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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ハリー・ケイン、痛恨のPK失敗!前回王者を押し込んだイングランドはジルーの1発で惜敗!

彼らがワールドカップで戦うのは、40年ぶり。私がフットボールに狂うきっかけとなった1982年のスペイン大会以来です。ワールドカップカタール大会準々決勝、イングランドVSフランス。プレミアリーグ連合軍は、ムバッペを擁する前回王者にどんな戦い方を見せてくれるのでしょうか。

サウスゲート監督のチームは、予想通り4-3-3のベストメンバーです。GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイア、ルーク・ショー、MFヘンダーソン、デクラン・ライス、ベリンガム、FWサカ、ハリー・ケイン、フォーデン。今大会3ゴールのラシュフォードは、後半の勝負どころで登場するのでしょう。

3分に敵陣で奪ったサカが右のハリー・ケインに預けたチャンスは、クロスをブロックされています。5分過ぎから押しているのはフランス。ムバッペと逆のサイドから再三入る高速クロスは、白いシャツが冷静にクリアしています。10分にウスマン・デンベレが中央に浮かすと、ジルーがしゃがんで合わせたダイビングヘッドはピックフォードの正面です。

15分にハーフライン付近で奪ったアドリアン・ラビオは、ドリブルでボックスまで持ち込み、脇のムバッペにパス。ファーポスト際に上がったクロスに反応したウスマン・デンベレは、打ち切れません。17分、左から中央に戻されたボールを受けたチュアメニが、ワンステップのロングシュート。左のサイドネットに向かった一撃に、ピックフォードは触れませんでした。

0-1、フランス先制。20分にルーク・ショーが直接狙ったFKは、ロリスの正面です。2分後、右サイドのサカが斜めに出したパスで、ハリー・ケインがロリスと1対1。右足のシュートはスパーズの守護神が体に当て、フォローしたヘンダーソンがファーに送ったクロスは、ベリンガムが競り勝てず、クリアされました。

25分、ウパメカノと競って倒れたハリー・ケインにVARは味方せず。早い時間にイーブンに戻したいイングランドがポゼッションを取っています。29分、右にいたヘンダーソンがニアに打った強烈なミドルは、ロリスがビッグセーブ。右サイドのサカは、持ちすぎてつぶされるシーンが目立ちます。

39分のFKから、テオ・エルナンデスの折り返しがムバッペに入りますが、左足のボレーはミスキック。追加タイムのフォーデンのCKは、マグワイアに合いませんでした。前半のシュート数は5対3、オンターゲットは2対1でイングランドが上回っていますが、リードをキープしたフランスとしては納得のハーフタイムでしょう。

後半開始2分、CKのクリアからベリンガムが放った強烈なミドルはロリスがセーブ。右からのCKに競り勝ったマグワイアは、味方につなげません。52分、右から仕掛けたサカがベリンガムとのワンツーでボックスに侵入。チュアメニが引っかけてしまい、ジャッジはPKです。

スパーズで活躍する両チームのキャプテンの対決は、左に強く蹴ったハリー・ケインの勝利。イングランド代表で通算53ゴールは、ルーニーと並ぶ歴代1位です。1-1となった直後、右からのロングフィードで前線に飛び出したラビオのシュートは、ピックフォードが左に弾き出しました。

ムバッペとカイル・ウォーカーがサイドで始めた56分の駆けっこは、フランスの10番の勝ち。折り返しをもらったウスマン・デンベレは、トラップが右に流れてしまいました。60分、サカが中央からドリブル突破。フィニッシュは右足になってしまい、ロリスが余裕でキャッチしました。

62分に右からカットインしたハリー・ケインの左足ミドルも、ロリスが落ち着いて処理。70分のヘンダーソンのFKに合わせたマグワイアのヘッドは、左のポストをかすめて外に逸れていきます。残り20分を切っても、サウスゲートもデシャンも動かず。72分にルーク・ショーのグラウンダーに飛び込んだサカは、右足のワンタッチを枠に収められません。

77分、左のラビオがファーにクロス。ウスマン・デンベレが頭で折り返すと、ジルーの左足ボレーはピックフォードのビッグセーブに阻まれます。直後のCKからの二次攻撃は、左のグリーズマンのクロスがジルーへ。36歳のベテランのヘッドが、ゴール左に突き刺さりました。

サウスゲート監督は、このタイミングで2枚代えを敢行。サカとヘンダーソンを下げ、スターリングとメイソン・マウントです。80分にメイソン・マウントがテオ・エルナンデスに倒されたシーンは、長いVARとのやりとりの後、PKのジャッジ。まさかここで、ハリー・ケインが打ち上げるとは…!

85分、フォーデンに代わってラシュフォード。88分のメイソン・マウントのミドルは浮いてしまいました。追加タイムは8分。終了間際に前線にいたマグワイアが倒され、FKのキッカーはラシュフォードです。クロスバーをかすめたボールがピッチに戻ってきた直後、王者の連覇チャレンジ続行を告げる笛が吹かれました。

ムバッペはカイル・ウォーカーが止めた。シュート数13対8と押し込んだ。しかし…。ジルーに競り負けたマグワイアと、PKを外したハリー・ケインは、眠れない夜を過ごすのでしょう。プランBがないサウスゲート監督は、交代カードの切り方も間違えたのではないでしょうか。

ムバッペ対応に専念したカイル・ウォーカーはクロスゼロ、逆サイドのルーク・ショーは6本。1-2とされたとき、攻めるポイントが左サイドなら、先に入れるべきは好調のラシュフォード&グリーリッシュでしょう。結果的にはメイソン・マウントがPKを取ったのですが、復帰したばかりのスターリングとアメリカ戦で機能しなかったチェルシーのMFには、荷が重い状況だったと思います。

「イングランドは、アル・ベイト・スタジアムで行われたフランスとの準々決勝で、素晴らしいパフォーマンスを見せたにもかかわらず敗退。ワールドカップのキャンペーンは残念な結果に終わった」

「イングランドはこれまで、メジャートーナメントで臆病な退場を非難されてきたが、今回のガレス・サウスゲートと選手たちに同じことはできない。サカとデクラン・ライスが傑出しており、フランスと互角に渡り合って、長い時間優位に立っていた。1966年以来のワールドカップ決勝への道が開かれていただけに、この敗戦は痛い」

フィル・マクナルティ記者が「BBC」のレポートで記したとおり、ラスト15分まで王者を追い詰めたナイスゲームでした。それだけに、PKの名手のミスと、あと1発を生み出せなかった最後のアタックが悔やまれます。

ジョーダン・ヘンダーソンはこれが最後でしょう。おつかれさまでした。サカ、フォーデン、ベリンガム、デクラン・ライス、メイソン・マウントらU-23の選手たちは、この経験を次回に活かしていただければと思います。若手の躍動で大会最多ゴールを挙げたイングランドを止めたのは、31歳のグリーズマン、35歳のロリス、36歳のジルーが牽引する百戦錬磨のチームでした。


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