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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brazil2014総括】「ブラジル代表監督候補」モウリーニョのメッシリスペクトを支持します。

ワールドカップ決勝が終わった直後、ブラジル代表監督候補として、ジョゼ・モウリーニョの名前が挙がっていたのにはびっくりしました。ベスト4に進出した「決勝常連国」は、過去においてはすべて自国で監督をまかなってきています。ワールドカップ優勝経験国をはじめとする強豪国といわれる国のなかで、 外から監督を招聘することを有力な選択肢としているのはイングランドぐらいでしょう。プレミアリーグを観ていても、サッカーの母国に優秀な指導者が不足しているのは明らか。エリクソンやカペッロを起用したことがある彼らが、今回グループリーグで敗退したホジソンの後釜をモウリーニョに…という話ならわかるのですが、何といってもブラジルです。ぺケルマンがコロンビアの監督に就任するなど、他国の面倒をみる人材がいるぐらい指導者のレベルが高いアルゼンチンに対して、ブラジルの指揮官不足は深刻のようですね。モウリーニョ監督は、プレミアリーグで長期政権を築こうとしている最中なので、さすがにオファーがあっても受けないでしょう。

さて、そのモウリーニョ監督が、「メッシに敬意を表したい」と、MVP発表があってから批判が集中しているアルゼンチン代表のエースを擁護しました。

「メッシはアルゼンチン代表のために犠牲を払った。MVPをとること以上に、勝利を求めていた。彼はチームのために得意ではない場所でプレイしていた。私は、彼に敬意を表したい」
「代表でプレイするのと、自分が所属するクラブで働くのは同じことではない。彼が自分のよさを示そうと思ったら、イグアインの後ろでプレイして、チャンスをうかがったほうがよかった」

そしてアルゼンチンの問題として、ラベッシをアグエロに代えた采配に疑問を呈しています。
「なぜ後半、ラベッシをベンチに下げたのかが知りたい。前半のアルゼンチンは、4選手で構成する2つのラインで戦っていた。左サイドではペレスが絞ってラームのスペースを封じ、逆サイドではラベッシが同様にスペースを殺していた。これらの守備がうまく機能している間は、メッシは休んで次の攻撃に備えることができていたのに」

さらにモウリーニョ監督は、今回の決勝の結果いかんに関わらず、この10年でメッシが最高の選手だと語っており、時代を超えてマラドーナやペレなどと比較するのは意味がないと主張しています。

これは、同感ですね。確かに、メッシの大会最優秀選手については大いに疑問です。ノイアーやシュバインシュタイガー、トマス・ミュラー、優勝国以外ならハメス・ロドリゲスが選ばれたほうが世界の納得感は高かったでしょう。しかしその一方でメッシは、大会前は完成度が低くて上位進出が危ぶまれていたアルゼンチンを決勝まで導いた立役者ではあります。最後の2試合はにらみ合う時間が長いアウトボクシングのような戦いになったため、相手のチャンスの芽をつぶしまくったマスチェラーノのほうが目立ちましたが、苦戦続きの序盤戦で、試合を決めるゴールやアシストを連発していたのは背番号10のキャプテンです。決勝で活躍できなかったからといって、そこまでに残してきた功績までスポイルされるべきではないでしょう。

MVPの投票で、メッシを推した記者のみなさんは罪なことをしましたね。あれさえなければ、メッシがこれだけ多くの批判に包まれることはなかったと思います。

モウリーニョさんには、ラベッシ交代の件についても共感します。私は、試合前の予想を「メッシ、ラベッシのゴールで2-0」としていたほど、パリ・サンジェルマンのサイドアタッカーに注目していました。アルゼンチンが勝つなら、不慣れな左SBヘヴェデスというドイツの弱点をドリブルのスペシャリストが突いたときと考え、事実、前半はいくつか右からチャンスが生まれてもいました。

代わって入ったアグエロに、プレミアリーグで見せてきた輝きはなかったですね。ケガが癒えたばかりで、結局調子が戻らなかったのでしょう。交代選手がどこまで機能するかは、出してみないとわからないところもあるので、アグエロを使ったこと自体はいいとしても、前線でメッシを唯一助けていたラベッシだけは代えないほうが得策だったでしょう。モウリーニョさんがいうように、後半のメッシには守備の負担がかかり、ボールをもらっても窮屈な態勢になりがちで、47分の決定機以降は存在感が薄れてしまいました。

本ブログを以前から読んでいただいていた方はおわかりかと思いますが、私は、プレミアリーグのクラブの前に何度も立ちはだかった「目の上のたんこぶスペイン」の象徴であるメッシが好きではありません。昨日までは、ベストイレブンの記事を書いたらワールドカップから離れてプレミアリーグに集中しようと考えていたのですが、メッシがあまりにも不当な評価をされているように感じたので、この稿をUPするに至りました。メッシは、厳しいマークを受けながらも彼らしいゴールとアシストを積み重ねて、ワールドカップ準優勝という世界に誇れる結果を残した素晴らしい選手だと思います。

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“【Brazil2014総括】「ブラジル代表監督候補」モウリーニョのメッシリスペクトを支持します。” への2件のフィードバック

  1. 赤い巨人 より:

    この記事を読んで考えを改めることにしました。
    そうですね、メッシはほんとにアルゼンチンの要になっていましたね
    最多MVPがそれを示しています。
    もちろん、バルサの代名詞とも言えるメッシがあのパフォーマンスだったから、低く評価されるというのは間違ってますね
    クラブでできることを代表でできるわけじゃないんですし、メッシが悪く言われるなら他に槍玉に上げられるべき選手は数え切れないほどいますね
    (スタリッジとか。。。。)

    リヴァプールのことも記事にしてくださる、このブログはいっつも見させていただいてます!
    これからも、よろしくお願いしますm(__)m

  2. makoto より:

    赤い巨人さん>
    ありがとうございます。アルゼンチンが、ワールドカップでリードされていた時間は決勝のラスト7分だけです。押されている試合でなりふり構わず守りに徹することができたのは、一発で世界を変えられる10番がいたからでもあるでしょう。

    今後とも、精進いたしますので、引き続きお立ち寄りください!

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