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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ずっとプレミアリーグにいてほしい…愛すべきかわいいおじさま・マンチーニ監督語録

昨夜、バーンズリーをテベスのハットトリックで5-0と破ったマンチェスター・シティ。最近、特段いいこともないのにマンチーニ監督の舌が滑らかです。いちばん彼らしい発言は、「マンチェスター・ユナイテッドにはCLを勝ち進んでほしかった」というもの。「そうすれば、毎週ミッドウィークに試合が入り、選手のやりくりが大変になるので、自分たちにもチャンスが生まれる」という趣旨です。そりゃそうだけど…さっそく突っ込みたくなります。まず第一に、特にサポーターにとっては、ライバルチームの躍進はジェラシーの素であり、ややもすると自虐ネタのタネなわけで、それを自分たちにプラスになるなら平気で「OK!」といえてしまう懐の深さ。そしてもうひとつ、こういうことは思ってもあまり口に出しませんよね。建前重視のヴェンゲルさんや、プライド重視のベニテスさんからは聞いたことがありません。「彼らは素晴らしいパフォーマンスを発揮している」とオフィシャルコメントモードで称賛するくらいはやりますが。いや、さすがイタリア人。明るいリアリストです。そんな憎めないマンチーニ監督の最近の発言をいくつか、紹介します。みなさん、ツッコミボタンに手をかけたままでお読みください。

その① 選手には優しいが、何だか他人事…。

大事な戦力であるテベスやジェコについて語っていますが、「ルーニーは来季も残留する。移籍は根も葉もない噂だ」とビシッと放出ネタを否定したサー・アレックス・ファーガソンに比べ、どこかしら緩いのが特徴です。もしかして、他人事?それとも達観?
「カルロスは、これまで何度もアルゼンチンに戻りたいと言っていた。彼次第だ。とにかく、今はその状況について考えない
「現時点で何もない。私は何も知らないのかもね。ジェコは我々にとって、大事な選手だ。我々は彼にいて欲しいと思っている」
知らない、を連発。おとぼけオヤジですね…。いいんすか、こんなこと言って、よそからオファーが殺到しても!一方で、基本的にはジェントルで優しいおじさまなのです。昨日も、テベスのハットトリックに対してノーゴールだったジェコについて「エディンは本当に気の毒だ。この勝利において、両方のストライカーが大事だった」とフォローしています。こういう発言をしても、何となく心がこもっておらず「お約束でいってます」というふうに聞こえてしまうスペイン人、フランス人のおふたりと比べると、愛が染み出ている感じがします。

その② ジェントルで控えめ。

FAカップ、バーンズリー戦について。
「高い集中力がこういった試合では重要だ。相手にとって、失うものは何もないからね。我々は、プレミアリーグでもFAカップでもうまくやりたい。もちろん、可能ならファイナルへ進みたい」
確かに抽選で、準決勝でマンチェスターダービーになる可能性はあるわけですが、「うまくやりたい」「可能なら」って…。意気込みベースで、もう少し景気よく語ってもいいような気もしますが、これがマンチーニ流。肩に力は入れない、というより入らないのです。しかし、だまされてはいけません。チームに戻ると「われわれは絶対勝つ!」と人一倍、ハッパかけてると思いますよ。昨季のプレミアリーグで、表では「追いつくのは難しい」と泣きを入れまくって、裏では「絶対に優勝できる」といっていたと選手からネタバレが入りましたから。こういう話が表に出ないのがファーガソン軍団、ポロリポロリとこぼれるのがマンチーニファミリー。

その③ あっさり白旗、しかしこれもまた…。

ルーニー移籍報道について。
「ルーニーは、ヨーロッパ最高レベルのストライカーだと思う。彼がユナイテッドを出るのは難しいだろう。私はあり得ないと思うよ」
…翻訳します。「欲しいな。手段選ばず獲りにいくよ!」。ファン・ペルシがマンチェスター・ユナイテッドに加入し、ゴールを量産しているのをみて、「うちが獲っていれば」としょうもない愚痴をこぼしてましたが、思わず「狙ってたの後バレしていいんかい!」と突っ込んでしまいました。根は正直な方なんですね。ちなみにルーニーがマドリー戦で先発を外れたことについて聞かれたときは、また得意の「知らない」発言をされておりました。他の方々なら、「コメントする立場にない」など、もう少し気のきいた言い回しをするでしょうね。「私は知らない。プレーできないとき、ルーニーが動揺することは理解できる。ただ、それはどんなチームでも起こり得ることだ」。はいはい。

その④ 得意のバロテッリネタは今も絶好調!

マンチーニさんの記者会見は、バロテッリが在籍していた1月までは「冒頭に記者がバロテッリネタをふり、マンチーニさんがボケて笑いがおこり、さあ本題」という流れがあったようですね。最新コメントは、こちらです。どうぞ!
「プレミアリーグ、FAカップ、コミュニティーシールドと、マリオとは一緒に多くの勝利を手にしてきた。勝利には常に彼がいた。だから、彼は成長したんだ。でも、過ちは常に犯すだろう。彼が完全に変わることはないと思う。30歳になってもやるだろう。良い意味でも、悪い意味でもね。大事なのは、ピッチでは常に全力を尽くさなければならないと理解することだ。彼にはそれができる」
うーん、厳しく突き放しつつも期待を込めて締める。よきパパ風コメント、ですね。バロテッリが未だに彼に絶大な信頼と感謝を寄せているのもわかります。

その⑤ フワッとボケる。イタリア流?それとも天然?

バーンズリーとの対戦前に。
「相手は失うものがない。こういった試合は難しいものだ。周りは簡単な試合と言うけれどね。バーンズリーの試合を見た。彼らがレアル・マドリードでないことは明らかだが、こういった試合は奇妙なものになる。アーセナルがブラッドフォードに負けると思った人はあまりいないと思うよ」
「レアル・マドリードは要らんがな!」とここでもツッコミ。映像を見ていないのですが、誰かクスッと笑ったりするんですかね?オシムさんくらいどや顔でくるか、モウリーニョさんのように憎々しげにやられれば反応もしやすそうですが、この方、無表情でこういうことをさらっといいそうです。うーん、絡みづらい。ひょっとして、ど天然?

番外編 ときどき隠し切れない邪悪な心が…。

先日、とんでも発言をなさいました。曰く「マンチェスター・ユナイテッドは試合終了間近に点を獲って勝つことが多く、ラッキーだ。今、12勝ち点離れているが、ほんとうは差はない」云々。おお、ついにサッカーのルール無視!? 悔しまぎれ、破れかぶれとはいえよくもまた、大それたことを。昨季の最終戦、試合終了間際に2点も決めて、プレミアリーグを大逆転で獲ったのはどこのチームでしたっけ?レアル・マドリードでないことは明らかだが。

ねっ!かわいいでしょう!ファンからも選手からも「愛されボス」である理由がわかりますね。来季、ポルトガル人のヒール役がスペインからやってきそうなので、優しいおじさまにはぜひ、残っていただいて、泣きやボケをかまし続けて”スペシャル・ワン”モウリーニョ大先生の毒を中和していただきたいと思うのは私だけでしょうか。

◇参考/goal.com
◇ロベルト・マンチーニ監督/写真著作者:Roger Goraczniak

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