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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ジョルジーニョVSエンソ・フェルナンデス…中盤を強化できたのはアーセナルか、チェルシーか!?

モイセス・カイセドを断念したアーセナルは、セカンドチョイスのジョルジーニョに1200万ポンドを投入。同じくカイセドに注目していたチェルシーは原点回帰し、1億600万ポンドのプレミアリーグレコードでエンソ・フェルナンデスを獲得しました。ムドリクを奪われたクラブは代用品で我慢を強いられた感があり、ムドリクを強奪したクラブには輝かしい未来があるように見えます。

グーナーのなかには、「カイセドがジョルジーニョになってしまった」と落胆する向きもあるようです。片やブルーズは、あまりにも巨額の投資にたじろぎながらも「欧州屈指のセントラルMFを手に入れた」とテンションが上がっているサポーターが多いようです。

しかし、見方を変えると、戦力を確実に向上させたのはアーセナルともいえます。彼らが比べるべき選手は、カイセドではありません。12月までと比較すると、「パスワークが不安だったサンビ・ロコンガを、百戦錬磨のジョルジーニョにスイッチした」となります。対してチェルシーは、「計算できるジョルジーニョを未知のエンソ・フェルナンデス」で、多分にギャンブルです。

今季プレミアリーグにおけるトーマスとジョルジーニョのスタッツを比較すると、90分あたりのタックル数は2.32対2.95、インターセプト数は1.23対1.48、リカバーは8.01対8.36と、ジョルジーニョが上回っています。足が遅いのを気にする人もいるようですが、最後の砦となってムドリクや三笘と向き合うシーンさえなければ、問題はないでしょう。

さらにジョルジーニョには、トーマスにはない武器があります。ひとつは、大舞台の経験値。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ユーロで頂点に立つという実績は、他の追随を許しません。プレイでいえば、ラインの裏に通す必殺のロングフィード。駆け引きに長けたジェズスが復帰したら、ジョルジーニョの価値は増すのではないでしょうか。

チェルシーにしてみれば、中盤の底でプレーメイクしてくれていたキーマンを手離し、欧州でフルシーズンを過ごしたことがない若手に仕切りをまかせることになります。指揮官も9月に来たばかりで、ムドリクとジョアン・フェリックスはプレミアリーグの経験値が90分にも達していません。早期に完成度を高められなければ、矢面に立つのは高額移籍金の新戦力です。

トロサール、キヴィオル、ジョルジーニョという冬の着地に、もの足りなさを感じているグーナーもいるでしょう。確かに3年後を考えれば、ムドリクとカイセドです。しかし現在の最大のミッションは、2位に5ポイント差という千載一遇のチャンスをものにすることです。残り19試合という単位で見れば、プレミアリーグ経験があるベテランたちに軍配が上がるかもしれません。

エドゥSDは全力で獲りにいき、必死にリカバーしました。何もせずにCL出場権を逃した1年前を思い出せば、彼らの1ヵ月のアクションは素晴らしかったと称えていいのではないかと思います。プレミアリーグを制すればもちろん、マン・シティに捲られたとしても。

一方、チェルシーの補強は、トッド・ベイリーの「リアルサカつく」状態。フットボールファンなら、誰もが1度やってみたい夢を体現しています。堅実な弱点補強が勝つのか、大胆なドリームチーム構想が他を圧倒するのか。週末のエヴァートンVSアーセナル、チェルシーVSフラムが楽しみです。


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