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スウォンジー新監督にグイドリン氏就任。どうなる、プレミアリーグの残留争い⁉

ガリー・モンク前監督の解任発表が12月9日ですから、すいぶん時間がかかってしまいました。昨日まで、暫定ながらプレミアリーグ18位と降格ゾーンに浸かってしまっていたスウォンジーは、イタリア人のベテラン指揮官、フランチェスコ・グイドリン氏の監督就任を発表しました。1月7日には、暫定監督だったアラン・カーティスさんを正式に監督とすると広報していたのですが、「いい人が見つからないから、とりあえず」な香りが漂っており、結局、暫定時代も含めると1勝2分4敗とパッとせず。「こりゃ、いかん」となった直接的なトリガーは、リーグ2(4部相当)所属のオックスフォードに3点を失って敗れたFAカップでしょう。カーティス監督は、たった12日間の短命監督として、スワンズでのキャリアを終えることになりました。

ウディネーゼ時代にはアレクシス・サンチェスをブレイクさせ、ヴィチェンツァ、パルマ、パレルモをセリエBから昇格させた「中堅・小規模クラブの立て直し請負人」は、初めてのプレミアリーグで残留というミッションを遂行できるのか、注目です。スワンズは先ほど、リバティスタジアムで行われていた22節のワトフォード戦を1-0で勝ちましたが、グイドリンさんはスタンド観戦していたのでしょうか。ワトフォードのスーパーバイザーを務めたことがある新指揮官は、ゆかりのクラブと戦うゲームには間に合わなかったようです。

さて、指揮官の交代劇が一段落したところで、俄然興味が湧いてくるのは、「落ちるのはどこか」です。プレミアリーグ2015-16シーズンの残留争いを繰り広げるのは、15位のボーンマス以下のクラブ、すなわちノリッジ、スウォンジー、ニューカッスル、サンダーランド、アストン・ヴィラでしょう。彼らは、言い換えると「得失点差がマイナス10以上のクラブ」で、攻守いずれかを明確に改善しなければ、ピンチから脱出することはできません。夏の移籍市場が締まった際の私の降格予想はノリッジ、ワトフォード、サンダーランドで、次点アストン・ヴィラだったのですが、キケ・フローレス監督のワトフォードは、思いのほかまとまりのある多国籍軍となり、戦力の充実度をみると急降下はなさそうです。

シャーウッドさんからレミ・ガルド監督にバトンタッチしても1勝しか積めず、11試合勝利なしのアストン・ヴィラは当確でしょう。5勝のうち3勝が下位同士のシックスポインターで、既にスワンズとアストン・ヴィラとの後半戦を済ませたにも関わらず、勝ち点18に留まっているサンダーランドも厳しそうです。降格候補のなかでは、サンダーランドのアラダイス監督とニューカッスルのマクラーレン監督だけが、プレミアリーグで1シーズン以上指揮を執った経験があるのですが、ビッグ・サムの豊富な経験だけではいかんともしがたいのが現状。来季もトップリーグに残ろうと思えば、この冬獲得したエンドイェとキルヒホフに加えて、中盤に即戦力がほしいところです。ゴールを決められるかどうかはデフォー次第となっている攻撃を強化するためには、ストライカーよりも、前線の選手を使えて自らも決められる選手が必要なのだと思います。

さらにもう1チーム、危ないところを選べといわれれば、ノリッジです。前半戦は、マンチェスター勢やアーセナル、リヴァプール、チェルシーなど上位相手に善戦していたものの、直近は3試合連続3失点の3連敗。噂のネイスミスが加われば攻撃はおもしろくなりそうですが、メンバーを固定して戦ってきた最終ラインに綻びが目立つようになっており、何らか手を打たなければずるずる負け続けてしまうのではないかと思われます。グイドリン新監督が立て直しに時間がかかればスワンズがアウト、守備を改善できなければノリッジが1シーズンで逆戻りとみますが、いかがでしょうか。

