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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヒトシュタイナーを獲得したアーセナルに、絶対に妥協してはいけないCB強化を期待!

プレミアリーグ6位からの巻き返しを図るアーセナルが、この夏最初の新戦力獲得を発表しました。インタビューやギャラリーなどの企画で、公式サイトの上部を埋めつくしているのは、ユヴェントスに所属していたシュテファン・リヒトシュタイナー。ユーヴァとの契約は満了となっており、移籍金ゼロ円での入団です。2011年にラツィオからユーヴェに移籍したスイス代表SBは、公式戦250試合以上に出場して、イタリアの名門の7連覇に貢献しました。スイス代表ではキャプテンを務め、ワールドカップロシア大会の最初の試合が、記念すべき代表100試合めとなります。

「シュテファンは、素晴らしい経験とリーダーシップをチームにもたらしてくれる」。エメリ監督が期待する34歳の右SBは、ベジェリンのバックアッパーという役割に収まろうとは考えていないでしょう。昨季セリエAでは26試合に出場しており、上下動をさぼらない着実なプレイは健在。攻め上がりの鋭さは、ベジェリンに軍配が上がりますが、守備における判断力は23歳の快足SBを上回るのではないかと思います。

昨季のアーセナルは、プレミアリーグ19勝6分13敗で勝ち点63に留まりました。この数字は、7位に沈んで欧州へのチケットを取り逃がした2013-14シーズンのマンチェスター・ユナイテッドに1ポイント足りず、失点51は大混乱の末に10位に転落した2015-16シーズンのチェルシーと2つしか違いません。エヴァートンやセインツ、レスターの不振に助けられ、6位フィニッシュでEL出場権を確保したために目立たなかったものの、アーセナルはデヴィッド・モイーズが犯したレベルの失敗を既にしてしまっているというのがデータが示すフラットな評価です。

あのシーズンにおけるマンチェスター・ユナイテッドの最大の失敗は、前年の優勝メンバーを過信して、フェライニを獲っただけで戦おうとしたことでした。対して今のガナーズは、冬にオーバメヤンとミキを獲るなど前線には手を打っていますが、後ろは未着手。現有戦力ベースの最終ラインをよしとすれば、長い冬に突入してしまうのではないでしょうか。2017-18シーズンのアーセナルが厳しいシーズンを過ごした要因として、以下の3点が大きいとみています。「3バックにシフトしたのにチェンバレンを手離し、対応できるWBとCBを揃えられなかった」「3バックの熟成も、4バック回帰後の新機軸も打ち出せず、一貫性も進化もない戦い方に終始した」「満身創痍でパフォーマンスが落ちたコシールニーと、ミスが目立ち始めたチェフに守備陣全体が引きずられた」。最終ラインの抜本的な改革は必須でしょう。リヒトシュタイナーはいい補強ですが、チャンバース、ホールディング、マヴロパノスの成長待ちといった悠長なギャンブルが許される状況ではないはずです。

本ブログのコメント欄で、「チャンバースは残すべき、出すならムスタフィ」といったご意見をいただきましたが、私は違う見方をしています。入団当初はよかったムスタフィは、いい相棒の調達と戦術整理によって復活するのではないでしょうか。ペップ降臨でスペイン時代の輝きを取り戻したオタメンディや、ファン・ダイクとのコンビで自信を取り戻し、プレミアリーグ後半戦19試合で15失点という堅守の一員となったデヤン・ロブレンを見ると、なおさらその思いを強くします。

たとえばトビー・アルデルヴァイレルトは、今のガナーズが本気で獲りにいくべき格好のターゲットだと思います。スライディングをせずともボールを奪えるプレミアリーグ屈指のCBが加われば、ムスタフィの安定や若手の成長など、最終ライン全体に与える影響は大きいでしょう。彼のような選手と組ませるCBを考えたとき、ポテンシャルの高さを一度は見せてくれた代表クラスと、才能の片鱗しか見せていない若手では、前者を優先したくなります。

とはいえライバルクラブからCBを獲れないとすれば、噂のパパスタソプーロスなど、安くて働く選手を獲得するしかありません。その際に、さらなる補強資金が必要となれば、プレミアリーグのトップレベル到達までは微妙なチャンバースは、ウェルベックとともに売却要員とカウントしてもいいのではないでしょうか。昨季のペップは、開幕前に4人のSBを全員手離し、冬にラポルテまで押さえてプレミアリーグを制しました。ブリントをカウントすればCBを5人も使えたジョゼ・モウリーニョは、リンデロフという次世代への布石を打っています。スパーズはダヴィンソン・サンチェスを加えて中央の層を厚くし、チェルシーはズマをローンに出しながら、リュディガーとクリステンセンで3バックの強化を図りました。レッズは、いわずもがなのファン・ダイク。ではガナーズは…。「長期離脱のコシールニーの穴を埋めて終わり」では、この夏もさらなる手を打ってきそうなライバルたちと伍することはできないでしょう。

