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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「彼とは偽9番はできない」…ペップの2022-23バージョンは「戦術ハーランド」!?

「彼がゴールを決めれば、解決策になる。しかし決めなければ、問題になってしまう」。ペップ・グアルディオラの言葉を聞いて、大きくうなずいた方が多いのではないかと思います。プレミアリーグ21節のウルヴス戦は、アーリング・ブラウト・ハーランドの凄さと難しさをデフォルメしたような一戦でした。

最初のチャンスは18分。ボックス左に流れ、デブライネの縦パスを直接叩いた強烈な一撃は、GKジョゼ・サのビッグセーブに阻まれました。40分には、デブライネの完璧なクロスをヘッドで押し込み、先制。ハーフタイムを1点リードで折り返したチームの2点めは、前半終了間際にグリーリッシュが取ってもらえなかったPKです。

ナタン・アケのパスをボックス左で受けたギュンドアンが、ルベン・ネヴェスに引っかけられたのは49分。自信満々のエースは、GKの逆を突くのは当たり前といわんばかりに、ゴール左に転がしました。2-0となった4分後、味方につなごうとしたジョゼ・サがマフレズに渡してしまう致命的なミス。優しいパスをもらったエースは、ガラ空きだった左に流し込みました。

今季プレミアリーグで4度めのハットトリック!自らの役割を果たしたストライカーは、試合前から決まっていたかのように、残り30分でフリアン・アルバレスに後を譲りました。19試合で25ゴールという驚異的なペースに、ケチをつける余地はないのですが、この日の3発のうち2つはPKと相手のGKからのプレゼント。彼らしいゴールシーンは、最初のヘディングだけでした。

ボールタッチはたったの16回、パス成功は6本のみ。4本のシュートをすべて枠に収め、そのうち3本をゲット。デュエルは2戦全勝、もらったファールが2回。これが、彼が残したスタッツのすべてです。あれだけボールがまわるチームにいて、フィニッシュのシーン以外に関わらずに過ごすのは、並のストライカーにはできない芸当です。

「彼のクオリティはわかっている。彼とともにフォルス・ナインはできない。いくつかの動きを適応させなければならない」。ハーランドの降臨によって、戦い方を変えたと認めた指揮官は、限界があることも覚悟しているようです。

「ボックスの10メートル後方でボールを奪い、2~3回ドリブルしてゴールを決めるような選手ではない。可能性はゼロではないけど」

「よく知らないけど、セカンドレグ(プレミアリーグの後半戦)の初戦で、これだけのゴールを決めているんだね。でも現実には、われわれはしばらくの間、アーセナルに対してビハインドを背負っている」

ともに働く指揮官に、「24時間、自分の仕事、情熱、愛のために生きている。うまくいっているときも、そうでないときも、ストレスを感じないようだ」と評されたマイペースのゴールマシンは、今後もひたずらフィニッシュに集中するのでしょう。ため息を漏らすようなペップの言葉を、こんなふうに読み替えるのは穿ちすぎでしょうか。

「決めれば彼がヒーロー。決められなければ指揮官の責任」


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