偏愛的プレミアリーグ見聞録

アーセナルがホームでフラムに引き分け、ブライトンがウェストハムに敗れたため、プレミアリーグの3連勝はマンチェスター・シティのみとなりました。昨季王者も順調とはいえず、昇格したばかりのシェフィールド・ユナイテッドに残り5分で追いつかれ、88分のロドリのスーパーボレーで勝ち越す苦しい展開でした。

ホームチームが2勝2分6敗と小波乱の週末は、トランスファーマーケットでもサプライズ情報が続々と届いています。激動の地はロンドン。レアル・ソシエダへのローン移籍が決まったのは、キーラン・ティアニーです。2019年にセルティックからアーセナルに加わり、4シーズンでプレミアリーグ91試合3ゴール9アシストのフルバックは、昨季は先発6試合に留まっています。

左サイドからのオーバーラップと鋭いクロスは、欧州屈指のビッグクラブでも通用するレベルですが、彼の強みとアルテタ監督のオーダーの間にギャップが生じてしまいました。現在のレギュラーは、偽SBとしてのパスワークに長けたジンチェンコかティンバー。彼らが不在なら、守備力が高い冨安健洋が選ばれます。

一時は残留といわれていたのですが、プレミアリーグ開幕からの3試合は出番がなく、本人のなかで危機感が高まったのでしょう。久保建英が所属するレアル・ソシエダとの契約には、買い取りオプションは付いていないとのこと。26歳になったフルバックには、アーセナルで復活する道が残されているようです。

アーセナルといえば、ファブリツィオ・ロマーノさんが「ロブ・ホールディングは、移籍市場の最終日にアーセナルを去る見通し」とツイートしています。有力候補はスペイン。ベン・ホワイトが中央に入ったため、居場所がなくなりつつあるCBに加えて、バログン、ヌーノ・タヴァレス、ニコラ・ペペ、セドリク・ソアレスの売却が正式に決まれば、彼らの夏は終わります。

週末の最大のトピックスは、アヤックスのモハメド・クドゥスのウェストハム入団決定でしょう。昨シーズンのエールディヴィジで30試合11ゴール4アシスト、CL＆ELで7試合5ゴールのアタッカーの移籍金は、3560万ポンド（約66億円）とアドオン260万ポンド。アヤックスは、次の移籍の際に売値の10％を手にするセルオン条項を付けたそうです。

アンカー、インサイド、ウイング、トップ下、ストライカーをこなすマルチプレーヤーは、マイケル・アントニオのポジションか、あるいは2列めの左か。ルーカス・パケタやウォード＝プラウズは連携のパートナーではなく、レギュラーを争うライバルになるかもしれません。1年の延長オプション付きの5年契約で、背番号は14。週末のプレミアリーグデビューが楽しみです。

ハマーズには、ハリー・マグワイア獲得に再度チャレンジという噂もあります。移籍金3000万ポンドは合意済み。マンチェスター・ユナイテッドの元キャプテンが、ティアニーのように翻意すれば、一気に決まるはずです。「逆転勝訴」はあるのでしょうか。マン・ユナイテッドの後釜確保も条件のひとつとなりそうで、この話はデッドラインデーまで引っ張る可能性があります。

さて、最後はチェルシーです。先週の土曜日、ニューイングランド・レボリューションのGKジョルジェ・ペトロヴィッチを1250万ポンド（約23億円）＆アドオン150万ポンドで獲得したクラブは、長らく抱えていた問題が解決したようです。先ほど、「スカイスポーツ」が「チェルシーとローマがルカクのレンタル契約に合意」という最新情報を配信しました。

記事によると、レンタルフィーは800万ポンド（約14億7000万円）。インテルを激怒させたお騒がせなストライカーは、セリエAでのプレイを熱望しており、ジョゼ・モウリーニョとの再会を喜んでいるそうです。チェルシー関連では、「ルーク・ショーが負傷したマンチェスター・ユナイテッドがククレジャ獲得を希望」という噂もありますが、残り3日で決めるのは難しいでしょう。

ノッティンガム・フォレストのブレナン・ジョンソンに関心ありといわれているトッテナムも、まだシャッターを下ろしていません。エンドンベレ、レギロン、エリック・ダイアー、ダヴィンソン・サンチェス、タンガンガ、ジェド・スペンス、ロリス、ホイビュルクは、お値段次第で売却OK。最終日までに、何人かのローン移籍決定のニュースが流れるはずです。

以上、激動のロンドンに関する最新トピックスを紹介しました。トランスファーマーケットのデッドラインは9月1日23時で、残り4日。首都のクラブの注目ポイントは、スパーズとガナーズの余剰戦力、ハマーズのDF、ブルーズの最前線といったあたりでしょうか。それにしても、激しい夏ですね…。