2022.12.11 FIFAワールドカップ2022カタール大会FIFAワールドカップ
唯一のオンターゲットは致命的な1発!大本命ブラジルが余裕を失った7分の猛攻。
アリソン、エデルソン、チアゴ・シウヴァ、カゼミーロ、フレッジ、ファビーニョ、ブルーノ・ギマランイス、ルーカス・パケタ、アントニー、リシャルリソン、マルティネッリ、ガブリエウ・ジェズス。プレミアリーグで戦う選手が12人もいるブラジルは、勝ち進んでほしいチームのひとつでした。準々決勝でクロアチアを問題にせず、アルゼンチンVSオランダの勝者と戦うものと思い込んでいました。
カタール大会の初戦は、リシャルリソンの2発でセルビアに完勝。スイス戦を1-0で制した後、メンバーを落としたカメルーン戦は敗れたものの、ラウンド16の韓国戦は4-1で圧勝。負傷明けのネイマールは、PKながら今大会初ゴールを決めており、準々決勝にもベストメンバーが揃っていました。
対するクロアチアは、ロシア大会の準優勝チームですが、ノックアウトラウンドのデンマークとロシアはPK戦によるきわどい勝利。セミファイナルのイングランド戦も、延長に入ってからマンジュキッチの決勝ゴールという接戦で、「世界で2番めに強いチーム」という印象はありませんでした。
カタールに乗り込んだメンバーを見ると、モドリッチ37歳、ペリシッチとデヤン・ロブレンは33歳、クラマリッチは31歳。欧州のビッグクラブで戦うメンバーのなかで、今がピークといえるのは、チェルシーの中盤を仕切る28歳のコヴァチッチぐらいでしょう。
グループステージは低調で、モロッコに0-0、カナダ戦は4-1、ベルギーとの高齢対決は0-0。デブライネが「歳を取りすぎた」と語ったベルギーと同様に、4年前がピークだったと思わせる戦いぶりでした。ラウンド16は、日本にPK戦で何とか勝利。過去14年のメジャー大会におけるノックアウトラウンドのゲームは、8試合のうち7つが延長戦で、90分で勝ったことがないチームです。
FIFAランキング1位の大本命が、早すぎるラストダンスとなったのはなぜなのか。ネイマールとルーカス・パケタが後半のチャンスを活かしていればという声もあるようですが、延長前半の終了間際にネイマールが決めたスーパーショット1発でも、勝てたはずです。
ロドリゴとのパス交換で中央から仕掛けた10番は、ルーカス・パケタとのワンツーで一気に裏に抜けると、GKリヴァコヴィッチをかわして右足でゲット。枠内シュートを1本も許していない相手を15分だけ抑えればOKというミッションは、さほど難しいことではないように見えました。
延長後半開始からルーカス・パケタとエデル・ミリトンが下がり、フレッジとアレックス・サンドロがピッチへ。この交代策は妥当だったのか。先にカードを使い切ったことより、守備を意識させた采配が議論のテーマです。
最初の7分で、ブラジルが攻め込んだのは2回のみ。ポゼッションを取ってサイドアタックを仕掛ける相手に、いけると思わせたのが「終わりの始まり」だったのではないか。それでも、113分のCKからボールをキープして時間を遣い、残り5分。次なるターニングポイントは、右サイドにまわっていたダニーロが足をつってしまったことでした。
スローインから前線のアントニーにボールが入り、スルーパスを受けたフレッジが奪われると、縦に出たボールはクリアしたものの、モドリッチにパスが入ってしまいます。この瞬間、ブラジルは6人が前線に残っていました。10番からもらったヴラシッチが左に展開すると4対4。そのうちのひとりは、走り方がおかしいダニーロです。
オルシッチのグラウンダーがペトコヴィッチに通ったときは、4対3。マルキーニョスはブディミルをケアして下がっており、左足のダイレクトショットはフリーでした。4番の足に当たったボールは、アリソンの指先を抜けてネットへ。守備を重視したはずのチームがカウンターでやられるとは…。
PK戦で最初のキッカーとなったロドリゴは、南野拓実と同じコースに蹴ってストップされました。最初の2人がど真ん中、その後の2人が左のサイドネットぎりぎりに決めたクロアチアは、明らかにメンタルの強さで上回っていました。ワールドカップ史上、延長戦で先制したチームの敗戦は初めて。チーム唯一のオンターゲットを延長戦でゴールに収めたチームも、初めてです。
延長後半の頭でカードを使わず、始まってから切っていれば、相手をクールダウンさせることができたかもしれません。ダニーロに余裕があれば、足に違和感が生じた際に、座り込んで時間を遣ったのではないかと思います。クロアチアの猛攻を受けた延長後半開始からの7分が、ブラジルの選手たちから「マリーシア」を奪ったように感じられました。