プレミアリーグが、「お金をかけなければ優勝も残留もできない」方向により傾斜がかかることに懸念があるので、チェフとエルネニーだけのアーセナルが優勝し、適材適所のレスターが4位以内、投資よりもチームづくりで残留をめざしたノリッジが成功となれば、現状に一石を投じられるのではないかと期待しているのですが…。1月末までに、不振のクラブからさらにいくつかのサプライズ移籍が発表される可能性が高そうです。そちらはそちらで、気持ちはわかるものの、いや、しかし…。(フランチェスコ・グイドリン 写真著作者/Roberto Vicario)

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“スウォンジー新監督にグイドリン氏就任。どうなる、プレミアリーグの残留争い⁉” への5件のフィードバック

  1. makoto より:

    更新ありがとうございます。
    何回か書き込みさせて頂いたノリッジファン
    の者です。
    プレミア初年度に快進撃の末、3位。
    翌年のUEFAカップでは、バイエルン撃破と
    クラブ史上最も輝いていた時期からのファンと
    しては、現状はもの足りないものの
    地方都市に根付いた堅実なクラブ運営は評価されるはずです。
    本拠地キャロウロードの満席率は確か、プレミアの中でもトップクラスだったような…

    後ろの補強は2人、代表クラスとれました。
    あとはネイスミス確定で、踏ん張ってほしいです。

    —–
    たろうさん>
    ピントとクローゼですかね?補強の方向性は的確だと思いました。早く見たいですね。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    個人的にプレミアでタインウェアダービーが観られなくなるのが惜しいので、ノースイーストの2クラブには踏ん張ってもらいたいのですが現状厳しそうですね。
    特にニューカッスルは読めないクラブですね。リバプールとスパーズに敵地で連勝して上り調子かと思えば公式戦4試合連続無得点の4連敗。ズルズル行くかと思えばユナイテッドと打ち合いの末ドローに持ち込んだり…不気味な存在です。

  3. ドロレス より:

    流石スワンズのフロントって感じです。かなり驚きました。あのグイドリンを招聘できるとは。
    グイドリンはウディネーゼ時代を中心に見てたのですが、これほど試合ごとにガラッと戦術変え、試合中もリードしたらすぐ戦術変えて相手を完封、こんな監督ほとんど見たことありません。正直かなり興奮してます。
    育成能力も素晴らしく、ハンダノヴィッチ、サパタ、インレル、イスラ、サンチェス、ベナティアそしてディナターレを更に磨いた手腕。特にサンチェスがメキメキ伸びていった過程は本当に楽しめました。
    中小クラブの監督としては、No1と自分は勝手に思ってます。
    これからのスワンズに注目です。
    プレミア初采配って所だけが心配ですが・・
    スワンズやセインツみたいな優秀なクラブには、できるだけ長くプレミアにいてほしいもんです。
    (二回目の書き込みだったはずですが、コテハン忘れたので適当に新しいのつけました)

  4. 爪楊枝 より:

    グイドリンが来ましたか!
    これは楽しみですね。
    適材適所に選手を配して、戦術構築する腕は、現役監督でも屈指の方です。
    ウディネーゼを指揮して、戦術合戦でインテル時代のモウリーニョに敗北宣言させるくらいの名将ですからね。
    どんなチームを作るのか楽しみにしたいと思います。

  5. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ニューカッスルは、セヴェとシェルヴィが大ヒットの予感です。うまくはまれば、ミトロヴィッチやトヴァンが活かされるといったプラスアルファまであるかもしれません。

    ドロレスさん>
    私も、ロベルト・マルティネス、ロジャース、ラウドルップのスウォンジーに盛り上がっていたので、残ってほしいなと思います。

    爪楊枝さん>
    最近のグイドリンさんには詳しくないのですが、セリエAを熱心に見ていたボローニャの頃をよく覚えています。楽しみですね。

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