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ローマは「ほら吹き!」、ロンドンは「ウェルカム」…鎌田大地はクリスタル・パレスに入団間近!

Kamada to join Crystal Palace after Lazio exit」。鎌田大地のプレミアリーグ参入について報じた「フットボールイタリア」は、「Done deal」といい切っています。ラツィオとの契約交渉が決裂し、ブーイングを受けた日本代表MFは、今週中にロンドンでメディカルチェックを受けるようです。

ローマに残ると伝えていたメディアが一転、退団に翻ったのは5月31日。イタリアメディアは一斉に、「約束を反故にされた」「ゆすりのような行為は許せない」と激怒するファビアーニSDのコメントを報じました。昨年の夏に締結された契約は単年で、「鎌田が残留を望めば、新たな3年契約に切り替わる」という選手に有利な条件でした。

当初の契約をラツィオの立場からいえば、こうなります。「最初の1年は、残留か退団かをそちらが選べます。いい話でしょう?しかし残留となったら、イーブンな条件にさせてください。単年だと、売却という選択肢がなくなるので、3年で握らせてください。そこまで了承してもらえるなら、お互いサインしましょう」。5月29日までは、鎌田は3年契約を交わすと目されていました。

ここからこじれたのは、鎌田の代理人が1年前と同様に「単年契約で、出るか残るかを自ら決められる」契約を求めたからだそうです。ラツィオからすれば「約束と違う」。ファビアーニSDは、「延長が気に入らないなら、何も心配せずに出ていけばいいだけ。そういう約束だったからね」といっています。

これで話が終われば、まだよかったのですが、ラツィオとの契約について聞かれた鎌田のコメントを知った地元メディアがヒートアップ。「単年契約を望んだだけで、他に何も求めていない」「本当に残りたかった」という言葉に、「La Lazio siamo noi」は「(残りたかったという)鎌田の発言は不快だ。考えが変わったといえばいい。不誠実だろう」と突っ込んでいます。

ファビアーニSDが説明した経緯が事実なら、「単年希望」は今さら何を…となります。おそらく鎌田の代理人は、昨夏に握った条件も今回の交渉プロセスも本人にちゃんと伝えていなかったのでしょう。ラツィオの専門メディアは感情的になっており、「彼はひどい出来だった」「フランクフルトで見た選手とは別人」と、パフォーマンスまで非難しています。

こんな話は、ゴシップ大好きイングランドも騒ぐかと思いきや、明らかにトーンが違います。「BBC」の見出しは、「Destined to join the Eagles?(イーグルスに入団する運命?」。サガン鳥栖、フランクフルト、シント・トロイデン、ラツィオ、日本代表の共通点は?と話を振り、「クラブのバッジに鳥がいる」「鎌田は熱心なバードウォッチャー?」とはしゃいだだけです。

「フランクフルトの元監督のオリヴァー・グラスナーと再会する準備が整った」と報じた「イブニングスタンダード」は、「フランクフルトで179試合に出場し、73ゴールという素晴らしい成績を残した」「鎌田の獲得は、パレスの攻撃オプションを強化する」と絶賛。トラブルに関しては、「1700万ポンドのバイアウト条項に同意する気がなかった」のひとことで済ませています。

ファブリツィオ・ロマーノさんは「鎌田大地とクリスタル・パレスの契約は2026年6月まで。オリヴァー・グラスナーとの再合流は2年契約で、メディカルチェックを待っているところ」とポストしています。オリーズとエゼに移籍の噂があるクラブは、指揮官がダギー・フリードマンSDにかけ合って獲得したニューフェイスに大いなる期待を抱いているはずです。

イタリアでは「トロンボーニ(ほら吹き)」、イングランドは「バードウォッチャー」。利害が絡む当事者と、対岸の火事を眺める外野の体温差が興味深い移籍劇でした。ここは私も、こちら側に立って、「ようこそ…」と迎え入れたいと思います。…ああ、ちょっと元気がなかったですね。あらためまして、「鎌田大地さん、ようこそプレミアリーグへ!」


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