オンターゲットは10対1。彼らが勝つべきゲームでした。早すぎたラストダンスを招いたのは、早すぎた守備的なカードだったのではないでしょうか。モドリッチから奪えなかったカゼミーロ、ブラシッチを自由にしてしまったダニーロ…今もなお、唯一の過ちだったあのゴールシーンが、頭のなかでリフレインしています。
カタール大会の初戦は、リシャルリソンの2発でセルビアに完勝。スイス戦を1-0で制した後、メンバーを落としたカメルーン戦は敗れたものの、ラウンド16の韓国戦は4-1で圧勝。負傷明けのネイマールは、PKながら今大会初ゴールを決めており、準々決勝にもベストメンバーが揃っていました。
対するクロアチアは、ロシア大会の準優勝チームですが、ノックアウトラウンドのデンマークとロシアはPK戦によるきわどい勝利。セミファイナルのイングランド戦も、延長に入ってからマンジュキッチの決勝ゴールという接戦で、「世界で2番めに強いチーム」という印象はありませんでした。
カタールに乗り込んだメンバーを見ると、モドリッチ37歳、ペリシッチとデヤン・ロブレンは33歳、クラマリッチは31歳。欧州のビッグクラブで戦うメンバーのなかで、今がピークといえるのは、チェルシーの中盤を仕切る28歳のコヴァチッチぐらいでしょう。
グループステージは低調で、モロッコに0-0、カナダ戦は4-1、ベルギーとの高齢対決は0-0。デブライネが「歳を取りすぎた」と語ったベルギーと同様に、4年前がピークだったと思わせる戦いぶりでした。ラウンド16は、日本にPK戦で何とか勝利。過去14年のメジャー大会におけるノックアウトラウンドのゲームは、8試合のうち7つが延長戦で、90分で勝ったことがないチームです。
FIFAランキング1位の大本命が、早すぎるラストダンスとなったのはなぜなのか。ネイマールとルーカス・パケタが後半のチャンスを活かしていればという声もあるようですが、延長前半の終了間際にネイマールが決めたスーパーショット1発でも、勝てたはずです。
ロドリゴとのパス交換で中央から仕掛けた10番は、ルーカス・パケタとのワンツーで一気に裏に抜けると、GKリヴァコヴィッチをかわして右足でゲット。枠内シュートを1本も許していない相手を15分だけ抑えればOKというミッションは、さほど難しいことではないように見えました。
延長後半開始からルーカス・パケタとエデル・ミリトンが下がり、フレッジとアレックス・サンドロがピッチへ。この交代策は妥当だったのか。先にカードを使い切ったことより、守備を意識させた采配が議論のテーマです。
最初の7分で、ブラジルが攻め込んだのは2回のみ。ポゼッションを取ってサイドアタックを仕掛ける相手に、いけると思わせたのが「終わりの始まり」だったのではないか。それでも、113分のCKからボールをキープして時間を遣い、残り5分。次なるターニングポイントは、右サイドにまわっていたダニーロが足をつってしまったことでした。
スローインから前線のアントニーにボールが入り、スルーパスを受けたフレッジが奪われると、縦に出たボールはクリアしたものの、モドリッチにパスが入ってしまいます。この瞬間、ブラジルは6人が前線に残っていました。10番からもらったヴラシッチが左に展開すると4対4。そのうちのひとりは、走り方がおかしいダニーロです。
オルシッチのグラウンダーがペトコヴィッチに通ったときは、4対3。マルキーニョスはブディミルをケアして下がっており、左足のダイレクトショットはフリーでした。4番の足に当たったボールは、アリソンの指先を抜けてネットへ。守備を重視したはずのチームがカウンターでやられるとは…。
PK戦で最初のキッカーとなったロドリゴは、南野拓実と同じコースに蹴ってストップされました。最初の2人がど真ん中、その後の2人が左のサイドネットぎりぎりに決めたクロアチアは、明らかにメンタルの強さで上回っていました。ワールドカップ史上、延長戦で先制したチームの敗戦は初めて。チーム唯一のオンターゲットを延長戦でゴールに収めたチームも、初めてです。
延長後半の頭でカードを使わず、始まってから切っていれば、相手をクールダウンさせることができたかもしれません。ダニーロに余裕があれば、足に違和感が生じた際に、座り込んで時間を遣ったのではないかと思います。クロアチアの猛攻を受けた延長後半開始からの7分が、ブラジルの選手たちから「マリーシア」を奪ったように感じられました。
オンターゲットは10対1。彼らが勝つべきゲームでした。早すぎたラストダンスを招いたのは、早すぎた守備的なカードだったのではないでしょうか。モドリッチから奪えなかったカゼミーロ、ブラシッチを自由にしてしまったダニーロ…今もなお、唯一の過ちだったあのゴールシーンが、頭のなかでリフレインしています。
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