。補強について話すのは賢明ではないが、移籍金で争えばマンチェスター・シティにかなわないだろう」。アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督が念頭に置いているのが、WBAの主将ジョニー・エヴァンスであることは間違いありません。イギリスメディア「デイリー・スター」は、アーセナルとマンチェスター・シティが北アイルランド代表CBと交渉していると報道。「スカイスポーツ」は古巣のマンチェスター・ユナイテッドまで参入し、プレミアリーグの上位クラブが3000万ポンド(約45億3000万円)を超える移籍金を用意して争っているとレポートしています。

マンチェスター・ユナイテッドの試合しか観ない方、あるいは中堅・下位クラブの試合までは追いかけられない方は、なぜ突然プレミアリーグ19位のクラブでプレイしている選手にスポットライトが当たったのか、疑問に思うのではないでしょうか。ましてや争奪戦に参加しているクラブのひとつは、プレミアリーグ首位を快走するマンチェスター・シティです。バーンリーやレスターのようにゴール前で体を張って守るチームではなく、CBにも攻撃センスを求めるペップが欲しがっているとなれば、どこに着目しているのか知りたくなりませんか?その答えに迫る前に、ジョニー・エヴァンスのキャリアを簡単におさらいしておきましょう。

マンチェスター・ユナイテッドのアカデミー出身のCBは、アントワープやサンダーランドへのローン移籍で経験を積んだ後、2008-09シーズンに赤いユニフォームを着てプレミアリーグデビュー。2011-12シーズンにはサンダーランドに移籍したウェズ・ブラウンの後を継いで6番を背負い、レギュラーに定着しました。当時のオールド・トラフォードで、ミドルエイジの女性たちが「ジョニー!」と嬌声を挙げながら写真を撮りまくっていたのを思い出します。子どもの頃から熱きサポーターたちに見守られていた生え抜きのCBは、クラブのアイドル的存在でした。

マンチェスター・ユナイテッドにおける彼の全盛期が2年で終わってしまったのは、サー・アレックス・ファーガソンの引退と無縁ではないでしょう。前線へのフィードには見るべきものがありながら、ポジショニングには難があったジョニー・エヴァンスは、モイーズ、ファン・ハールと指揮官が代わるなかで戦術のめまぐるしい変更に適応できなかったのだと思われます。プレミアリーグ131試合出場という記録を残した27歳は、最後のシーズンは14試合しか顔を出せず、2015年の夏に600万ポンド(約9億円)というお手頃価格でWBAに移籍しました。

当然のようにレギュラーの座をつかんだジョニー・エヴァンスは、最初の2シーズンでプレミアリーグ61試合に出場。ベテラン揃いの守備陣を統率し、昨季はクラブのTOP10フィニッシュに貢献しました。ペップやヴェンゲルがなぜ彼に注目しているのかについては、「スカイスポーツ」が紹介している今季のデータを使って説明するのがいいでしょう。WBAの主将は、前半戦の19試合で出した702本のパスのうち81%を成功させています。北アイルランド代表のワールドカップ予選ではさらに精度が上がり、86%。成功率もさることながら、前線へのロングフィードが素晴らしく、ジョン・ストーンズの38本に対して58本を供給しています。マン・シティの若きCBは負傷で出場試合が少なかったと反論する方には、1試合あたりのドリブル数がジョン・ストーンズの2倍だったというデータも添えておきましょう。

守備に目を向けると、タックル成功率81%はジョン・ストーンズの73%、クリス・スモーリングの59%、ローラン・コシールニーの49%を大きく上回っています。過去3シーズンにシュートにつながったミスは1回のみ、ゴールに直結するエラーはゼロ。昨季プレミアリーグでエヴァンスと同じ30試合以上に出場したDFで、失点を招くミスをしていないのは、ウィンストン・リードとセドリック・ソアレスだけだそうです。攻撃への貢献度が高くタックルは的確、チームを窮地に追い込むミスはないとなれば、ペップ、ヴェンゲル、モウリーニョがこぞってほしがるのもわかります。30歳のベテランCBは、前回の5倍以上の移籍金でプレミアリーグのTOPクラブに返り咲いて、2012-13シーズン以来のタイトル獲得を実現するのでしょうか。戻ってこないなら、ノースロンドンのほうにいっていただきたいのですが…。

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“ペップ・ヴェンゲル・モウリーニョが争奪戦!? WBAのジョニー・エヴァンスはなぜモテる?” への2件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    3バックを使い続けるとしてCBの補強は必須ですが、サンチェスをはじめ、コクラン、ウォルコットまで売却するアーセナルの新戦力としてエヴァンスだけでは弱い気がどうしてもします…
    エジルの契約延長に望みをつなぐためにも、クラブの野心が見えるような大型補強に期待したいです!

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    最終ラインは、3バック継続ならエヴァンスに加えてポジショニングがいい選手がもうひとりほしいところです。チェンバレンのようにWB、ウイング、インサイドMFに自在に入れる選手が右にいるといいですね。

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