イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ハリー・ケインは売却か、来年フリー覚悟で残留か…スパーズがバイエルンに迫られる苦しい二択。

ドイツ王者がスパーズのエースを奪おうとしている「ロンドン夏の陣」は、既に外堀が埋められています。トーマス・トゥヘル監督は本人と何度も話し合い、ビッグイヤー獲得という目標を共有。バイエルンのウリ・へーネス名誉会長は、彼の代理人を務めるファミリーも同じ思いだと胸を張っています。

「ハリーは、これまでのすべての話し合いで、心は決まっていると明言している。この状況が続けば、われわれは彼を獲得することになる。トッテナムは道を譲らざるをえないだろう」

「今、彼はヨーロッパのトップクラブに来るチャンスを再び手にしている。彼自身と代理人である兄と父は、自分たちが約束したことを守る人たちで、好意を抱いている。このままでOKだ」

ヘーネス名誉会長は、「(監査委員としてクラブに復帰した)カール・ハインツ・ルンメニゲも、定期的に彼と話している」と明かしています。ハリー・ケインと代理人の兄チャーリーは、バイエルン移籍一択と決めているようです。スパーズの本陣は包囲されており、「1年後には7000万ポンドの移籍金はゼロになる」と脅される兵糧攻めが始まっています。

先週の木曜日には、バイエルンのヤン=クリスチャン・ドレーゼン新CEOがロンドンを訪れ、ダニエル・レヴィ会長と直談判。「スカイスポーツ」は、有意義な進展はなかったと報じており、スパーズは何としても契約延長を成立させる意向のようです。

「レヴィは賢い。彼は値段をいわない。すべての始まりとして、レヴィに値付けしてもらわなければならない。そう、彼は時間稼ぎをしているのだろう。博識で、スーパープロフェッショナルだと思う。でも彼らが、ずっとこのままにしておくはずはない」(ウリ・へーネス)

2021年にマン・シティが獲りに来たときは、契約が3年残っており、ひたすら拒否して時間切れに持ち込みました。しかし今は、バイエルンを振り切っても、1年後にフリーで出ていかれるリスクが残ります。プレミアリーグのライバルに移籍金ゼロで渡したくなければ、「新たな契約書にサインをもらう」「自分たちの順位やトロフィーに関係ない国に行ってもらう」の二択です。

圧倒的有利を自覚しているバイエルンは、メディアを通じて揺さぶりをかけています。彼らのオファーは7000万ポンド(約127億円)。1億ポンドを主張といわれていたスパーズに対して、値段を吊り上げて破談になったら困るだろうと諭すような金額です。

ハリー・ケインとファミリーには、「前言を撤回するな」と念を押すようなホメ殺し。レヴィ会長がひとたび金額を口にしたら、強烈なプレスで値下げを求めてくるでしょう。スパーズが用意した週給約40万ポンド(約7250万円)と引退後のキャリアを保証するプランは、ビッグタイトルを渇望するストライカーに刺さるとは思えません。

外からの目線では、バイエルンの完勝が近づいているように見えます。もはや本人の意向を変えられないスパーズにとって、最高の着地は「パリが1億ポンドでアプローチし、バイエルンがしぶしぶ高値で再オファー」というデクラン・ライスのパターンなのかもしれません。

ハリー・ケインは、プレミアリーグに残りたいのだと思っていました。しかし実際は、個人レコードやロンドンでの暮らしよりも、今まで1度も味わえなかったチームとしてのトロフィーを得られる可能性のほうが魅力的だったのでしょう。

プレミアリーグの最多ゴール記録まで残り48。その目標が、「42」にスイッチする日が近づいているようです。ブンデスリーガでロベルト・レヴァンドフスキが叩き出したシーズン最多ゴール記録。彼が自らの仕事を成し遂げたとき、新たなチームはリーグや国内カップなどのタイトルを獲得しているはずです。あるいはトゥヘル監督が目標とするビッグイヤーまでも。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す