何が何でもチャンバースを出すべきとまでは思いませんが、理想的な最終ラインを実現するために、CBが複数必要という判断をするなら、まずまずの移籍金を払ってくれるクラブに渡すという選択肢はあるのだという認識です。こと最終ラインに特化していえば、プレミアリーグのTOP6は、マンチェスター勢とレッズ、スパーズ、チェルシー、バーンリー。アーセナルは、ニューカッスルやブライトン、エヴァートンとともにセカンドグループにいるという危機感を抱いたほうがいいと思います。エメリ新監督の戦術による改善に期待しつつも、絶対的に足りない駒を揃えなければ、プレミアリーグ4位以内復帰は難しいのではないでしょうか。こんな大事な夏に、5000万ポンドとは…!? リヒトシュタイナー、エンゾンジ、アルデルヴァイレルト、パパスタソプーロス、1年前に話題になったトマ・レマルまで加えても、左サイド後方の層の厚さと中盤のユーティリティが気になるぐらいなのですが…。

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“リヒトシュタイナーを獲得したアーセナルに、絶対に妥協してはいけないCB強化を期待!” への10件のフィードバック

  1. むん より:

    金銭面を考慮しなれけばマヴロパノスとホールディングはシーズンローンで、ムスタフィとチェンバース、ほぼ確定のパパスタソプーロスともう一人のCB獲得(ソユンク?パヴァール?)というのが、収まりどころかなぁと思ってます。あとはGKとアンカー次第ですね。予算が5000万ポンドでパパスタソプーロスが1700万?なら、残りは3300万なわけで、今の市場なら将来有望な若手CB一人で終わってしまう感じですね。

    なので、GKはもう1年チェフを託すとして、(そもそも昨シーズンの守備レベルではいくらチェフでも、ね。ミスが多かったのも仕方ないと個人的には思ってます)アンカーを買うお金を創るために、チェンバースを売却してホールディングまたはマヴロパノスを頭数に入れる、というのは納得出来る考え方だと個人的には思います。

    まぁワールドクラスとまではいかなくても、それに近いアンカーを獲るなら、チェンバース一人の移籍金ではどうにもならんと思いますが…。ウェルベックやキャンベル、ルーカスペレスなどが候補でしょうか。残り契約期間は知りませんが…。

    しかしウェルベックというのはつくづく不思議な選手です。特段良い印象もないんだけど、いまやガナーズ唯一のイングランド代表ですから。本当は売却だなんだと言われるような立ち位置じゃないんだろうけど、なんか信用おけないという笑

  2. どいつ? より:

    良い補強とのコメントが多いのですが、
    個人的には五分五分ではないのかなと。
    理由は、あの年齢でプレミアに馴染むというのは難しい気がしますし、それならばダルミアンを狙うほうが良かった気がします(ダルミアンはユベントス行きぽいですけど)

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    実はアーセナルはそこそこお金ある説を信じていたのですが、噂に上がる選手を見るとガチでお金ないみたいですね・・・
    ソクラテス、リヒト、フェライニとか完全に中堅クラスの補強でわろた

  4. makoto より:

    むんさん>
    チャンバースとホールディングのどちらを取るか、という論点もありますね。私がチャンバース売却もありでは?といっているのは、彼が他の若手よりも悪いからではなく、他の若手よりも高く売れそうという理由です。監督が代わって化ける可能性が高いのは、むしろチャンバースのような気もするので、エメリさんがどう見るかかなと思います。ウェルベック…。入団4シーズンでプレミアリーグ15ゴールは、むむむむむですね。

    どいつ?さん>
    チャンスはもらえたのに、クロスを1本も決められなかったダルミアンこそ、プレミアリーグ以外に活躍の場を見出してもらったほうがいいのでは?2人の監督で、いずれも結果を出せなかった選手です。

  5. stotina より:

    更新おつかれさまです。

    先エントリではエンゾンジが主題でしたので触れませんでしたが、私もムスタフィについては同様の評価です。
    「放出すべき」とする現地メディアもあるようですが、通用するのは実証済みですし、相棒とメンタル次第で十分期待できると思います。
    そもそもコシールニーが通年でフル稼働できないのは昨夏の段階で分かっていたので、CBのテコ入れが1年遅れた感は否めません。
    パパスタソプーロスも報道の状況からすれば獲得は時間の問題のような気もするので、もう一枚を行くかどうか。
    フロントは「2,3年はCLに出れなくても大丈夫」みたいなことを以前うそぶいていたと記憶していますが、そうなると来年がデッドラインです。
    makotoさんが示してくれた数字は、かなり危機感をあおられました(汗)。

