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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

補強も売却も1位はもちろん…プレミアリーグ20クラブ・夏のトランスファーマーケットの収支報告!

「スカイスポーツ」のレポートを見て、愕然としました。夏のトランスファーマーケットにおける全20クラブの収支報告。マンチェスター・ユナイテッドの赤字は、1億3550万ポンド(約251億円)で2位となっています。FFP遵守のために、ハリー・ケインなど大物獲得を断念しながら、アーセナルやリヴァプールよりマイナスが大きいとは…。

補強も売却も、当然1位はチェルシー。ブライトンのMFモイセス・カイセドにプレミアリーグレコードの1億1500万ポンド(約213億円)を投じたクラブは、フットボール史上最高額となる4億3450万ポンド(約803億円)を記録しました。トッド・ベイリーらがクラブを買収した昨年から通算すると、マーケットで使った費用は10億3600万ポンド(約1918億円)になります。

ド派手なクラブは、売却でもレコードを叩き出しました。カイ・ハヴェルツ、メイソン・マウント、コヴァチッチ、プリシッチ、ロフタス=チーク、クリバリ、メンディ、アンパドゥ、ハドソン=オドイを足し込むと2億3730万ポンド(約439億円)。カイセド、マック・アリスター、ロベルト・サンチェスらで1億9870万ポンド(約368億円)のブライトンを大きく上回っています。

出費額の2位は、コヴァチッチ、グヴァルディオル、ジェレミー・ドク、マテウス・ヌネスを手に入れたマンチェスター・シティで2億1630万ポンド(約400億円)。ジェームス・マディソン、ファン・デ・フェン、ウドジェ、ヴィカーリオ、ブレナン・ジョンソンを押さえたトッテナムが、2億1230万ポンドで3位は意外でした。

4位に入ったのは、デクラン・ライスとカイ・ハヴェルツ、ティンバーを獲得したアーセナル。2億800万ポンド(約385億円)は、ノースロンドンのライバルよりマイナス800万ポンドという僅差です。5位のマンチェスター・ユナイテッドは1億8350万ポンドで、6位リヴァプールは1億6540万ポンド。以下、ニューカッスル、ウェストハム、ボーンマスまでが1億ポンド超えです。

さて、ここからは収支額のランキングに目を移しましょう。赤字額1位はチェルシーで、1億9720万ポンド(約365億円)。マンチェスター・ユナイテッドは、ディーン・ヘンダーソンやフレッジなどお手頃価格の選手しか売れず、チェルシーと6000万ポンド差の2位に入りました。3位は売却ゼロのニューカッスルで、マイナス1億3000万ポンド(約240億円)です。

バログン、ジャカ、マット・ターナーらを売ったアーセナルは、1億2900万ポンドで4位。マグパイズと同じく、誰も売らなかったボーンマスは1億1730万ポンドで5位です。ファビーニョとヘンダーソンを手離したリヴァプールは1億1240万ポンド、ハリー・ケインを1億ポンドで売却したトッテナムは1億230万ポンド。1億ポンド以上のマイナスは、ここまでの8クラブでした。

マフレズ、ラポルテ、コール・パルマーらを売ったマン・シティは、6850万ポンドの赤字で9位に留まっています。黒字は4クラブ。2人しか獲っていないエヴァートンと、デクラン・ライスの1億500万ポンドが大きかったウェストハムは2000万ポンド程度ですが、ルベン・ネヴェスやマテウス・ヌネスなど主力大量放出のウルヴスは、8070万ポンドのプラスとなっています。

そして黒字額1位は、いわずと知れたブライトン。フェルブルッヘン、イゴール、ダフード、ミルナー、ジョアン・ペドロ、アンス・ファティと即戦力を揃えながら、1億1460万ポンド(約212億円)の収益は見事です。来年以降も三笘薫、エンシーソ、エヴァン・ファーガソン、ビリー・ギルモア、ランプティらを高値で売って、若手を青田買いするサイクルを続けるのでしょう。

個人の移籍金を見ると、カイセドとデクラン・ライスが1億ポンドオーバー。グヴァルディオル、ホイルンド、カイ・ハヴェルツ、メイソン・マウント、ショボスライまでが6000万ポンド以上で取引されています。5000万台はラヴィア、ジェレミー・ドク、トナーリ、マテウス・ヌネス、ムサ・ディアビ、エンクンクの6人。上位13人は、全員25歳以下です。

「BBC」のトム・マローズ記者によると、プレミアリーグ全体で動いた移籍金増額は23億6000万ポンド(約4359億円)で、レコードだった昨夏の19億2000万ポンドを4億4000万ポンドも上回っています。ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アンを合わせた主要5大リーグの48%。背景にあるのは、移籍金相場の高騰と、サウジアラビアへの売却ラッシュです。

プレミアリーグのクラブが海外のクラブから受け取った移籍金は5億5000万ポンド(約1015億円)で、こちらも過去最高だった昨年の2億1000万ポンドをぶっちぎっています。このなかには、サウジアラビアから引っ張った2億4500万ポンド(約452億円)が含まれており、オイルマネーを得たクラブの投資意欲が高まったという面もあるようです。

移籍金の高騰は、グローバルなスポンサーやチャンピオンズリーグなどの収益源があるビッグクラブではなく、サポーターの層もコマーシャル収入も限られている中堅クラブを苦しくさせます。人件費負担が厳しくなって戦力がダウンし、プレミアリーグから滑り落ちてしまったレスターのようなクラブが出なければいいのですが…。


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