偏愛的プレミアリーグ見聞録

コーディー・ガクポをさらわれたクラブのサポーターとして、老婆心ながらご忠告申し上げます。背後にお気をつけください、抜かれるときは一瞬です、と。プレミアリーグで首位に立てるまで、チームを強化したエドゥSDにしてみれば、余計なお世話かもしれませんが…。

以前からミハイロ・ムドリクを狙っていると伝えられていたアーセナルが、本格的な交渉に入ったようです。5500万ポンドのオープニングオファーは、シャフタール・ドネツクが拒否。「スカイスポーツ」の2トップ、ニック・ライト記者とダルメシュ・シェス記者が、ウクライナのクラブのFDとCEOを追いかけています。

「ムドリクを買いたいなら、多額のお金を費やし、われわれを尊重しなければならない」と胸を張るのは、ウインガーを高く評価するダリヨ・スルナFD。昨シーズンの開幕時には100万ポンド以下で獲れた無名のFWに、8500万ポンドという高額のタグを付けています。

金額の根拠を問うと、「世界でTOP5に入る選手で、夏にマンチェスター・ユナイテッドに入団したアントニーより上」。アヤックスが受け取ったのが8600万ポンドなら、同等以上のキャッシュが必要という主張です。

一方、セルゲイ・パルキンCEOは、プレミアリーグのクラブからのオファーについて「われわれがテーブルに載せたいものではなかった」とコメント。「アーセナルと5分後に電話で話すつもりだ。アイデアや金額を交換する準備はできており、交渉の余地はある」 と付け加え、「同意するならしよう。できないなら別の機会に」と条件次第であることを強調しています。

ガナーズが夏に本気でチャレンジしていれば、移籍金は抑えられたかもしれません。ウクライナプレミアリーグで、開幕から3試合はノーゴール。ルフ・リヴィウ戦ではレッドカードを喰らい、次節を欠場しています。

21歳のドリブラーに火が着いたのは、チャンピオンズリーグの緒戦、ライプツィヒとのアウェイゲームでした。1ゴール2アシストで1-4圧勝の立役者となると、セルティック戦でも同点ゴールをゲット。10月1日のメタリスト戦では、3アシストで1-6の勝利に貢献しました。

以来、ウクライナプレミアリーグでは8戦7発。CLのグループステージでは、6戦3発2アシストという数字を残しています。公式戦オールで19試合2ゴール9アシストだった前年からの得点力UPを見て、CEOとFDは値段を吊り上げたのではないでしょうか。

アーセナルの5500万ポンドは、リーズのハフィーニャ獲得で提示した額と同じです。ハフィーニャか、アントニーか。3000万ポンドのギャップは埋まるのか。「スカイスポーツ」の記者たちが、「アーセナルは慎重ながらも楽観的」といっているのは、ご本人がガナーズ入りを望んでいるからでしょう。

ムドリクは、ボクシングデーのアーセナルVSウェストハムをテレビで観戦し、Instagramに写真を投稿。匂わせか、あるいは天然かと話題になりました。シャフタール・ドネツクの経営陣がお金の話しかしないのは、引き留めは無理と諦めているからだと思われます。

移籍金を巡る綱引きは、いずれ妥結する見通しですが、時間がかかるとライバルが勝負を仕掛けてくる可能性があります。最大の要注意クラブは、ツィエクとプリシッチを売るという噂があるチェルシーでしょう。モー・サラーをリヴァプールからさらった「前科」があるロンドンの仇敵は、現在のプレミアリーグで最も活発に動いているクラブでもあります。

以上、ムドリク獲得に関する最新情報をお届けしました。エドゥSDは、相思相愛のドリブラーをエミレーツに引き寄せることができるでしょうか。次回のオファーは、総額だけでなく初期費用とアドオンの比率も議論になるはずです。クラブ史上最高額は、ニコラ・ペペの7200万ポンド。これを超えずに着地させたいところですが…。