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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ワールドカップ後にアクセル全開!テン・ハフ率いるマン・ユナイテッドは何が変わった?

プレミアリーグ開幕からワールドカップまでの公式戦21試合は14勝2分5敗。カタールの大会が終わってからは、14勝3分1敗と勝率を高めています。テン・ハフ率いるマンチェスター・ユナイテッドは、すべてのコンペティションで勝ち残っている唯一のチーム。今週末のカラバオカップ決勝は、最初のタイトルチャレンジです。

ロナウドがいた時期…とあえていいましょう。最初の21戦は、1試合あたりのゴール数が1.62で、失点は1.19でした。対して12月以降のゴールは2.27、失点は0.72と格段によくなっています。全試合ゴールを記録しており、1ゴールに終わったのは、プレミアリーグのウルヴス戦とクリスタル・パレス戦のみ。敗れたアーセナル戦も、90分まで2-2というきわどい勝負でした。

プレミアリーグで首位に5ポイント差に迫っているマンチェスター・ユナイテッドは、何が変わったのでしょうか。エースとキャプテンのスタッツを見ると、ワールドカップの前後で分けるのが妥当であることがよくわかります。

前半は20試合3ゴール3アシストだったブルーノ・フェルナンデスは、後半は17試合4ゴール7アシストとペースアップ。19戦8発3アシストだったラシュフォードは、18戦17発6アシストと無双状態に突入しています。CR7が去って、プレスの強度と中盤の寄せのスピードが高まったチームは、前で奪えるようになり、手数の少ないアタックが決まるシーンが増えています。

チームの改善に貢献したのは、8番と10番だけではありません。夏に獲得したカゼミーロとリサンドロ・マルティネスは、2人合わせて1億ポンド超の移籍金が安く感じられるほどのハイパフォーマンスを続けています。カゼミーロ効果のひとつとして、フレッジのテンションUPは特筆すべきでしょう。

1月28日に行われたレディング戦で、2ゴール9アシストのエリクセンが負傷リタイア。激痛のアクシデントを受けて代役に指名されたフレッジは、その後の8試合で3ゴール3アシストと目に見える結果を残しています。ブラジル代表でもコンビを組むベテランの脇は、やはりプレイしやすいようで、シュートレンジに現れる機会が確実に増えています。

最終ラインのプラス材料を語る数字としては、「ヴァランがフル出場した試合で敗れたのは、アーセナル戦のみ」「ルーク・ショーがCBに入った5試合は2失点」という2つを挙げておきましょう。

リサンドロ・マルティネスとともに、最終ラインを安定させているフランス代表CBが明確に失敗したのは、ハーランドとフォーデンンにボコボコにされたダービーぐらい。テン・ハフ監督にセンターにコンバートされた左のフルバックは、1月のマンチェスターダービーでハーランドにオンターゲットを許さず、2-1の勝利に貢献しています。

心身ともにコンディションを崩していたジェイドン・サンチョの復活と、ワン=ビサカの戦力化も指揮官のお手柄です。冬に獲得したザビッツァーとヴェグホルストもOK。3月にマルシアル、4月にエリクセンが戻ってくれば、プレミアリーグ、ヨーロッパリーグ、FAカップですべて勝ち進んでも戦い抜けるでしょう。

最後に、「デ・ヘア先生ありがとう」「ガルナチョがんばれ」「テン・ハフ最高!」とひとことずつ添えて、この稿を締めさせていただきます。アーセナルとの差があと3ポイント詰まるまでは、優勝争いという言葉は封印しますが、10年ぶりのタイトルに手が届いた瞬間のイメトレを、こっそり始めようかなという気分になりつつある今日この頃です。


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