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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「彼と私は同じようなもの」…モウリーニョ氏にディスられたカバジェロ、痛恨のキックミス!

アルゼンチンの惨敗は、ショッキングでした。アイスランドとの初戦でメッシがPKを失敗し、1-1のドローで終わっていたチームは、クロアチアに勝たなければなりませんでした。前半を0-0で折り返すと、事件は53分に起こりました。メルカドからバックパスを受けたGKは、プレミアリーグファンにはおなじみのウィリー・カバジェロ。マンチェスター・ユナイテッドの第2GKであるセルヒオ・ロメロが負傷でリタイアし、チェルシーでプレミアリーグ3試合出場の控えGKにチャンスがまわってきたという構図です。大きく蹴り出せば、何も問題はなかったのですが、右サイドに開こうとしていたメルカドに浮き球を通すというチョイスは、さまざまな意味で無謀でした。

メルカドがボールを見ていなかったこと。マンジュキッチが上がってきており、メルカドに通っても詰められていた可能性が高かったこと。レビッチのプレスが…いや、問題はプレイ選択ではなく、キックでした。カバジェロが蹴ったボールは真上に浮き上がり、落下点に入ったレビッチが迷わずボレーを放ちます。ボールはGKの頭上を抜け、あっさりネットを揺らしました。ピッチを叩き、天を仰いで悔しがるカバジェロ。大会前まで代表キャップ数が3つしかなかった36歳のベテランGKには、アルゼンチン代表のレギュラーポジションは家賃が高かったのではないでしょうか。80分にモドリッチにミドルを決められたシーンは、オタメンディがファーのコースを切っており、ゴールの正面に立つべき状況ではありませんでした

91分の絶望的な3発めは、ラキティッチのシュートに反応したGKがコヴァチッチの前に弾いてしまい、フリーだったラキティッチがパスをもらって流し込んだゴールでした。ミスとまではいえませんが、アイスランド戦でもシグルズソンのクロスをフィンボガソンの前に弾いて決められているだけに、何とかならなかったのかという思いは残ります。そういえば、初戦のカバジェロのセービングについて、酷評していたコメンテーターがいました。「アイスランドは1回だけやってきて、ひとつのゴールを決めた」といういい回しは、いかにもジョゼ・モウリーニョ。インテル時代に、ズラタン・イブラヒモヴィッチに対して「オマエは何もやってない。ゼロだ。バカ野郎は何もしてないぞ」と煽ったパワハラすれすれ(いや、アウトか!?)の指揮官は、カバジェロについても辛辣な表現でディスっていました。

「カバジェロがゴールを守るのは、私が守るのと同じようなものだ。私も、彼が止めるボールなら止められるだろう。危険なシーンは1回もなかったのに」

エデルソン、デ・ヘア、シュマイケル、ロリス、クルトワなどプレミアリーグ屈指のGKたちなら、2試合連続でクリーンシートを達成していたかもしれないとは、いいすぎでしょうか。少なくとも、アグエロが先に決めてくれたアイスランド戦は、勝ち点3をゲットできていたのではないかと思います。急造3バック、前線の混乱など采配に問題があったクロアチア戦は勝てなかったとしても…。

アルゼンチンは、苦しくなりました。1分1敗、得失点差はマイナス3。今日のアイスランドとナイジェリアの試合で、アイスランドが勝てば、既に首位通過を決めているクロアチアと戦う小国はドローでOK。敗れても、アルゼンチンを得失点差で上回れば2位で決勝トーナメントに進出します。ナイジェリアがアイスランドを下すと1勝1敗となり、アルゼンチンとの直接対決はドローでOK。最後にアルゼンチンが勝ち点3をゲットしても、メンバーを落としてくる可能性があるクロアチアにアイスランドが勝ってしまえば、得失点差の勝負となります。ああ、カバジェロ。キャリアの終盤でようやくつかんだ代表レギュラーの座。最高の時となるはずだった6月のロシアは、苦い思い出となってしまいそうです。

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“「彼と私は同じようなもの」…モウリーニョ氏にディスられたカバジェロ、痛恨のキックミス!” への5件のフィードバック

  1. グーナーです より:

    さすがにアルゼンチンが順調に勝つかと思っていましたので、結果自体は衝撃的でした。
    が、試合内容を考えてみると納得するしかありません。
    クロアチアの方が数段魅力的なチームにうつりました。

    例えキーパーがデヘアであったとしても、負けはしなくとも勝てはしなかったのではないでしょうか。
    アルゼンチンがクロアチアを決定的に崩したシーンは思い出してみてもほぼありません。

    ゴール前で献身的にポストをやっていたフランスのジルーと比べれば、メッシは電柱のように立っているしかなかったように見えました(メッシを批判したいのではありません、あくまで起用の問題と思います)。

    やはり前回大会。。。
    エジルのいるドイツが優勝して嬉しかったのは間違いないですが、メッシが世界一のタイトルを獲れた瞬間はあそこしか無かったように思います。
    神がかりな守備を見せたマスチェラーノがいて、決めなければいけない局面で決めてみせたメッシがいたら。。。

    メッシの特別なファンというわけではありませんが、彼がW杯を掲げるというとてもドラマチックな瞬間を見てみたい願望はありました。

    が、ここまでか。。。

    正直なところ、クロアチアやアイスランドがどこまで行けるかの方が興味があるのが今の本音です。

  2. だしまる より:

    カバジェロ・・・無惨。カリウスといい、GKは、本当に大変な仕事。プレッシャー・ミスの重さの割に浴びることの少ない賞賛の声。

    VARの導入でPKが増えた今大会。優勝のカギを握るのは、スーパーグレートGKになりそうです。VARが広まれば、GKこそ最も重要なポジションになるのではと思います。

    アルゼンチン、事前の試合もイスラエル戦中止などでゴタゴタしていましたし、危ぶんでいましたが、ああ

  3. タムコップ より:

    デ・ヘアのファンブルはこの先取り戻せるチャンスがあるので多少大目に見ていい気がしますが、今回のカバジェロは…。
    凡ミスのロブをノートラップで決めきったレビッチを褒める向きもあっていいとは思いますが、その後のクロアチアのダイナミックな試合運びにほぼ対抗出来なかったアルゼンチンは重症ですね。

    自国ネタにする必要も無いと思いつつ、緒戦でプレイプランニングが曖昧だった川島はここからしっかり学ぶべきだということが、アルゼンチン敗退後まず最初に頭によぎりました。

  4. アイク より:

    先日チャリティマッチでGKとして途中出場した、モウ監督ならではのブラックジョークですね笑

    と、無邪気に楽しんではカバジェロに悪いですか。悲劇もありますが、たくさんの人生と真剣な想いが乗っかるW杯、最高です!

  5. ペップの街 より:

    90年大会、対カメルーン戦のプンピートの痛恨のキャッチミスを思い出しましたが、それよりも酷いミスでしたね。軽率と言われても仕方がないけど、しかしモウさんもまたそこに塩を刷り込むかなあ!励ましてやれよ‼️

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