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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「ウスマン・デンベレがリヴァプール移籍」はよくあるゴシップか、水面下で進行中か…⁉

補強資金があるマンチェスター・ユナイテッド、プレミアリーグ3連覇をめざすマンチェスター・シティ、欧州を制したリヴァプールはとにかく移籍ゴシップに巻き込まれやすいクラブですが、左SBなど手薄なポジションを埋めるだけと目されていたレッズに大型移籍はあるのでしょうか。一時は「興味なし」とも伝えられたニコラ・ペペやブルーノ・フェルナンデスは今も時折ネタにされ、先日はフィリペ・コウチーニョ復帰説がひとしきり話題になりました。さて、このたびプレミアリーグ参入の可能性が話題になっているのは、バルセロナのウスマン・デンベレです。

ラキティッチやコウチーニョなど、バルサの選手が話題になるのは、グリーズマンやネイマールの獲得が噂されているからでしょう。さすがのスペイン王者も、3億ポンドからのショッピングをすれば現有戦力の整理が必要になります。2017年の夏にドルトムントからカタルーニャに渡った超絶ドリブラーは、ラ・リーガ46試合11ゴールと真価を発揮しているとはいえません。才能を見せつけられる日と消えてしまう試合がはっきりしており、スタメンに定着したかと思えばベンチに逆戻りというサイクルを繰り返しています。

プレミアリーグファンの記憶に新しいのは、5月1日にリヴァプールをカンプ・ノウに迎えたCL準決勝ファーストレグでしょう。3-0としたバルサは、追加タイムにメッシの完璧なドリブルとラストパスからビッグチャンスを迎えました。22歳のアタッカーはアリソンと1対1になったのですが、フィニッシュの手前で明らかに集中力を欠いており、左足のシュートをプレミアリーグのゴールデングローブにストップされてしまいます。このミスの代償がいかに大きかったかは、ファイナルの舞台となったエスタディオ・メトロポリターノで歓喜した赤いシャツを目撃した方はよくご存じでしょう。トレーニングに遅刻することが多く、類まれなる才能をピッチで発揮しきれていないデンベレは、シーズン中もしばしば放出候補としてゴシップの餌食になっていました。

そんなデンベレがリヴァプールの補強ターゲットとされるのは、実際に不穏な動きがあるからなのか、あるいは現地メディアが伝える以下のような状況証拠によるところなのか。「9300万ポンド(約126億円)の移籍金を払えるのにおとなしいレアなクラブだから」「素行が悪い選手を使いこなせるユルゲン・クロップのチームだから」「ドルトムント案件だから(ただしクロップ監督は直接面倒をみていない)」「スタリッジが去った空席に、フェキルやニコラ・ペペが座ると話題になっていたから」。ファン・ダイクを大きく超えるクラブレコードの移籍金を払う根拠としては、いささか弱い気がしてなりません。

今のレッズが大枚をはたく案件ではないように感じられますが、こんな話なら実際にあるかもしれません。「敏腕ディレクターのマイケル・エドワーズが、グリーズマン資金がほしいバルサの事情を見切って移籍金を下げる交渉をしている」。6000万ポンド程度まで落とせれば、将来売却することになっても利益を得られそうで、悪くない買い物です。素行の悪さ…サディオ・マネはマジメな選手ですが、レッズ入団の際には「遅刻に激怒したロナルド・クーマンがベンチで反省させた」というエピソードが付いてまわっていました。休日にひとりでトレーニングしていたと報じられたこともあるデンベレも、クロップ監督との出会いで覚醒する可能性は決して低くはありません。

レッズのフットボールにぴったりはまりそうな逸材ゆえ、ついつい妄想を膨らませてしまいました。未完の大器のプレミアリーグ殴り込みは、実現するのでしょうか。サラー、フィルミーノ、マネ、オリギ、シャキリ。ここ2年はなかった3トップの長期離脱に備えると考えるなら、ひとり獲得するのはおかしな話ではないのですが…。(ウスマン・デンベレ 写真著作者/Антон Зайцев)

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