    リヒトシュタイナーはたしかに年齢は難点ですが、シンプルに人のいないセクションですし、昨年の出場状況や近年の活躍、ならびにフリーであったことを踏まえても良い補強だと思います。
    「人がいないのに放置する」、「ベテランを冷遇する」という、これまでの補強傾向からの転換は素直に歓迎します。

    あとは、キャンベルやペレスはもう解放してあげましょうよ…。

  6. だしまる より:

    ようやく一人決まりましたね。
    パパも来そうですが、それでようやく、ドビュッシーとメルテザッカーの穴埋めというところでしょうか。
    コシールニーの怪我、ピークに達したモンレアルへの頼り過ぎは危うい。

    と考えるとCBとDMFの一人ずつは最低欲しい。
    とはいえ、誰かを取れば誰かを出さねばいけません。

    DFでは、メルテザッカー、MFでカソルラが去りましたので、枠は空きました。

    チャンバース・ホールディング・マヴロパノスで
    誰を残すかは、新監督の判断を待つのではないでしょうか。

    また、5000万のキャップは、新監督面接時の前提条件だった気がします。
    補強予算5000万で、君は、どのようなチームを作るつもりなんだい?
    というのがフロントからのオーダー。

    その点では、更なる予算の積み上げは可能ながら、ある程度、現実的な数字なのでしょう。

    勝手なことを言うと、
    ウェルベックと若手CB三人衆から一人放出。さらに・・・断腸の思いでウィルシャーを放出し、頼りになるCBとMFが欲しいです。
    さらに、ジェフ・レーヌ・アデレード(ウィルシャーの代わり))とルーカス・ペレス(ウェルベックの代わり)を戻してもらいたい。
    ※様々な意見があって当たり前。私の独断と偏見です。

    ウェルベック・・・本当に不思議ですねえ。レスター戦での決勝ゴールがいまだに忘れられないのですが、あまりにも決定力不足で。

  7. おじるたそ より:

    どっかのマンチェスターのクラブと違ってお金ないんですよ。
    本気でアルデルヴァイレルトなんて取れるとおもってるんですか?
    パパタソプロースで限界ですよ。
    むしろ実力者をよくとったほうかと。
    あんまり、自分のチームの金遣いと同じ感覚で補強しないアーセナルを責めないでほしいですね。
    レマルに?エンゾンジ?とれるわけないだろばーか。

  8. 新参 より:

    最後の文章は、
    新監督を迎え入れCL復帰を期す夏に5000万ポンドとはしんどい、気持ち的にはエメリの戦術の肝であるサイドアタック強化のためにもレマルをとって新監督の盛大な船出としたいぐらいなのに…というニュアンスだと受け取ったのですが、違いましたかね?

    フロントは極めてリアリスティックにチームを強化しようとしてますね。バックラインに落ち着きをもたらすために、ベテランのリヒトシュタイナーとソクラテスを加えるチョイスは悪くないと思います。前者はベジェリンのメンターとして、後者は競り負けることが多いCBの改善策として機能してくれるのではないでしょうか。

    予算的に補強できるのは、ソユンクのようなCBの有望株か、エンゾンジのようなアンカーか、売却すすめて、レノのような新守護神か…

    個人的にはチェフとムスタフィは緻密なチーム戦術の中でこそ活きる選手だと思っています。今夏は補強を見送り、来冬・来夏に補強したほうがよいと思います。エメリのコネクションでエンゾンジ、ミズリンタートのコネクションでデンベレ(買い取りオプション付きレンタル)という結果になれば最高です。

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    CBも補強必須ですが、ボランチ…っていうか中盤の選手も補強必須だと思います。なんせコレ!といったチームの中心になり得る選手が不在ですからね…
    とりあえずPLのベテランで、とにかく安い選手…いないかなぁ〜
    あっ!(ベテランMF)
    あっ!(移籍金フリー)
    あっ!(週休1ポンド)
    ヤヤトゥーレ、ようこそアーセナルへ!!!

  10. stotina より:

    >プレミアリーグ大好き!さん

    思わぬところにうってつけの人材が(笑)。ようこそアーセナルへ!

    やはりオフシーズンはこうでないと。
    ユーモアを交えつつ、かつポジティヴに、噂に踊らされてナンボですね。

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