2021.07.12 ユーロ2020
重かったウェンブリー…若手3人がPKを外したイングランド、無念の準優勝。
デンマークと戦ったセミファイナルと同じメンバーで戦うかと思いきや、ガレス・サウスゲート監督はスタメンをいじってきました。ピックフォードの前に、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイアの3バック。WBはトリッピアーとルーク・ショー、セントラルMFはカルヴァン・フィリップスとデクラン・ライス、メイソン・マウントとスターリングの前にハリー・ケインという布陣です。ドイツ戦とよく似た3-4-2-1。先制逃げ切りだけは許さないという指揮官の意志が感じられます。
キックオフは、現地時間の7月11日20時。華やかなセレモニーが終わると、前回大会のファイナルで決勝ゴールを叩き込んだポルトガルのエデルがトロフィーを掲げて登場しました。イタリアの11人が先に入場すると、ハリー・ケインを先頭にしたプレミアリーグの精鋭たちがピッチに現れます。いつもより荘厳な「God Save the Queen」の後、いよいよホイッスル。開始1分にマグワイアがバックパスをミスしてCKを与えますが、冷静にクリアしたボールが左サイドのルーク・ショーにまわりました。
WBが斜め前のハリー・ケインに預けると、エースは迷わずトリッピアーにサイドチェンジ。縦に上がったクロス職人にマークは着いておらず、狙いすました浮き球が逆サイドに入りました。フリーで走り込んだのはルーク・ショー。左足のボレーがニアポストの脇をすり抜け、イングランドがわずか2分で先制しました。反撃に出るイタリア。8分のインシーニエのFKは、バーを越えていきます。10分にボックス右でスルーパスを受けたトリッピアーは、速いクロスをキエリーニにカットされました。
前線からのプレスでパスの出どころを押さえられたイングランドは、受けにまわる時間が長くなっています。25分のイタリアのカウンターは、インシーニエがインモービレに入れたラストパスをマグワイアがカット。28分にインシーニエが強引に放ったミドルは左に切れていきました。イングランドは前線にボールがつながらなくなり、5-4-1の守備を強いられています。34分、競り合いに勝ったハリー・ケインが頭でスターリングに預けると、ボックス右でパスを受けたメイソン・マウントはリターンを読まれてしまいました。
35分のフェデリコ・キエーザの決定的なミドルは、右ポストすれすれを抜けていきます。イングランドの守備陣は、ゴール前ではシュートコースを許さず、空中戦で負けるシーンもありません。45分、ディ・ロレンツォのクロスを叩いたインモービレのボレーはジョン・ストーンズがブロック。こぼれ球に先着したヴェラッティのシュートは、ピックフォードの正面です。前半は1-0。イングランドのシュートは、開始早々にWBが決めた1発だけです。
後半開始間もない48分、左サイドのルーク・ショーがニアのスターリングに預けると、縦に突破しようとした10番の転倒はノーホイッスルです。51分にインシーニエが右足で巻いたFKは右にアウト。マンチーニ監督は、54分という早い時間にバレッラとインモービレを下げ、クリスタンテとベラルディを投入します。
56分、ルーク・ショーのFKを頭で合わせたマグワイアのヘッドはクロスバー越え。1分後、左から仕掛けたフェデリコ・キエーザのシュートがDFに当たってこぼれると、拾ったインシーニエが角度のないところからニアを狙うも、ピックフォードが冷静にグローブに当てました。62分、左から上がったフェデリコ・キエーザが2人をかわし、中央に流れながら右足を振り抜くと、ピックフォードが左に飛んで弾き出すビッグセーブ。64分のCKで競り勝ったジョン・ストーンズのヘッドは、ドンナルンマが確実に上に押し出しました。
67分、イタリアのCK。右からのキックをニアで競り合い、左に流れたボールをヴェラッティが頭でプッシュすると、ポストに当たったボールにピックフォードは触れず、ボヌッチが左足で押し込みました。1-1になって残り20分、ようやく動いたサウスゲート監督の1枚めは、トリッピアーに代えてブカヨ・サカです。73分、最後方からの浮き球でラインの裏に抜け出したベラルディは、ピックフォードの飛び出しを気にしたのか、ボレーを打ち上げてしまいました。イングランドの2枚めは、デクラン・ライスをヘンダーソンです。
85分、足を痛めたフェデリコ・キエーザが退き、ベルナルデスキがピッチへ。6分の追加タイムは両者ともチャンスを創れず、セミファイナルから3試合連続となる延長戦に突入しました。マンチーニ監督は、開始前にインシーニエを下げてベロッティ。サウスゲート監督は、どこかで勝負に出るのでしょうか。96分、こぼれ球を拾ったヘンダーソンが左のスターリングにスルーパスを通しますが、クロスはキエリーニがブロック。CKのクリアをトラップしたカルヴァン・フィリップスのミドルは、左に外れました。
