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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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退屈な前半、鮮やかな後半…イングランド代表が、ルーニー&ウェルベックで3発快勝!

ポルトガルはホームでアルバニア相手に緒戦を落とし、絶不調のオランダは3試合で既に2敗。世界王者のドイツはポーランドに不覚を取り、昨日はギリシャが本拠地でフェロー諸島に0-1で敗れるというジャイアントキリング。まさかの最下位となったギリシャのラニエリ監督は、即日で解任となってしまいました。プレミアリーグさながらに、大小の波乱が起こっているユーロ2016予選ですが、イングランドはここまで3戦3勝と堅調です。この日のゲームは、グループEで2位につけているスロベニアとの直接対決。聖地ウェンブリーで行われる今夜の試合に勝ち、スロベニアと並んで2勝1敗のリトアニアがスイスに負ければ、イングランドは独走態勢となります。

試合前に3人の負傷者が出たイングランドのスタメンは、GKジョー・ハート、DFは右からクライン、ジェギエルカ、ケーヒル、ギブス。ウィルシャーとヘンダーソンが中央を固め、スターリングとララナのリヴァプール勢がサイドからアタック。最前線には、主将ルーニーとウェルベックの元同僚コンビです。レイトン・ベインズとスタリッジを欠く以外は、これはこれでベストな顔ぶれでしょう。

アメフトのゲームのラインが残り、芝は荒れ放題のウェンブリー。最悪のピッチコンディションのなか、試合開始からしばらくは、イングランド代表にロングボール以外のチャンスメイクがありません。しかし、10分を過ぎるとヘンダーソンやナサニエル・クラインらの鋭い出足で敵陣でボールを奪うシーンが増え、ペースはイングランド。ラストパスが通らず、シュートはないものの、GKジョー・ハートにもさしたるピンチはありません。最初のまともなシュートは16分、最前線にいたルーニーが丁寧に落としたボールを右足で狙ったスターリング。20分には、後ろからのボールをウェルベックが胸に当てると、ルーニーがバーの上を越えていく強烈なミドルシュートを放ちます。スロベニアのチャンスは27分、CKからのノヴァコヴィッチのヘッド。ニアで合わせたこの一撃は左ポストすれすれに飛び、イングランドDF陣をヒヤリとさせました。

36分、敵陣でのインターセプトからヘンダーソンがルーニーへつなぎ、ペナルティエリア手前からウェルベックがシュートしたシーンが前半最大のチャンス。イングランドはサイド攻撃に厚みがなく、積極的な上がりをみせるナサニエル・クラインが時折クロスを上げるものの、ことごとく中と合わず。ふたりのFWのコンビネーションが決まったときしかシュートチャンスになりません。前半は0-0、イングランドのシュートはわずか4本で枠内はゼロ。最近のプレミアリーグ同様、ララナとスターリングに元気がないのが気になります。

 48分のCKは、ルーニーが惜しいヘディングシュート。後半もイングランドが攻勢です。前半に比べてスタ―リングやギブスが縦に抜けるシーンが増え、55分には右に流れたルーニーのクロスが中央のジャギエルカに合い、ドンピシャのヘッドがハンダノヴィッチを襲います。イングランドが押していたゲームが動いたのは57分、しかし先制はスロベニア!左からのFKをメルテルジと競ったヘンダーソンのヘッドが、GKジョー・ハートの頭上を越えてゴールに飛び込むオウンゴール。ホームで0-1とされたイングランドでしたが、キャプテンの奮闘で2分後にはあっさり同点に追いつきました。ペナルティエリア内でドリブル突破を引っかけられたルーニーに、ジャッジはPK。PK阻止率4割という驚異的な数字を誇るインテルGKハンダノヴィッチは、ゴール左に強く蹴ったルーニーのシュートに触るのがせいいっぱいでした。

1-1となってからは、ホームチームのサイド攻撃が冴えわたります。逆転ゴールは65分。右サイドを崩したのは、前半眠っていたスターリングとララナ。右からのララナのクロスがDFに当たってGKが弾くと、中央に跳ねたボールをウェルベックが左足ボレー。当たりそこねのシュートは、しかし飛んだコースが絶妙で、ゴール右に吸い込まれていくボールをハンダノヴィッチは見送るしかありませんでした。

逆転ゴールを決めたウェルベックは、71分、今度はきれいにとどめを刺します。中にいたララナからの美しいロングパスを左SBギブスが受けると、中央に流したボールをスターリングとウェルベックがワンツー。これで背番号9が完全に抜け出し、ハンダノヴィッチと1対1。左足の脇を丁寧に抜かれては、GKはなすすべがありません。スロベニアの反撃は、メルテルジが左足で放ったきわどいミドルのみ。イングランドは、85分にスターリングと代わったチェンバレンがキレキレで、いつ4点めが入ってもおかしくない攻撃を展開していたものの、結局3-1のままタイムアップ。ラスト30分、それまでとは別なチームのように生まれ変わって2点差をつけたイングランドが快勝しました。

ウェルベックの2発はどちらもストライカーらしい、見事なゴールでしたが、この試合のターニングポイントは、1点ビハインドとなった直後のルーニーのドリブルでしょう。代表100キャップというメモリアルゲームでキャプテンが前への推進力と粘りをみせ、同点ゴールをもぎ取ったところから、イングランドの攻撃陣は自分たちらしさを取り戻しました。ハーフタイムの時点では、またモヤモヤした気分で朝を迎えるのかと憂鬱になりかかってましたが、後半はいいサッカーを見せてもらえたと思います。ホジソン監督のチームは、これで無傷の4連勝。ユーロ2016の本戦出場は、もう間違いないでしょう。

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