【Brazil2014】オランダを苦しめたオーストラリア…勝負を分けたのは、決断力と余裕の差
番狂わせの実現を目前にして、結局格上の国にやられてしまうとき、多くのケースで「誰かが”やられたくない”とビビってしまう」ことが、それまでうまくいっていたチームのバランスを崩してしまうのではないかと思います。ラインがやたらと深くなる、CKやFKを献上する頻度が増える、ビビりでパスが短くなってピンチを招く…。日本代表は、ドログバが入った直後から、中盤が下がり過ぎ、外をフリーにしてしまい、立て続けの2失点を喫しました。この日のオーストラリアに起こったのは「思い切りを失う」という現象です。ファン・ペルシがデパイのスルーパスでDFラインの裏に抜け出し、左足で同点ゴールを決めたシーンでは、オフサイドを取りにいったオーストラリアDF陣のなかで、ひとりだけ攻撃を受け止めようと残ってしまい、敵のエースをフリーにするという致命的なミスを犯す結果となりました。
そして、デパイの決勝点は、中盤が慎重になり過ぎてドリブルを許し、GKライアンがシュートのタイミングを読めなかったことが、決して強くなかったミドルを右隅に決められた原因です。さすが、オランダは「強者のマインド」。相手のポジションや動きを冷静に観察し続ける余裕と、少しでもスキがあれば積極的にシュートを狙っていくという決断の速さが、逆転勝利を呼び込んだのだと思います。
大会前から、日本代表の選手が、「自分たちのサッカーを追求すれば勝てる」と、異口同音にいっていますが、突き詰めるとこれは、「リードを奪った局面で相手が攻め込んできても、ビビらないこと」「劣勢においても、冷静な決断ができること」といった、メンタルの要素が大きいのではないかと思います。サッカーは、それまでできていたことが突如まったくできなくなったり、1点を境に状況が激変したりする、メンタルのウエイトが高いスポーツ。明日のギリシャ戦では、オーストラリアができなかった「最後まで、全員が冷静に戦い抜く」姿を見せてもらえればと思います。
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