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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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あまりにも美しいバイシクル!プレミアリーグでノーゴールのリシャルリソン、復活を告げる2発!

アルゼンチンがサウジアラビアに1-2で敗れ、ドイツも日本に逆転を許して敗戦スタート。波乱続出のワールドカップカタール大会に、ブラジルが登場したのは大会が始まって5日めでした。南部のルサイルで戦う相手はセルビア。伏兵に足をすくわれた2つの国は、気候に慣れていたアジア勢に敗れたという説明が成立しますが、決勝トーナメントに進出したことがない欧州の小国に負けるわけにはいきません。

プレミアリーグファンのなかには、チッチ監督のストライカー選びを訝しむ向きもあったのではないでしょうか。なぜ、リシャルリソンをトップに据えるのか。7月にエヴァートンからトッテナムに移籍したストライカーは、負傷で出遅れてしまい、プレミアリーグ10試合ノーゴール。CL初ゴールに涙したマルセイユ戦以外に、主役になったゲームはありませんでした。

一方、ポジションを争うガブリエウ・ジェズスは、プレミアリーグ14試合5ゴール5アシスト。昨シーズンはリーグ戦5ゴールに留まったロベルト・フィルミーノは、13試合7ゴール3アシストと絶好調です。アーセナルを首位に押し上げた新エースが代表でも最前線かと思いきや、9月のテストマッチに呼ばれず、リヴァプールの偽9番は選外となってしまいました。

ジェズスが入れば、守備力と流動性が高まるのではないか。フィルミーノなら、ネイマールやヴィニシウスを活かしてくれるのではないか。セルビア戦の前半は、リシャルリソンの代表入り自体が失敗だったのではないかと疑いたくなる出来でした。

中央に張りっぱなしでボールを引き出せず、キックオフから20分までのブラジルのフィニッシュは、セットピースとミドルのみ。チアゴ・シウヴァが縦に出したスルーパスでヴィニシウスが抜けた前半最大のチャンスは、GKヴァニャ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチの飛び出しに阻まれています。

大会の直前にふくらはぎを痛めていたリシャルリソンは、トップフォームに戻れていないのかもしれない…。前半は、シュートゼロ。ゴールの匂いが漂うのは、ヴィニシウスとハフィーニャです。後半開始から間もない46分、リシャルリソンのチェイシングからボックス手前にいたハフィーニャが奪取。GKと1対1になった11番は、工夫のないシュートを足で弾かれてしまいました。

リシャルリソンの初シュートは50分。CKのこぼれ球をボックス左でキープしたとき、枠につながるコースはなく、強引な一撃はブロックされました。62分に中央でドリブルを始めたのはネイマール。左に流れた際にタッチが大きくなり、反応したヴィニシウスが右足でファーを狙うと、GKが左手を伸ばしてセーブします。リバウンドを押し込んだのは、それまで見せ場がなかった9番でした。

最大のハイライトは73分。CKの混戦から、クリアの落下点に入ったヴラホヴィッチがバイシクルを空振りした直後でした。左から仕掛けたヴィニシウスが右足アウトでクロスを入れると、左足で頭上に浮かしたリシャルリソンは、振り向きざまの美しい右足バイシクルをゴール左に突き刺しました。

ハーフタイムまで眠っていたエースの素晴らしい2発で、ブラジルは2-0完勝。「BBC」にマイクを向けられたアラン・シアラーは、最初のゴールのポジショニングをほめた後、2発めのスーパーーショットを手離しで称賛しています。

「正しいポジションにいて、シュートを打てた。彼の動きを見てほしい。いいストライカーは、みんなそうだけど、最初の反応がいい。とてもシンプルに見えるかもしれないが、そうじゃない。あそこから決められるか?とても、とても優れたセンターフォワードのプレイだ」

スロースタートだったリシャルリソンは、彼らしい派手な一撃で自信を取り戻したのではないでしょうか。スパーズのエース、ハリー・ケインは未だノーゴール。プレミアリーグでは脇役だったブラジルの9番は、今や得点王争いの本命といっても過言ではないでしょう。次戦はスイス。ネイマールがいなくても、ハフィーニャ、ヴィニシウスと彼が元気なら、さほど不安はありません。


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