99分、メイソン・マウントが下がってジャック・グリーリッシュが登場。104分に左サイドを突破したエメルソンのきわどいクロスは、ピックフォードがニアで身を挺してクリアしました。延長後半に入り、両者ともにペナルティでの決着を回避しようとしています。107分にグリーリッシュのシュートがブロックされ、フォローしたハリー・ケインが中央に浮かすと、飛び出したドンナルンマがジョン・ストーンズの前でパンチしました。
118分にエメルソンに代わってフロレンツィ。イングランドは119分の相手のCKでヘンダーソンとカイル・ウォーカーを下げ、ラシュフォードとジェイドン・サンチョです。3分の追加タイムには何も起こらず、避けたかったPK戦。ピックフォードのプレミアリーグ2020-21シーズンは、2本決められて1本は相手のミスに救われています。2人めのベロッティをピックフォードが止めると、3人めのラシュフォードのキックはポストにヒット。4人めのジェイドン・サンチョが右に蹴ってセーブされ、決まりかと思いきや、プレミアリーグで7本決めているジョルジーニョがピックフォードに弾かれてしまいました。
3-2、5人めはサカ。120分間、心強い味方だったウェンブリーは、最後は魔物でした。右を狙ったキックはコースが甘く、ドンナルンマは余裕をもって両手でセーブ。19歳のウインガーは、号泣しています。気持ちの強いヘンダーソンや、メンタルコンディションがよさそうなルーク・ショーに蹴らせたほうがよかったのではないか…。延長戦が終わる寸前にピッチに入った若い2人は心の準備ができておらず、大舞台の経験がないサカは雰囲気に吞まれていたように感じられました。
ロベルト・マンチーニとイタリアの選手たち、おめでとうございます。シュート数は19対6、ポゼッションは66%対34%とイタリアが圧倒した一戦。セットピース以外で失点を許さず、最後の敗者となったイングランドは、勝ちにいくためのオプションがなく、勝者にふさわしいチームにトロフィーが授けられたのだと思います。それでも、イングランドのみなさんは、このチームを誇りに思っているのではないでしょうか。PK戦のラスト3人までリードし、夢を見せてくれたチームを。
キックオフは、現地時間の7月11日20時。華やかなセレモニーが終わると、前回大会のファイナルで決勝ゴールを叩き込んだポルトガルのエデルがトロフィーを掲げて登場しました。イタリアの11人が先に入場すると、ハリー・ケインを先頭にしたプレミアリーグの精鋭たちがピッチに現れます。いつもより荘厳な「God Save the Queen」の後、いよいよホイッスル。開始1分にマグワイアがバックパスをミスしてCKを与えますが、冷静にクリアしたボールが左サイドのルーク・ショーにまわりました。
WBが斜め前のハリー・ケインに預けると、エースは迷わずトリッピアーにサイドチェンジ。縦に上がったクロス職人にマークは着いておらず、狙いすました浮き球が逆サイドに入りました。フリーで走り込んだのはルーク・ショー。左足のボレーがニアポストの脇をすり抜け、イングランドがわずか2分で先制しました。反撃に出るイタリア。8分のインシーニエのFKは、バーを越えていきます。10分にボックス右でスルーパスを受けたトリッピアーは、速いクロスをキエリーニにカットされました。
前線からのプレスでパスの出どころを押さえられたイングランドは、受けにまわる時間が長くなっています。25分のイタリアのカウンターは、インシーニエがインモービレに入れたラストパスをマグワイアがカット。28分にインシーニエが強引に放ったミドルは左に切れていきました。イングランドは前線にボールがつながらなくなり、5-4-1の守備を強いられています。34分、競り合いに勝ったハリー・ケインが頭でスターリングに預けると、ボックス右でパスを受けたメイソン・マウントはリターンを読まれてしまいました。
35分のフェデリコ・キエーザの決定的なミドルは、右ポストすれすれを抜けていきます。イングランドの守備陣は、ゴール前ではシュートコースを許さず、空中戦で負けるシーンもありません。45分、ディ・ロレンツォのクロスを叩いたインモービレのボレーはジョン・ストーンズがブロック。こぼれ球に先着したヴェラッティのシュートは、ピックフォードの正面です。前半は1-0。イングランドのシュートは、開始早々にWBが決めた1発だけです。
後半開始間もない48分、左サイドのルーク・ショーがニアのスターリングに預けると、縦に突破しようとした10番の転倒はノーホイッスルです。51分にインシーニエが右足で巻いたFKは右にアウト。マンチーニ監督は、54分という早い時間にバレッラとインモービレを下げ、クリスタンテとベラルディを投入します。
