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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brazil2014】オランダを苦しめたオーストラリア…勝負を分けたのは、決断力と余裕の差

オーストラリアは強かった!日本代表には到底真似できない、迫力のある前線からのプレス。カウンターからロッベンにひとり旅を許して先制された直後、右からのロングクロスを左足ボレーで叩き込んだケーヒルの一発は、今大会のベストゴール候補に間違いなく選ばれるファンタスティックな一発でした。後半、ヤンマートのハンドでPKを獲得し、プレミアリーグのクリスタル・パレスで活躍する主将ジェディナクが決めたときは、コスタリカに続くジャイアントキリングを達成するのではないかとワクワクしました。しかし、結局2-3で逆転負け。オーストラリアもまた、日本、クロアチア、エクアドル、アルジェリアと並んで、「実力上位からリードを奪ったものの、結局逆転された善戦国」の仲間入り。チリ戦に続いての勝ち点ゼロで、スペインと一緒に、今大会最初のグループリーグ敗退国となってしましました。

番狂わせの実現を目前にして、結局格上の国にやられてしまうとき、多くのケースで「誰かが”やられたくない”とビビってしまう」ことが、それまでうまくいっていたチームのバランスを崩してしまうのではないかと思います。ラインがやたらと深くなる、CKやFKを献上する頻度が増える、ビビりでパスが短くなってピンチを招く…。日本代表は、ドログバが入った直後から、中盤が下がり過ぎ、外をフリーにしてしまい、立て続けの2失点を喫しました。この日のオーストラリアに起こったのは「思い切りを失う」という現象です。ファン・ペルシがデパイのスルーパスでDFラインの裏に抜け出し、左足で同点ゴールを決めたシーンでは、オフサイドを取りにいったオーストラリアDF陣のなかで、ひとりだけ攻撃を受け止めようと残ってしまい、敵のエースをフリーにするという致命的なミスを犯す結果となりました。

そして、デパイの決勝点は、中盤が慎重になり過ぎてドリブルを許し、GKライアンがシュートのタイミングを読めなかったことが、決して強くなかったミドルを右隅に決められた原因です。さすが、オランダは「強者のマインド」。相手のポジションや動きを冷静に観察し続ける余裕と、少しでもスキがあれば積極的にシュートを狙っていくという決断の速さが、逆転勝利を呼び込んだのだと思います。

大会前から、日本代表の選手が、「自分たちのサッカーを追求すれば勝てる」と、異口同音にいっていますが、突き詰めるとこれは、「リードを奪った局面で相手が攻め込んできても、ビビらないこと」「劣勢においても、冷静な決断ができること」といった、メンタルの要素が大きいのではないかと思います。サッカーは、それまでできていたことが突如まったくできなくなったり、1点を境に状況が激変したりする、メンタルのウエイトが高いスポーツ。明日のギリシャ戦では、オーストラリアができなかった「最後まで、全員が冷静に戦い抜く」姿を見せてもらえればと思います。

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