【Brazil2014】日本VSザンビア総評~さまざまなシーンと多くの課題を体感できた、極上のテストマッチ!
いちばん気になったのはプレスで、複数で獲りにいっている状況からかわされてしまう場面が目立ち、最初の失点では中央の本田圭祐とセンターMFの軽いタックルが、右に展開されてしまう要因となっていました。山口は、ミドルシュートレンジで相手を離すことが多く、3点め以外にも危ないミドルが2本ほどありました。
と、冒頭からネガティブなポイントばかり列挙しましたが、6日のザンビア戦は、テストマッチとしては最高だったと思います。よかったことは、大きく4つ。まずは、ザンビアが本気に近いテンションで向かってきてくれたこと。代表ゲームは3ヵ月ぶりで、この試合の次は9月になる彼らは、片道18時間かけてタンパのレイモンド・ジェームスまで来たからには、勝利はもちろん、より多くの収穫を得て帰りたかったのでしょう。そしてもうひとつはゲーム展開です。2点を先行されたのはいただけませんが、結果的には2点リードされている場面、1点を追う展開、同点に追いついたときの戦い方、残り15分で1点リード、終了直前に同点、追加タイムでリードと、本番でもありそうな、さまざまなシーンを体感することができました。
3つめは、上に挙げたような課題があらためて明確になったこと。ザンビアが当たってこず、3-0などというスコアで快勝してしまい、課題が浮き彫りにならないまま初戦のコートジボアール戦で容赦なくやられる、といった結果もありえたことを考えれば、事前にチェックできたのは大きいでしょう。最後にもうひとつ挙げれば、ベテラン大久保の劇的な決勝ゴールで4-3と競り勝ったことです。負けて、必要以上に不安が先立った状態でブラジルに向かうのではなく、「主力とベテランが点を獲って逆転勝ち」という気分のよさを持って、課題解決に向き合えるのはよかったと思います。
いよいよ、コートジボアール戦まで1週間を切りました。SBが本調子でなく、センターMFの守備にも不安を抱えながらの緒戦で気をつけたいのは、「ボールを奪われたらサイドの香川真司、岡崎慎司はいったん引いて、SBと一緒に守れる構えをとること」「中央で簡単にタックルしないこと」「マイボールになったときに無理な攻撃を仕掛けないこと」だと思います。コートジボアールは、ジェルビーニョを除いて足元でもらいたがる選手が多いので、ヤヤ・トゥレやドログバを自由にさせない状況を築くためには、前で追い過ぎずに選手同士が近い距離を保ちたいものです。ジェルビーニョ対策は、2人で囲める態勢を常に作ってスペースをつぶすことが大事。そして、ボールを奪った後のマイボールを簡単に奪い返されて、SBとサイドMFがムダなアップダウンを強いられる回数を減らせれば、ここぞというときにダッシュするスタミナを温存できると思います。
日本代表にとっては、フィジカルが強いコートジボアールは、グループリーグでいちばんの難敵。だからこそ、ここをうまく越えれば、決勝トーナメント進出がみえてきます。プレミアリーグファンとしては、ヤヤ・トゥレやコロ・トゥレの目の前で、香川真司がワールドカップ初ゴールを決めるシーンが観たいのですが…。日本代表のみなさん、いい形でブラジル入りできますね。ぜひ、力強いゴールを奪って、日本中を湧かせてください!
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