ビッグクラブの経験ゼロ…新オーナーのチェルシーと新監督グレアム・ポッターはどちらもギャンブル!?
チェルシーの決断は早く、彼もまた即座に応じました。チャンピオンズリーグを制したトーマス・トゥヘルの後釜に指名されたのは、グレアム・ポッター。2019年にブライトンに招聘された若き指揮官は、昨季プレミアリーグでクラブ史上最高位となる9位に食い込んでいます。
出身は、ウェスト・ミッドランズのソリフル。レフトバックとしてプレイした13年の大半はイングランドの下部リーグで、プレミアリーグでプレイしたのは、セインツに在籍していた1996-97シーズンの8試合のみです。
現役引退後は大学で社会学を専攻し、2007年からハル大学やガーナ女子代表チームのTDを務めていました。監督デビューは2010年、スウェーデンのエステルスンド。4部にいたクラブを2シーズン連続で昇格させ、2017年にはスウェーデンのFAカップにあたるスベンスカ・クーペンで優勝を遂げています。
2017-18シーズンのヨーロッパリーグ出場は、北欧の新興クラブにとって唯一にして最高のステージ。ラウンド32で彼らと当たったのは、優勝候補と目されていたアーセナルでした。エミレーツで1-2で勝ったチームを、覚えているグーナーが多いのではないでしょうか。そうです。あのとき、相手のベンチにいたのがグレアム・ポッターです。
8年に及ぶ北欧生活の後、2018-19シーズンはスウォンジーを率いてチャンピオンシップ10位。ブライトンで4年を過ごした指揮官のタイトル履歴は、スウェーデンの下部リーグにおける3度の昇格と国内カップだけです。チェルシーはなぜ…。トッド・ベイリーの決断に、首をかしげるプレミアリーグファンが多いのではないでしょうか。
「Chelsea and their new boss are both gambling on each other」。彼らはお互いにギャンブルをしたと喝破したのは「BBC」のフィル・マクナルティ記者です。ウェストロンドンに渦巻く厳しい目線、常に解任カードを握りしめているオーナー、高額移籍金で加わったワールドクラスたちの激しいエゴイズムは、温暖なサウスコーストの安定した労働環境にはなかったものです。
9ヵ月前に、マンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したラルフ・ラングニックも、「ビッグクラブでスカッドを仕切った経験がない」「下部リーグと国内カップしか実績がない」と指摘されていました。ゲーゲンプレスの生みの親といわれていた指揮官は、自らのスタイルをチームにインストールできず、失意のうちにプレミアリーグを後にしています。
グレアム・ポッターも、既に「チェルシーは彼にとって家賃が高い」といった声が挙がっています。「BBC」の記者は、スタンフォード・ブリッジでは絶対にできないこととして、2021年11月のエピソードを紹介しています。ホームでリーズとスコアレスドロー。サポーターからブーイングを浴びた指揮官は、こう言い放ちました。
「観客の反応に、ちょっぴり困惑している。それぞれの意見をいう権利はあるけど、まったく同意できない。われわれは、プレミアリーグで8位につけている。もしかしたら、このフットボールクラブに関する歴史のレッスンが必要なのかもね」
ブライトンなら、ホームで引き分けただけで去就が噂されることはありませんが、2億5000万ポンドを超える巨額の補強を敢行したチェルシーでは、ロンドンダービーで守備に徹しただけで総ツッコミを受けるでしょう。ブルーズの指揮官となると、結果が芳しくなかった際のプレスや経営ボードとのコミュニケーションも重要な仕事です。
候補者リストを用意して相見積もりを取った形跡がないオーナーと、ハイテンションで喜びを語った新監督は、出会って数日で結婚したカップルのように見えます。約束事を確認せずに始まる共同生活は、うまくいくのでしょうか。パートナーに対する要求が厳しい新郎は、離婚歴がえぐいと評判で、つい先ごろも乱暴な三行半を驚かれたばかりですが…。(グレアム・ポッター 写真著作者/Martin Årseth)
