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相手のミス待ち、ファール待ち…連携なきイングランドは、ルーニーの一発で幸運な3連勝!

GKジョー・ハートにCBはケーヒルとジャギエルカ。両SBにレイトン・ベインズとチャンバース。中盤にはウィルシャー、ヘンダーソン、ララナにアストン・ヴィラで売出し中のデルフが並び、ウェルベックとルーニーが最前線。スタリッジが不在で、スターリング、ミルナー、チェンバレンといったプレミアリーグで直近活躍しているメンバーをベンチスタートとしたものの、イングランド代表はまずまずのメンバーです。9652人しか入らないエストニアの首都タリンにあるア・ル・コック・アレーナで開催されたアウェイ戦は、開始早々にきわどいシュートを2発打ち込まれる冷や汗のスタートでしたが、これが枠を外れると、イングランドがボールを支配。ララナやウィルシャーが短いパスでリズムを創り、エストニアDF陣を崩しにかかります。

最初の45分は、アンカーのポジションに入ったウィルシャーがキレキレでした。14分、左から斜めにDFの裏に走り込んだルーニーを見て、ウィルシャーがすかさず絶妙な浮き球を10番の足元に合わせますが、ルーニーのボレーはわずかにゴールの上。35分にも、敵陣でパスをインターセプトしたウィルシャーが右からひとりで持ち込み、右足でニアを狙います。5-0で勝った3日前のサンマリノ戦と比べると、ヘンダーソン、ララナ、ウィルシャーのパスのバリエーションが豊富で、中も外も使える攻撃は多彩。中盤のパス交換からサイドのベインズを走らせてクロスといったおもしろい形はあるものの、パスの出し手と受け手のイメージが合うシーンが少なく、相手DFの裏を取るような攻撃ができません。

ウィルシャー絡み以外でめぼしいチャンスは、16分にベインズのクロスをルーニーが空振りしたシーンと、34分にウェルベックがペナルティエリア左で一瞬相手をかわして放った左足シュートぐらいでしょうか。前半は0-0。後半に入り、48分にアウグスブルク所属のDFラグナル・クラヴァンがデルフを倒して2枚めのイエローでピッチを去ると、アウェイのイングランドの一方的な攻勢となります。

54分のララナからウェルベックへのクロスは、ウェルベックが触れず。57分、レイトン・ベインズのFKが壁に当たってCKになると、その後はサンマリノ戦のように単調な攻撃しかできなくなったイングランドにシュートチャンスがなくなります。ホジソン監督のテコ入れは、61分に機能していなかったデルフをチェンバレン。64分にはヘンダーソンをスターリング。選手を代えてもサッカーが変わらず、チェンジオブペースのない淡々としたプレイでサイドを攻めあぐんでいたイングランドでしたが、72分に途中出場の19歳が絶好の舞台を創ります。

左サイドから、2人を翻弄してシュートを放ったスターリングに手を焼いたモロゾフがたまらずファール。ペナルティエリアのぎりぎり外、やや左は、ウェイン・ルーニーのFKが決まりやすいエリアです。5枚の壁の中央に身長の低い選手が入ったのが気になりましたが、ルーニーのキックはまさに壁の頭すれすれを左ポストに向かって飛んでいきます。GKパレイコは、ダイビングで手に触るものの、弾ききれずボールはゴールイン!アウェイのイングランドが貴重な先制点を奪います。

エストニアの後半初めてのシュートは、ジョー・ハートの正面に飛んだ86分の超ロングFK。試合を通じて枠内シュートがこれ1本では勝てるはずもありません。87分にウィルシャーが不用意なドリブルでボールを奪われ余計なイエローカードをもらったことと、追加タイムに入った92分にウィルシャーの素晴らしいロングパスからルーニーがGKと1対1になるも、浮かしたシュートをパレイコに当てて追加点を決められなかったシーン以外にこれといった事件はなく、0-1のままタイムアップ。10人のエストニアを攻略しきれなかったイングランドは、絶好の位置でもらったFK一発で何とか勝利をおさめ、ユーロ予選3連勝となりました。

うーん、イングランドは、やはり個人技担保。前半の途中までは短いつなぎがおもしろかったのですが、後半はまたも、足元にしかパスが出ない連携なきサッカーに戻ってしまいました。このチームがプレミアリーグに入っても、8位がいいところでしょう。このままでは、ユーロの本大会では、スペイン、ドイツ、フランス、オランダはもちろん、ベルギー、ロシア、イタリア、クロアチアあたりにも勝てずに3試合でイギリスに戻ってくることになると思われます。中盤を中心に、伸び盛りのいい選手が揃っているので、指揮官の宝庫であるスペインやアルゼンチンあたりからいい人を持ってくれば、欧州ベスト4の一角に入れるぐらいのポテンシャルはあると思うのですが…。FAのみなさんは、エリクセンやカペッロで、外国人監督は懲りてしまったのでしょうか!?

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“相手のミス待ち、ファール待ち…連携なきイングランドは、ルーニーの一発で幸運な3連勝!” への6件のフィードバック

  1. サッカー小僧! より:

    ウィルシャーは、中盤の底をやるのなら、ああいう無理なドリブルと強引なタックルは
    封印して欲しいですね。
    上がるのが好きな選手なので、正直守備的MFが向いているようには思えないですが、
    本人も前向きにやろうとしているのなら、サポーターとしては、応援するだけです。
    アーセナルとしても、そうなれば、ラムジーと併用するために、無理に4-1-4-1
    システムに固執する必要はなくなるので、喜ばしいですし。

    もっとも、クラブの監督であるヴェンゲル監督がどう考えているか、はわかりませんが・・・。

  2. リバサポ より:

    スタメンだけみると、ドルトムントばりのハードワーカー集団ですね。しかし、揃いも揃って動き回るタイプの選手でなかなかカオスです。バリーやキャリックのような中盤、DFラインの枚数を考えながら動いてくれる選手がいないとヘンドやデルフ、ウィルシャーは活きなさそう。可能性としてはミルナーあたりに無理やりその役割をしてもらうしかなさそう…彼なんでもできますし。

  3. A・スミス より:

    アルゼンチン人の監督なんてありえないですよ
    ホジソンはメンバー選考いいですしこれからに期待です

  4. makoto より:

    サッカー小僧!さん>
    ピルロも昔は前の選手だったので、ジャックにも可能性は感じますが、おっしゃるとおり、ドリブルとタックルは気を付けてほしいですね。うまくいけば、スケールの大きいアンカーに化けるかもしれません。

    リバサポさん>
    確かに、全員が同じようなプレイを志向してしまった感はありますね。ホジソンさんの采配の責任だと思いますが。私も、センターのミルナーは見てみたかったです。

    A・スミスさん>
    ありえないですかね?私もイングランドには期待しているのですが、ホジソン監督のスタイルがどうも見えてこず、やきもきしています。

  5. Uボマー より:

    アルゼンチンは戦争やった相手ですから…。

    ホジソンの選手選考が良いって辺りはその通りなんじゃないですかね。ただWCでの戦い方について随分と批判してきましたし、戦術面では期待できません。

  6. makoto より:

    Uボマーさん>
    それはそうなのですが、スペインとアルゼンチン以外で、ぴったりくる監督が見当たらず…。ホジソン監督の選手選考に関しては、異論はありません。若手の抜擢はうまいですよね。今回も、ストーンズに期待していたので、負傷は残念でした。とはいえ、戦術が厳しいですね。イングランドサポーターがジョー・ハートをマンオブザマッチに選んでしまう気持ちはわかります。

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