偏愛的プレミアリーグ見聞録

「Welcome, Ben!」。アーセナルの公式サイトがベン・ホワイトの入団を発表しました。ブライトンとの交渉はスムーズ。クラブ間合意の後は「満を持して」という言葉がぴったりで、ミケル・アルテタ監督とエドゥTDは、ユーロ2020を戦ったCBの合流を急ぎませんでした。2回に分けて実施されたメディカルチェックは、無事にクリア。公式サイトは3人の写真をUPし、「プレミアリーグの若手有望株のひとりであることを証明した23歳のDF」という表現で、グーナーの気分を盛り上げています。

「BBC」のプレミアリーグカテゴリーでは、もちろんトップニュース。プレミアリーグで実働1年、36試合しかこなしていない23歳に5000万ポンド（約76億円）はチャレンジですが、ビルドアップから確実に前につなぎたいアルテタにとっては、ダヴィド・ルイスの後釜に最もふさわしい存在だったのでしょう。2020-21シーズンのスタッツを見ると、高額な移籍金に対する納得感が高まります。

1試合あたりのパスブロック1.24回と、1.27回のインターセプトは、アーセナルのCB全員を上回っています。116本のプログレッシブパスとドリブル成功24回は、いずれもプレミアリーグのCBで2位。ファイナルサードへの20本のパスは3位で、37回のプログレッシブキャリーは4位にランクインしています。先読みの早さ、パスワーク、スピード、ハードマークは、既にリーグのトップクラス。SBやセントラルMFでもプレイしており、指揮官の戦術選択の幅を広げてくれるプレーヤーでもあります。

「ベンは、この夏の重要なターゲットだった。とても多くのクオリティを持っているので、彼の加入にエキサイトしている。将来性があるヤングイングリッシュプレーヤー。守備力が高く、ボールを持つのがうまく、パスレンジも広い。ベンとの契約をうれしく思う。われわれと一緒に成長してくれるのを楽しみにしている」（エドゥTD）

「ベンはわれわれのトップターゲットだったので、契約完了は素晴らしいことだ。ベンは最近の数シーズン、ブライトンとリーズという優れたクラブで指導を受けてきた。2つのクラブにおける素晴らしい指導体制の恩恵を受け、ブライトンでもレンタル先のリーズでも、強力なタレントだったね」（ミケル・アルテタ）

「正直いって、そんなに口説かれなくてもよかったね。アーセナル自身がすべてを物語っている。夏の間、監督と何度も話した。いいバイブスを感じた。監督がめざすプレイに沿って、チームにクオリティをもたらし、貢献することができると思う」
「苦しいときに、ステップアップして状況をコントロールすることができる。リラックスしてボールを持てるので、悪い場面でもクオリティーを発揮できる」（ベン・ホワイト）

ファン・ダイク、ルベン・ディアス、ハリー・マグワイア…プレミアリーグで優勝をめざせるポジションに入るためには、守備力、統率力、ビルドアップのスキルを併せ持つCBが必要不可欠となっています。2ヵ月も経てば、ベン・ホワイト獲得はいいディールだったといえるようになるのではないでしょうか。エミレーツのピッチで、縦に入る高速フィードを観られるのを楽しみにしています。