イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Brazil2014】ドイツと日本は今が旬…「各国代表選手の平均キャップ数」1位は王者スペイン!

1998年、カズ。 2002年は中田英寿。2006年と2010年は中村俊輔。そして今回は、本田圭祐。日本のマスコミは不思議なことに、ワールドカップが近づくと、それがお約束であるかのように一部の方が「エース不要論」をぶち上げます。個人を攻撃するようなことはいいたくないので名前は挙げませんが、とある著名なサッカージャーナリストの方が、キプロス戦やコスタリカ戦の出来をみて、やはり「本田中心のチームは危ない。本田が抑えられたら窮地に追い込まれる」ということを訴えていました。いや、今さら何を。…これ、本当にそうでしょうか?

キプロス戦は、厳しいトレーニング直後のゲームということで、全体的に体が重そうで、これはあくまでも「トレーニングの成果の確認とコンディションチェック」でしかない試合だったでしょう。一方でコスタリカ戦の後半、日本は3点奪いましたが、2点めは香川真司と柿谷曜一朗、3点めは香川、岡崎、柿谷という本田以外の少人数での速い攻めでゴールを挙げています。私が観る限り、本田圭祐がいると、日本代表では名の知られている香川に過剰なマークがつきにくくなり、また、本田が中盤でボールをキープしている間に、前線の選手が好位置に入ることができます。本田がおとりとなって、遠藤保仁から直接大久保や柿谷にボールを当てるシーンもあり、少なくとも今の日本代表は「本田圭祐依存のチーム」ではないでしょう。

本番で、本田圭祐のコンディションが悪ければ、香川を中に、サイドに大久保を配すなどして本田をベンチに置けばいいだけの話です。そしてそれを決めるのは、ザッケローニ監督であり、フィジカルコンディションをいちばんわかっているのはチームのスタッフのみなさんです。「はなから本田を不要と決めてかかる」論陣は、エースを外すことが目的化しているようにみえて、とても違和感があります。私は、今まで積み上げてきた戦い方を信じて、ベストメンバーで思い切り暴れてほしいなと思っています。香川真司は、プレミアリーグで苦しんでいたときと、全然動きが違いますね。プレミアリーグでは、ゴール前に顔を出す機会が極めて少なかったのですが、日本代表では柿谷や本田がボールを持つたびに、しきりに中を窺っています。心身ともに調子はよさそうなので、今の状態をキープして、本番ではぜひゴールを決めていただければと思います。

さて、今回は、ワールドカップにちなんでおもしろいデータを見つけたので、紹介したいと思います。以下は、各国代表選手の平均キャップ数。1位は、前回ワールドカップとEUROのメンバーが軒並み残っているスペインで、2位はフォルラン始めベテランが多く、メンバーが固定されがちなウルグアイ。2006年には、若手だった選手たちが主力になっているドイツが4位。日本代表は5位に入っています。プレミアリーグファンとしては、イングランドやフランスも気になるところですが、イングランドは27位、フランスは30位です。プレミアリーグで好調だったリヴァプール勢やセインツのメンバーなど、イングランドが直近、新しい選手を抜擢して思い切ったメンバリングにしていることが、こんなデータにも反映しています。

1位 スペイン 59.8試合
2位 ウルグアイ 49.2試合
3位 ホンジュラス 46.3試合
4位 ドイツ 42.3試合
5位 日本 39.7試合
6位 クロアチア 38.8試合
7位 メキシコ 38.7試合
8位 コートジボワール 37.9試合
9位 エクアドル 37.4試合
10位 ギリシャ 37.3試合

平均キャップ数、すなわち代表経験が多いチームとはどういうチームでしょうか。
1)べテランが多く、新旧交代ができていないロートル化した国
2)代表選手とサブメンバーの差が激しく、層の薄い国
3)4年間、軸となる選手を明確にして積み上げてきた経験値の高い国
といったあたりが彼らの特徴ではないかと思われます。ヤヤ・トゥレ31歳、コロ・トゥレ33歳を始め、ベテランばかりのコートジボアールは1)、スペインもややもすると1)に入ってしまうかもしれません。それでも全体のレベルが高いので、相変わらず強いですけどね。ウルグアイは2)、ドイツは3)でしょう。エジル、トマス・ミュラー、ケディラ、フンメルスらが脂が乗り切った年齢に達している彼らは、「優勝するなら今回」というチームだと思います。

さて、日本代表はどうでしょう。私は、3)だと思います。目いっぱい強くなっても、「グループリーグを突破できるかどうか」という実力でしかないことは承知の上で、われわれの代表チームは今が旬、これだけ強かったことは過去にないといっていい黄金時代を迎えていると言い切りたいところ。平均代表キャップ数は5位ながらも、平均年齢は27歳とさほど高くなく、25歳以下の選手が10人います。前回ワールドカップ時に若かった選手たちが今や中軸となり、一方で川島、遠藤、大久保、長谷部といった前回経験者の30代も健在。柿谷、山口、大迫、ダブル酒井らの若手も出てきており、バランスのいいチームだと思います。

2010年、ザッケローニ監督就任直後に1-0の番狂わせを演じたアルゼンチン戦のスタメンで、今いないのは栗原と森本のみ。ザッケローニ監督は、軸をはっきりさせ、積み上げて積み上げてここまできました。「主力が明確なチーム」と「スタメン争いが激しいチーム」には、どちらがいいという明確な理由はなく、「新しい選手が出てこない」「軸がないから熟成度が低い」などと、両者それぞれに悪口をいおうと思えばいくらでもいえます。確かなことは、約束事が多く連携性を大事にしたザッケローニのサッカーには、主力をある程度固定させる必要があったということでしょう。

ザッケローニさん、日本代表のみなさん、日本からの批判は聞こえてきていないとは思いますが、今さらのエース不要論など気にせず、持てる力を存分に出しきってください。コンフェデレーションズカップのイタリア戦でみせた攻撃ができれば、グループリーグで10点奪うこともできなくはない、ぐらいに信じております。香川真司においては、ぜひ、自らの力を発揮してチームを決勝トーナメントに引き上げ、来季のプレミアリーグでのレギュラー奪取につなげていただければと思います。世界的なクラブのひとつであるマンチェスター・ユナイテッドに見初められたという評価と幸運を、簡単に手放さないでくださいね。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す