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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

無冠のドリブラー、ウィルフリード・ザハはガラタサライで初のCLチャレンジ!

「素晴らしい歓迎を受けた。多くのファンが来てくれた。初めてチャンピオンズリーグでプレイする機会を得た。 できる限り貢献したい。前に進めるようがんばりたい。正直にいおう。ここに来る前に、ドログバやファン・アーンホルトなど多くの友人と話した。ドログバは、ここに来いといってくれた。ファンのためにも、今シーズンは優勝したい」

そうでしたね…。ガラタサライに移籍したウィルフリード・ザハが、CLは初めてというのを聞いて、あの頃を思い出しました。「僕とカガワだけで、シュート練習をさせられたこともあった」。サー・アレックス・ファーガソンが獲得した最後の選手。クリスタル・パレスからやってきた20歳のドリブラーは、香川真司と同様に、御大の勇退で割を食った不遇な存在でした。

デヴィッド・モイーズの下では、プレミアリーグ2試合で28分しかチャンスを与えられず、年明けからカーディフにレンタル。ファン・ハールには、ウイングバックとストライカーの二択を迫られ、居場所がないと確信したザハは古巣復帰という決断を下しました。

マンチェスターに渡る直前に、プレミアリーグ昇格に貢献したウインガーは、以来9シーズンで公式戦315試合72ゴール48アシストという数字を残しています。この間クラブは、最高位が11位で最低は15位。浮きも沈みもせず、トップリーグでしぶとく戦い続けられたのは、ひとりでゴール前に運んでくれるドリブラーがいたからでしょう。

過去9シーズンにおける1試合あたりのドリブル成功数ランキングでは、1位が1回、2位が4回、3位が1回。アダマ・トラオレ、エデン・アザール、サン=マクシマンらと上位を争う常連でした。アーセナルへの移籍が取り沙汰されたこともありましたが、クラブが高額の移籍金を請求したため、話はまとまらずに終わりました。

2023年6月をもって、13年を過ごしたクリスタル・パレスとの契約が満了。30歳になったベテランに対して、ガラタサライは3年契約で年俸435万ユーロ(375万ポンド=6億8000万円)という好条件を提示しました。2013年のコミュニティシールドは、彼のトロフィーとはいえません。無冠のウインガーは、初のビッグタイトルがめざせる新しいステージの入り口に立っています。

「クリスタル・パレスとの契約を満了し、ガラタサライで初めての海外を経験することになったザハを歓迎する。赤と黄色のユニフォームで、忘れられない日々を過ごしてほしいと願っている」

クラブの公式サイトも、現地のサポーターも歓迎ムード。セルハースト・パークの情熱的なサポーターをうならせたテクニックは、イスタンブールにも歓喜をもたらすのではないでしょうか。忘れえぬタレントを、快く送り出したいと思います。一緒にタイトルを喜べなかった苦さを呑み込んで。


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