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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ピッチに立てたことが最大の収穫…ヴィルジル・ファン・ダイク、285日めの復活。

285 days ago, I started on a journey back towards playing」。そんなに経つのか、と思いました。復活の地は、インスブルック。ミュンヘンの南にあるオーストリアの静かな街で開催されるゲームは、ヘルタ・ベルリンとのフレンドリーマッチです。赤いバスがスタジアムに到着し、主力選手が次々とロッカールームに向かうなかで、列の後ろを歩くリュックを背負った男は緊張しているように見えます。ヴィルジル・ファン・ダイク。昨季プレミアリーグ5節のマージーサイドダービーでジョーダン・ピックフォードに足をはさまれ、右膝の前十字靭帯損傷という重傷を負ったCBは、再びプレイできるようになるための長い旅路を終えようとしていました。

試合前のピッチで、ユルゲン・クロップが「LFCTV」のインタビューに応えています。チームの輪のなかで、ひときわ目立つ長身のCBは、リラックスした表情で談笑しています。そこにいる意味を確かめるかのようなウォームアップが終わり、いよいよキックオフ。先発のCBコンビは、入団したばかりのイブラヒマ・コナテと、昨季プレミアリーグで27試合を負傷で失ったジョエル・マティプです。

21分、右から蹴ったプラッテンハルトのFKがファーに届くと、アスカシバルがヘッドで叩いて1-0。31分にボックス右でパスを受けたセルバルは、ミルナーの緩いチェックをあっさりかわし、ファーのサイドネットに強引に突き刺しました。リヴァプールのゴール前は人数は揃っているものの、後方から入ってくる選手に対するケアが徹底されていません。

2-0とされたリヴァプールは、前半のうちに同点に追いつきました。37分、インターセプトに成功したツィミカスが左からスプリントして中央に転がすと、こぼれ球に反応したマネがプッシュ。41分にナビ・ケイタのスルーパスでボックス左に流れたモー・サラーは、巧みなヒールキックで南野のゴールをアシストしました。ハーフタイムに体を動かした4番は、ユニフォームに着替えるかと思いきや、そのままベンチに引っ込みました。後半の頭から入った6人のなかに、彼の名前はありません。

ジョー・ゴメスとともに、ピッチの脇で黙々とアップをしていた男が黄色いビブスを脱いだのは、60分を過ぎてからでした。66分、ルケバキオが右から上げたクロスをヨヴェティッチが頭で合わせ、3-2。その3分後、苦しいリハビリに耐えてきたCBコンビがいよいよピッチに入ります。ヴィルジル・ファン・ダイク、285日めの復活。慎重にプレイする姿は、レッズをプレミアリーグ制覇に導いたあの完璧なCBとは重なりません。

80分、ハーフライン付近でカイデ・ゴードンが奪われ、こぼれたボールを拾いにいったジョー・ゴメスもかわされてしまいました。ヨヴェティッチと1対1になったファン・ダイク。右足の細かいタッチであっさり抜かれ、膝から崩れ落ちた姿を見て、時の長さとその重みを感じました。真の復活までは、もうしばらく時間が必要なのでしょう。

88分、GKシュヴォロウの短いパンチを叩いたチェンバレンのボレーで4-3。タイラー・モートンが左に浮かしたボールに競り勝ち、ゴールのきっかけを創ったのは、キャプテンマークを巻いた彼でした。

「285日前、プレイに戻る旅を始めました。今の気持ちを表現するのは難しい。私にとって重要なのは、多くの素晴らしい人たちにいただいたサポートを、喜ばしいといえることです。執刀医、フィジオ、コーチ、そして初日から片隅にいてくれたスタッフ」

「チームメイトたちはエネルギーを授け、前を向かせてくれました。ファンのみなさんには、愛情と支援と、励ましをいただきました。そして何よりも、私の家族です。彼らがいなければ、私は何もできませんでした。ありがとうございました。仕事は終わりません。まだ始まったばかりです。われわれは進み続けます!」

ツイートを見たとき、冷静ではいられませんでした。最も好きといいそうになる選手が、プレミアリーグに帰ってきます。憎たらしいほど強いレッズも、同時に戻ってくるでしょう。待ち焦がれた復活、おめでとうございます。少しずつ出場時間を増やしながら、焦らずに自分らしいプレイを取り戻してください。


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