ドイツがメキシコに敗れ、ブラジルはスイスにドロー…波乱続きのロシア最新レポート!
ドイツのペースだったのは、最初の10分だけでした。自陣で奪ったボールをハーフライン付近で待つ選手に当て、そこから前を走らせるメキシコのカウンターは、相手を研究したチームにしかできない迷いなき戦術でした。狙われたのは、右サイドのキミッヒ。誘い込まれるように右へ右へと傾いたドイツは、ケディラやキミッヒが上がってできたスペースを使われてしまいました。
失点シーンは、メキシコがボールを奪った瞬間の、ロサーノとキミッヒのポジションが注目ポイントです。ボールのすぐ脇まで引いていたロサーノがスプリントを始めると、キミッヒはジョグで背中を見送ります。センターサークルのチチャリートが、グアルダードに落としたボールが秀逸。フリーで上がったチチャリートにボールが渡った瞬間、グアルダードに付いていたエジルは、外から全力で上がってきたロサーノに気がつきました。既に後手にまわっています。10番を責めるのは、酷でしょう。チチャリートからのスルーパスがロサーノにつながると、体勢が不利だったエジルは、切り返した22番の足を引っかけないようケアするのが精一杯でした。ニアに強烈な一撃が刺さり、0-1。トニ・クロースのFKを、守護神オチョアがぎりぎりで触ってバーに当ててしのぐと、ジャイアントキリングの予感が漂い始めます。
プレミアリーグでは輝けなかったベラを見て、ここまでいい選手だったのかと驚かされるとともに、チチャリートの素晴らしさを感じた最初の45分。ファン・ペルシ、マルシアル、ズラタン、ルカクと大型補強を繰り返してきたマンチェスター・ユナイテッドが、サブに甘んじることを拒否した彼を引き留めるのは無理だったと思います。後半はドイツが巻き返し、ドラクスラーやキミッヒがシュートを連発しますが、ことごとく枠にいかず。69分にラジュンのスルーパスでチチャリートが裏に抜けた決定機は、肘を当てて倒してしまったフンメルスがPKを取られてもおかしくありませんでした。
ドイツの猛攻、メキシコはひたすらカウンター。5バックで後ろを固めた緑のシャツは、クロスとミドルシュートを喰らい続けながらも、最後までゴールを許しませんでした。エジルはボールを散らすのみで、トマス・ミュラーも決定的な仕事をできず。88分のマリオ・ゴメスのヒールキックはオチョアに阻まれ、ブラントの強烈なボレーはポストを叩いて外に流れていきました。メキシコの鬼気迫る守備と、徹底的なカウンターがはまった一戦。試合後、涙を流していたチチャリートの表情が、彼らにとって最高の試合だったことを物語っていました。直近半年のテストマッチで6戦1勝と不振だったドイツは、未だ歯車がかみ合っていないのかもしれません。
ブラジルが戦ったスイスは、ドイツが敗れた相手よりも与しやすかったと思います。終始押していたカナリアに足りなかったのは、決定力。20本のシュートを放ちながら、オンターゲット4本ではコウチーニョのパーフェクトなミドル1発に終わるという結果は致し方ありません。11分にコウチーニョのグラウンダーをゴール前で受けたパウリーニョのシュートは、焦りからかミートできずに右にアウト。33分のCKは、ファーで競り勝ったガブリエウ・ジェズスのヘッドの狙いが中途半端でした。前半終了間際のCKは、ニアのチアゴ・シウヴァがヘッドで流すも枠の上。50分にシャキリのCKをツバーがヘッドで叩き込み、1-1とされた後も、ブラジルのクロスとシュートはDFにブロックされ続けます。
70分にボックス左で浮き球をトラップしたコウチーニョは、アウトに引っ掛けてしまい枠に飛ばせません。右足で巻いてファーポストに当てた先制ゴールが素晴らしかったために、スタンドのため息はより深く感じられます。スイスでは、シャキリのキックがさすがのクオリティでした。プレミアリーグから降格したストークを退団するサイドアタッカーは、噂通りリヴァプールに移籍するのでしょうか。途中出場のフィルミーノは、82分に相手のクリアミスをボックス右で拾いますが、ボレーを打ち上げてしまいます。88分、ウィリアンのクロスに飛び込んだネイマールのヘディングは、GKの正面。押していたブラジルは勝ち越しゴールを決められず、1-1のままタイムアップとなりました。
セルビアとコスタリカに1勝1分でよければ、ブラジルが外すことはないでしょう。気になるのは、次にスウェーデンと当たるドイツのほうです。敗戦のショックを引きずったまま、北欧の伏兵にドロー以下で終わると、グループリーグ敗退の可能性が高まります。メキシコ戦の後半の猛攻を見る限りでは、次もノーゴールということはないと思われますが…。
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更新ご苦労様です。
メキシコの魂のこもったチームプレーには感動しました!
第一節すら終わっていないのに気が早いですが、シャレにならないくらい面白いW杯なのではないでしょうか。
仕事もあるので見送ったカードも数試合ありますが、見た試合は捨てゲーム無し!
強豪国が不振だったというのは事実でしょうが、それでも各グループでダークホース達の活躍が本当に素晴らしいです。
相手を研究し尽くして最高のスタートを切ったロシア、
どれだけボコボコにされても高い集中力を維持したエジプト、
フランスのスター選手をほとんど輝かせなかったオーストラリア、
「自分達のサッカー」を信じて疑わなかったアイスランド、
セレソン相手に攻められながらも臆さなかったスイス。
恥ずかしながら、これらのチームのほとんどの選手を知らないのですが、なんとカッコ良いことか。
そのなかでも一番熱くなったのは王者ドイツ相手に正々堂々と打ち負かしたメキシコです。
もしこの試合を見逃していたら、結果をみて「サプライズが起きたな」くらいで済ましていたでしょう。
でも試合を観ていた人なら、いかにメキシコが勝利にふさわしかったか分かりますよね。
アーセナルファンとしては、エジルが「これどうしたらいいんだよ。。。出すとこねえよ」と横パスを選択している様子などを見て「ああ、攻め手のないときのアーセナルだ」と苦笑いしてしまいました。
チチャリートの涙をみて「油断するなよ!気が早いよ!」と言いたくなりますが、見ている僕ももらい泣きしているのでおあいこですね笑
(ああ、、、、今日はイングランドにベルギー。。選手の体より先に僕の体が壊れそうです)
グループリーグでこれだけ好試合、そしてビッグネームが負けたり引き分けたりと波乱の続くW杯も珍しいですね。仕事も行かなくちゃいけないし、録画ばかりが増えていきます。さあ、ベルギーとイングランドもこの混沌に巻き込まれるのでしょうか!
ポルトガル対スペインの試合展開の速さに目が回って。アイスランドやメキシコのプレーはなぜこんなにも心を熱くするのでしょうか。初戦とは言えどのチームも最後まで勝ち点3を狙い続けて、面白い試合ばかりですね。90分がとても短く感じられます。生活リズムの乱れはほどほどに‥と思っていましたが完全に今大会心を奪われました。今日までは年休もあって大丈夫だったけど・・・あー今日の夜はどうしよう><
ジエゴ・コスタのプレーにスペイン愛を感じました。母国ブラジル代表を選ばずにスペイン代表となり、チェルシーで栄冠を掴みながら曇りや雨の多いイングランドが嫌になったのか陽光の降り注ぐマドリードに帰り、ヒール顔ではありますが、スペイン愛一筋の人なんだなと思います。