イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

チェルシー、エヴァートン、ヴィラ…PSR違反を回避したい6クラブは、月末までに誰を売るのか?

フットボールクラブの2023-24シーズンの年度会計は、6月30日までの1年で算出されます。プレミアリーグの「収益性と持続可能性に関する規則(PSR)」が定める過去3シーズンの赤字の上限は、1億500万ポンド。「スカイスポーツ」のライアル・トーマス記者とロブ・ドーセット記者は、6つのクラブがペナルティ回避のために選手の売却が必要と報じています。

アストン・ヴィラ、チェルシー、ニューカッスル、エヴァートン、ノッティンガム・フォレスト、レスター。それぞれの現状と、記者がピックアップした売却候補を紹介しましょう。昨季プレミアリーグで28年ぶりのTOP4フィニッシュを果たしたアストン・ヴィラは、2021年の夏に手離したグリーリッシュの移籍金1億円の効力が切れてしまいました。

獲得時の移籍金がない生え抜きを売れば、利益100%。しかし、グリーリッシュ基金を組み込めたのは昨年までです。エースを売った夏に、総額2億ポンド超の大型補強を敢行したヴィラは、減価償却費と選手のサラリーが負担になっているとのこと。売却候補は、ユーヴェが関心を示しているドゥグラス・ルイスや、ミランなど複数のクラブが狙っているマティ・キャッシュです。

2023年までの2シーズンでチェルシーが計上した赤字は、2億1100万ポンド。過去3回のトランスファーマーケットで9億ポンド以上を費やしたクラブは、フィカヨ・トモリやメイソン・マウントらを放出して穴を埋めていました。2022-23シーズンの売却総額は、リーグTOPの2億300万ポンド。しかし今回から、タミー・アブラハムとマーク・グエイの利益を積めなくなります。

彼らのショーケースはあからさまで、全員ユース出身です。コナー・ギャラガー、アルマンド・ブロヤ、トレヴォ・チャロバー、イアン・マートセン。ニューカッスルが買い取りオプションを行使するルイス・ホールの2800万ポンドだけでは、足りないようです。最速は、ドルトムントとの交渉が進んでいるマートセンでしょう。

チェルシーから若手を引き入れたニューカッスルも、PSR対策が必要となっているようですが、1億ポンドを超える巨額が手に入るブルーノ・ギマランイスとイサクは売れそうにありません。イサクのポールポジションといわれたアーセナルは撤退。ブルーノ・ギマランイスに興味ありといわれていたパリは、フランス産の原石を買って磨く方向にシフトチェンジと報じられています。

過去2年のマイナスが1億4600万ポンドのマグパイズは、CLの収益や若手の放出で何とかクリアできる可能性があるそうです。キーマンの2人を残せれば、来季も上位をめざせるでしょう。2023-24シーズンに勝ち点を剥奪されたノッティンガム・フォレストとエヴァートンも、引き続きデンジャラスゾーンに身を置いています。

2022年までチャンピオンシップに所属していたノッティンガム・フォレストは、上限が8300万ポンドとなっています。「スカイスポーツ」の記者たちが挙げた放出候補は、ギブス=ホワイト、カラム・ハドソン=オドイ、アンソニー・エランガ、ムリーニョ。ファルハド・モシリの失政で多額の借金を抱えるエヴァートンの目標は、PSRのクリアではなく破産回避です。

マンチェスター・ユナイテッドのターゲットといわれているブランスウェイト、人気沸騰中のアマドゥ・オナナに加えて、カルバート=ルーウィンやマクニールも手離すかもしれません。2016年に1億600万ポンドだった減価償却費と選手の人件費は、2022-23シーズンには2億3700万ポンドに膨らんでおり、経営の抜本的な見直しが必要でしょう。

6番めのクラブは、既にPSR違反で起訴されているレスターです。昇格初年度から勝ち点剥奪のピンチとなっているイースト・ミッドランズのクラブは、デューズベリー=ホール、マヴィディディ、ファタウ、ジェームズ・ジャスティンらを売っても、さらなるペナルティを喰らう可能性があるようです。

トランスファーマーケットの正式なオープンは6月14日、月末まで3週間。残留争いに巻き込まれそうなエヴァートン、ノッティンガム・フォレスト、レスターにとっては、こちらのバトルが最も重要な開幕戦となります。ここ数年、何とか耐えてきたエヴァートンは、ついに命綱が切れてしまうのでしょうか。引き続き、マーケットの動向に注目しましょう。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す