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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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イングランド代表のサプライズはジェームズ・マディソン!これまでなぜ選外?今回はなぜ抜擢?

「われわれがトレーニングに向かう直前に、ガレスから不在着信があった。私のオフィスを使って、プライベートで電話をかけ直すようにいったんだ」

ワールドカップカタール大会で戦うイングランド代表が発表される直前。ブレンダン・ロジャース監督は、ガレス・サウスゲートの用件がわかっていました。彼のチームに、ジェームズ・マディソンが必要であることを、ようやく気づいてくれたのだ、と。

「出てきた彼は、世界じゅうの喜びが満ち溢れたようだった。最高の瞬間だった。そこには幸せと安堵があった。心の中には、さまざまな思いが渦巻いていたのだろう」

フットボールの母国に、56年ぶりのトロフィーを持ち帰ることを期待されている指揮官が、最後に見せたサプライズ。プレミアリーグ開幕から7戦勝利なしで最下位にあえいでいた2ヵ月前は、ロジャース監督も本人も想像できなかったでしょう。

「彼と家族にとって、素晴らしいニュース。あの偉大なトーナメントで才能を発揮できるのは、ガレスにとっても喜ばしいことだ。レベルの一貫性、仕事に対する姿勢、才能、そしてここ数年で彼が証明してきたことが、決断を揺るがしたんだ。ガレスは論理的に考えて、確実にスカッドを助けてくれる選手と判断したのだろう。とてもいいマネージメントだね」

スカッドが発表される1ヵ月前、ガリー・ネビルが「彼が入らない理由は何だ?」と毒づいていたのを思い出します。プレミアリーグ2022-23シーズンは、12試合6ゴール4アシスト。彼より多くのゴールをゲットしているイングランド人は、ハリー・ケインとイヴァン・トニーだけです。

昨季開幕からの18ヵ月に引き延ばすと、18ゴール12アシスト。この数字は、代表入り当確といわれていたブカヨ・サカ、メイソン・マウント、フィル・フォーデン、ラヒム・スターリング、ジャック・グリーリッシュを上回っています。

「スカイスポーツ」は、「Why James Maddison deserved his chance(ジェームス・マディソンにチャンスが与えられた理由)」と題した記事で、今まで彼を選ばなかった指揮官のジャッジを支持していたことを認めています。不必要と主張していた評論家が挙げた理由は、極めてシンプルです。

「彼をどこで使うんだ?」。3-4-3、3-4-2-1、4-3-3で戦うイングランドにはトップ下がなく、ストライカーの脇にいるのはウイングをこなせるタイプです。

「メイソン・マウントやグリーリッシュ、フォーデンから出場時間を奪えないなら、保険をかけるべきポジションに足したほうがいい」。指揮官も同じように考えていたのなら、ぎりぎりで滑り込んだ選手のなかでも、ベン・ホワイトのほうが優先度が高かったということになります。

それでも最後に彼が選ばれたのは、コンディションのよさと創造性を評価されたからでしょう。トップ脇を担うメイソン・マウントとスターリングは、プレミアリーグでゴール数を減らしており、グリーリッシュもヴィラ時代のパフォーマンスを取り戻せていません。直近7試合を4勝1分2敗と立て直したロジャース監督が、10番の背中を後押ししたといっても的外れではないでしょう。

「まだ実感がわかない…ワールドカップに行くんだ。本当に夢が叶うんだ」。インスタグラムで喜びを爆発させたレスターのプレーメイカーは、停滞したチームに変化をもたらすという役割を果たせるでしょうか。彼と同様に好調ぶりを買われたカラム・ウィルソンとともに、出場機会を得られるかどうかに注目したいと思います。(ジェームズ・マディソン 社員著作者/Антон Зайцев)


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