56分、ルーク・ショーのFKを頭で合わせたマグワイアのヘッドはクロスバー越え。1分後、左から仕掛けたフェデリコ・キエーザのシュートがDFに当たってこぼれると、拾ったインシーニエが角度のないところからニアを狙うも、ピックフォードが冷静にグローブに当てました。62分、左から上がったフェデリコ・キエーザが2人をかわし、中央に流れながら右足を振り抜くと、ピックフォードが左に飛んで弾き出すビッグセーブ。64分のCKで競り勝ったジョン・ストーンズのヘッドは、ドンナルンマが確実に上に押し出しました。
67分、イタリアのCK。右からのキックをニアで競り合い、左に流れたボールをヴェラッティが頭でプッシュすると、ポストに当たったボールにピックフォードは触れず、ボヌッチが左足で押し込みました。1-1になって残り20分、ようやく動いたサウスゲート監督の1枚めは、トリッピアーに代えてブカヨ・サカです。73分、最後方からの浮き球でラインの裏に抜け出したベラルディは、ピックフォードの飛び出しを気にしたのか、ボレーを打ち上げてしまいました。イングランドの2枚めは、デクラン・ライスをヘンダーソンです。
85分、足を痛めたフェデリコ・キエーザが退き、ベルナルデスキがピッチへ。6分の追加タイムは両者ともチャンスを創れず、セミファイナルから3試合連続となる延長戦に突入しました。マンチーニ監督は、開始前にインシーニエを下げてベロッティ。サウスゲート監督は、どこかで勝負に出るのでしょうか。96分、こぼれ球を拾ったヘンダーソンが左のスターリングにスルーパスを通しますが、クロスはキエリーニがブロック。CKのクリアをトラップしたカルヴァン・フィリップスのミドルは、左に外れました。
99分、メイソン・マウントが下がってジャック・グリーリッシュが登場。104分に左サイドを突破したエメルソンのきわどいクロスは、ピックフォードがニアで身を挺してクリアしました。延長後半に入り、両者ともにペナルティでの決着を回避しようとしています。107分にグリーリッシュのシュートがブロックされ、フォローしたハリー・ケインが中央に浮かすと、飛び出したドンナルンマがジョン・ストーンズの前でパンチしました。
118分にエメルソンに代わってフロレンツィ。イングランドは119分の相手のCKでヘンダーソンとカイル・ウォーカーを下げ、ラシュフォードとジェイドン・サンチョです。3分の追加タイムには何も起こらず、避けたかったPK戦。ピックフォードのプレミアリーグ2020-21シーズンは、2本決められて1本は相手のミスに救われています。2人めのベロッティをピックフォードが止めると、3人めのラシュフォードのキックはポストにヒット。4人めのジェイドン・サンチョが右に蹴ってセーブされ、決まりかと思いきや、プレミアリーグで7本決めているジョルジーニョがピックフォードに弾かれてしまいました。
3-2、5人めはサカ。120分間、心強い味方だったウェンブリーは、最後は魔物でした。右を狙ったキックはコースが甘く、ドンナルンマは余裕をもって両手でセーブ。19歳のウインガーは、号泣しています。気持ちの強いヘンダーソンや、メンタルコンディションがよさそうなルーク・ショーに蹴らせたほうがよかったのではないか…。延長戦が終わる寸前にピッチに入った若い2人は心の準備ができておらず、大舞台の経験がないサカは雰囲気に吞まれていたように感じられました。
ロベルト・マンチーニとイタリアの選手たち、おめでとうございます。シュート数は19対6、ポゼッションは66%対34%とイタリアが圧倒した一戦。セットピース以外で失点を許さず、最後の敗者となったイングランドは、勝ちにいくためのオプションがなく、勝者にふさわしいチームにトロフィーが授けられたのだと思います。それでも、イングランドのみなさんは、このチームを誇りに思っているのではないでしょうか。PK戦のラスト3人までリードし、夢を見せてくれたチームを。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
残り時間2分で出して、PK蹴ってこい。酷い采配だと思いました。私なら、フィリップス、ヘンダーソン、スターリングに蹴らせます。スターリングは枠を外しそうですが。
まずイタリアにおめでとうといいたいです。凋落のカルチョなんていいますが、やはり歴史と伝統がある国は這い上がってきますね。
また、ユナイテッドファンとしてはPK外した影響でラッシュとサンチョが来シーズン以降のプレーに影響出ないで欲しいと思いました。
ここはユナイテッドのチームメイト(カバーニ、マタ、マティッチなどベテラン勢が助けてくれると)、スタッフのケアに徹して欲しいです。
普段はアーセナルの応援なんてしないけどもちろんサカの心のケアもアルテタはしっかりして欲しいと思いました。
自分は蹴る順番はケイン、ラシュフォード、サンチョ、グリーリッシュ、ショーと思っていました。マグワイアはホントに強心臓で驚きましたwww。
ショーが決めた時はテンション上がりましたね。ただイタリアはさすが、強いチームでした。