偏愛的プレミアリーグ見聞録

「リヴァプールは、ダルウィン・ヌニェス獲得に迫っている。午前中のミーティングで、リヴァプールとベンフィカは合意に達した。移籍金8000万ユーロとアドオン2000万ユーロで、あとはサインを待つのみ。リヴァプールは書類作成中、5年契約は合意済み」

ツイートしたのは、トランスファーマーケットのに詳しいファブリツィオ・ロマーノさん。22歳のウルグアイ代表の名前は、ニッポンのTwitterでトレンドワードになりました。昨季のプリメイラ・リーガで28試合26ゴールのストライカーは、リヴァプール入団を熱望しており、個人条件は既に合意と伝えられていました。

プレミアリーグ2位のクラブが支払う移籍金は、ポンドに直すと6830万（約113億円）。選手の活躍があるレベルに達したら1700万ポンドが追加され、総額は最大8540万ポンド（約141億円）となるビッグディールです。ファブリツィオ・ロマーノさんのスクープから13分後、「リヴァプールエコー」のサタデー・ライブブログが短いメッセージを配信しました。

「DARWIN NUNEZ WOULD BE A “LUXURY” LIVERPOOL SIGNING（ダルウィン・ヌニェスは、リヴァプールのぜいたくな契約になりそうだ）」

それから1時間50分後、読者を落ち着かせようとするかのようなメッセージを送ったのは、「スカイスポーツ」のトランスファー・ライブブログ。合意済みとするロマーノさんに対して、レッズが支払う金額は交渉の余地があると主張しています。

「ダルウィン・ヌニェスとの契約を巡るリヴァプールとベンフィカの交渉は順調に進んでいるが、契約はまだ合意されていない。選手はリヴァプールに移籍したいと考えており、5年契約にサインする準備ができている。交渉は取引の枠組みに集中しており、リヴァプールはフェアな価値とみなす金額のみを支払う用意がある。ベンフィカは、少なくとも1億ユーロを要求している」

なるほど。クラブ史上最高額だったファン・ダイクの7500万ポンドを上回る電光石火のビッグディールは、プレミアリーグのライバルのハイジャックを押さえる策であるとともに、サディオ・マネの引き留めを断念したというアナウンスにも感じられます。

ディヴォック・オリギを手離したクラブは、ワールドクラスのストライカーの移籍金を埋め合わせるべく、南野拓実とチェンバレンも手離すのではないでしょうか。マネが4000万ポンド、南野1700万ポンド、チェンバレンが1000万ポンドなら、ヌニェスへの投資をまるごとカバーしたうえで、サラリーでおつりが来る計算となります。

現地に住むレッズサポーターの興味は、「187センチのダルウィン・ヌニェスは、アンディ・キャロルかルイス・スアレスか」に移行しているようです。彼をプロデビューさせたペニャロールでスポーツディレクターを務めていたデロス・サントスさんの言葉を聞くと、スアレスの再来という夢を見ていいのではないかとテンションが上がります。

「性格はとても強い。年齢に比して成熟しており、落ち着きがある。勝者のスピリッツとウルグアイのDNAを持っており、クラブレベルと代表の両方で成功に飢えている」

左ウイング、セカンドストライカー、ワントップをすんなりこなしていたヌニェスは、早期にクロップのフットボールにフィットしそうで、キャロルやベンテケ、バロテッリのようなことにはならないでしょう。来季プレミアリーグの優勝争いは、2強続行となるのでしょうか。アーリング・ブラウト・ハーランドVSダルウィン・ヌニェス…いやー、やばい。やばいです。