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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×Arsenal】0-3から怒涛の反撃!ピッチを支配したウーデゴーアが3発を演出!

プレミアリーグ5位のウェストハムは勝ち点48、10位アーセナルは41。アルテタ監督と選手たちにとって、EL出場権圏内のクラブとのシックスポインターは絶対に落とせない一戦です。ヨーロッパリーグのオリンピアコス戦に出場したガブリエウ、スミス・ロウ、ニコラ・ペペはベンチスタート。最終ラインと中盤は、1-1で引き分けた27節のバーンリー戦と同じ顔ぶれです。

GKレノ、DFチャンバース、ダヴィド・ルイス、パブロ・マリ、ティアニー。セントラルはトーマス・パーティーとジャカ、2列めはサカ、ウーデゴーア、オーバメヤン、最前線にはプレミアリーグ10ゴールのラカゼットが入っています。キックオフから押しているのはウェストハム。4分に左からのクロスがファーに届き、ツォウファルが右足で合わせると、ボールは大きく右に切れていきました。

9分、リンガードとのワンツーでボックス左に入ったのはベンラーマ。左サイドでパスを受けたマイケル・アントニオのクロスが中央に上がるも、ソーチェクのヘディングは右に外れました。攻め続けていたハマーズは、15分にあっさり先制。ベンラーマとのワンツーで左サイドを突破したマイケル・アントニオがアウトにかけて折り返すと、中央で待っていたリンガードが美しいハーフボレーを右隅に収めました。マンチェスター・ユナイテッドで出番がなかったMFは、ローン移籍後のプレミアリーグ7試合で5ゴール。早々に失点を喫したガナーズは、たった2分で追加点を奪われてしまいます。

右サイドでファールがあり、ガナーズの最終ラインがボールから目を切ったのを見たリンガードがクイックスタート。ボックス右をフリーで進んだボーウェンのシュートコースは、レノがセーブすべきニアの狭い隙間でしたが、バウンドが予想外だったのか脇を抜かれてしまいました。これで目が覚めるか、ガナーズ。ウーデゴーアが放ったチーム初のシュートをファビアンスキがキャッチしたのは、23分になってからでした。

32分に右からのボーウェンのクロスがブロックされ、こぼれ球をツォウファルがファーに浮かすと、マイケル・アントニオの打点の高いヘッドが右隅に吸い込まれました。ヒーローが喜びを示さなかったのは、落ち際をソーチェクが右足で触っていたのが見えたからでしょう。ハマーズ躍進の立役者は、今季プレミアリーグ9ゴールです。3-0とされたガナーズが、2点差に戻したのは38分。トーマス・パーティー、ウーデゴーア、チャンバースと右につながり、クロスを受けたラカゼットが豪快なワントラップボレーをソーチェクにぶつけてねじ込みました。

40分、トーマス・パーティーの縦パスをラカゼットがラインの裏に流すと、走り込んだサカは一瞬フリー。左足のシュートはコースが甘く、左に反応したファビアンスキがキャッチしました。42分のCKのパンチをジャカが中央に流すと、トーマス・パーティーのダイレクトショットはバーの上。47分の猛攻は、ティアニーの折り返しをデクラン・ライスがクリアし切れず、サカの前にボールがこぼれますが、左足のフィニッシュはドーソンにブロックされてしまいました。前半は3-1ですが、終了間際は完全なるガナーズペース。2点差とはいえ、どちらが勝つかわからない展開です。

後半開始直後、チャンバースの絶妙な浮き球でラカゼットがボックス左に抜け出しますが、ファビアンスキをかわしたループシュートは、必死に戻ったディオプがライン上でクリア。ウーデゴーアを中心としたテンポのいいパスワークが冴え始め、前半とは別な試合です。52分、絶妙なターンでマークを振り切ったウーデゴーアがラカゼットに縦パスを通すと、振り向きざまの一撃はGKの正面。ラッシュをしのいだハマーズの反撃は、クロスを味方に合わせられません。

61分のゴールシーンは、ウーデゴーアが左に出すと見せてチャンバースを使ったパスが絶妙。右SBの高速クロスをドーソンがゴールに蹴り込んでしまい、プレミアリーグ5位のリードは1点になりました。66分、リンガードがマイケル・アントニオをポストに使い、右に流したボールをボーウェンがプッシュすると、ティアニーがスライディングで飛び込んでブロック。フォローしたマイケル・アントニオの一撃も3番にヒットしました。ラカゼットが左のオーバメヤンを使い、クリアのこぼれ球がウーデゴーアの足元に出たチャンスは、左足のボレーをクレスウェルが体に当てました。

モイーズもアルテタも、カードを切りにくいのでしょうか。最初の1枚は、両者ともに73分になってからで、勝っているほうはボーウェンをノーブル、追いかけるほうはサカとジャカを下げてニコラ・ペペとスミス・ロウです。76分、右にいたベンラーマがパブロ・マリとトーマス・パーティーをちぎってファーに転がすと、マイケル・アントニオのスライディングボレーはポストにヒット。79分のベンラーマをフレデリクスは、最終ラインを5枚にする守りの采配です。

アルテタ監督の最後のカードは、81分にオーバメヤンをマルティネッリ。ウーデゴーアの縦パスを受けたニコラ・ペペの素晴らしいクロスがラカゼットの頭を捉えたのは、3枚使った直後でした。残り時間は8分、大逆転はあるのか。自陣からドリブルでボックスに持ち込んだデクラン・ライスの一撃は、レノがセーフティ重視で大きく弾きました。ラストパスをもらうシーンが多かったニコラ・ペペが冷静にプレイできていれば、記憶に残るゲームになっていたかもしれません。シュート数15対16の撃ち合いは、3-3のままタイムアップとなりました。

よくぞ追いついたと称えるべきか、目覚めるのが遅いとツッコミを入れるべきか。あまりにも消極的な戦い方で、あっという間に3点を失ったアウェイチームは、怒涛のアタックで追いついたものの、逆転には至りませんでした。アルテタ監督は、ジャカを下げてスミス・ロウを入れましたが、精彩を欠いていたオーバメヤンをプレーメイカーに直接スイッチしたほうがよかったのではないでしょうか。最後の15分は、ジャカがいたエリアを崩されるシーンが目立っていました。細かくポジションを変えてボールを散らし、自陣ではスペースを埋めてくれる34番のありがたみが感じられる時間でした。

最後に王様をリスペクトして、レポートを締めたいと思います。パス成功71本、成功率93%、キーパス4本、ドリブル成功4回。攻撃を自在に組み立てたウーデゴーアは、ひとりだけ別世界でした。パスはぎりぎりでも通せればいい、フェイクは必要最小限でいいと主張するような合理的なプレイで、ペースを自軍に引き寄せてくれました。いやー、マドリードに返したくないですね…。プレミアリーグは残り9試合、ヨーロッパリーグは最大5試合。彼のパフォーマンスを目いっぱい堪能すべく、ガナーズには14試合を戦ってもらえればと思います。素晴らしい!


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