出身は、ウェスト・ミッドランズのソリフル。レフトバックとしてプレイした13年の大半はイングランドの下部リーグで、プレミアリーグでプレイしたのは、セインツに在籍していた1996-97シーズンの8試合のみです。
現役引退後は大学で社会学を専攻し、2007年からハル大学やガーナ女子代表チームのTDを務めていました。監督デビューは2010年、スウェーデンのエステルスンド。4部にいたクラブを2シーズン連続で昇格させ、2017年にはスウェーデンのFAカップにあたるスベンスカ・クーペンで優勝を遂げています。
2017-18シーズンのヨーロッパリーグ出場は、北欧の新興クラブにとって唯一にして最高のステージ。ラウンド32で彼らと当たったのは、優勝候補と目されていたアーセナルでした。エミレーツで1-2で勝ったチームを、覚えているグーナーが多いのではないでしょうか。そうです。あのとき、相手のベンチにいたのがグレアム・ポッターです。
8年に及ぶ北欧生活の後、2018-19シーズンはスウォンジーを率いてチャンピオンシップ10位。ブライトンで4年を過ごした指揮官のタイトル履歴は、スウェーデンの下部リーグにおける3度の昇格と国内カップだけです。チェルシーはなぜ…。トッド・ベイリーの決断に、首をかしげるプレミアリーグファンが多いのではないでしょうか。
「Chelsea and their new boss are both gambling on each other」。彼らはお互いにギャンブルをしたと喝破したのは「BBC」のフィル・マクナルティ記者です。ウェストロンドンに渦巻く厳しい目線、常に解任カードを握りしめているオーナー、高額移籍金で加わったワールドクラスたちの激しいエゴイズムは、温暖なサウスコーストの安定した労働環境にはなかったものです。
9ヵ月前に、マンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したラルフ・ラングニックも、「ビッグクラブでスカッドを仕切った経験がない」「下部リーグと国内カップしか実績がない」と指摘されていました。ゲーゲンプレスの生みの親といわれていた指揮官は、自らのスタイルをチームにインストールできず、失意のうちにプレミアリーグを後にしています。
グレアム・ポッターも、既に「チェルシーは彼にとって家賃が高い」といった声が挙がっています。「BBC」の記者は、スタンフォード・ブリッジでは絶対にできないこととして、2021年11月のエピソードを紹介しています。ホームでリーズとスコアレスドロー。サポーターからブーイングを浴びた指揮官は、こう言い放ちました。
「観客の反応に、ちょっぴり困惑している。それぞれの意見をいう権利はあるけど、まったく同意できない。われわれは、プレミアリーグで8位につけている。もしかしたら、このフットボールクラブに関する歴史のレッスンが必要なのかもね」
ブライトンなら、ホームで引き分けただけで去就が噂されることはありませんが、2億5000万ポンドを超える巨額の補強を敢行したチェルシーでは、ロンドンダービーで守備に徹しただけで総ツッコミを受けるでしょう。ブルーズの指揮官となると、結果が芳しくなかった際のプレスや経営ボードとのコミュニケーションも重要な仕事です。
候補者リストを用意して相見積もりを取った形跡がないオーナーと、ハイテンションで喜びを語った新監督は、出会って数日で結婚したカップルのように見えます。約束事を確認せずに始まる共同生活は、うまくいくのでしょうか。パートナーに対する要求が厳しい新郎は、離婚歴がえぐいと評判で、つい先ごろも乱暴な三行半を驚かれたばかりですが…。(グレアム・ポッター 写真著作者/Martin Årseth)
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毎日面白い記事をありがとうございます。
結婚の例えがウマ過ぎです笑
従来のペースで監督をすげ替えるなら、前オーナー体制のマネジメントがいかに傑出していたかが浮き彫りになりそうですね。あれは真似できない芸当だったと思いますが、もしポッター監督が成功したら…もちろん絶賛します。
去年のようなブルーズとレッズの互角のぶつかり合いを今年も期待したいですね。