2023.03.12 プレミアリーグ観戦記2022-23プレミアリーグ観戦記
【Bournemouth×Liverpool】なぜ彼らを代えたのか?戦術選択を誤ったクロップ、必然の敗戦⁉
先週末は、3位マンチェスター・ユナイテッドを7-0で撃破。プレミアリーグ27節で対戦するボーンマスには、8月に9-0で勝っています。ランチタイムキックオフの一戦は、4位トッテナムに3ポイント差に迫ったリヴァプールが圧勝で終えるものと思い込んでいました。
左からのクロスが、ニアのガクポに入ったのは5分。コースがないと見た18番が中央にいたサラーに流すと、左足のシュートはうまく当たらず、GKネトが正面でさばきました。5分のCKは、ファン・ダイクの決定的なヘッドをレミナがゴールライン上でクリア。先制できなかったものの、序盤の流れは悪くありません。
最下位ボーンマスは、プレミアリーグ最多の51失点を喫しているチームですが、前節のアーセナル戦は後半途中まで2-0でリードと健闘しています。実現したいのは、カウンターかセットピースで先制し、ゴール前にバスを停める展開。9分のショートカウンターは、千載一遇のチャンスでした。
アーノルドの不用意なパスをセンターサークルで奪ったのはソランケ。右に出した優しいスルーパスを前に押し出したワッタラは、アリソンと1対1になりました。すぐに打てば決められたはずのサイドアタッカーは、GKをかわしたために角度を失い、フィニッシュをニアに外してしまいました。
ファン・ダイクが縦に出したロングフィードを、ロバートソンが足元に収めたのは13分。左足の強烈なシュートは、サラーの前に手を伸ばしたネトがセーブしています。エリオット、ファビーニョ、バイチェティッチ、ガクポ、エリオット、アーノルドとテンポよくまわった15分のアタックは、高速グラウンダーにケリーが足を出し、CKに逃れました。
左に流れたビリングに、アンソニーの縦パスが通ったのは20分、クロスはソランケに届かず、アリソンがキャッチしています。イニシアティヴをとっていたレッズがピンチに陥ったのは28分。GKネトのスローを右サイドで収めたアダム・スミスが、前方でラインの裏を取ろうとしていたワッタラに長いボールを入れました。
足元に収めた11番の前にいるのはファン・ダイク。後ろに戻すかと思われたワッタラは前に大きく出し、屈強なCBを置き去りにしました。ゴールライン際からの折り返しは、コナテの足にかすかに触れて中央へ。走り込んできたビリングのボレーがアリソンの左をすり抜けていきました。
プレミアリーグでは、5戦連続でクリーンシートだったレッズが久々の失点。ノッティンガム・フォレスト、リーズ、ウルヴスと、下位に取りこぼしたゲームはすべて先制されています。36分、ワッタラのアーリークロスがコナテの頭上を越え、ソランケへ。アーノルドの前にいたストライカーがうまくトラップできていれば、2点リードで後半を迎えていたでしょう。
41分、右からFKを放り込んだのはロバートソン。フリーだったファン・ダイクのヘッドは、左ポストの脇を抜けていきました。ビリングがコナテの足にかかって倒れた44分のシーンは、CBがボールに触った後、自ら引っかかったと取られたのでしょう。前半は1-0。クロップ監督はエリオットをジョッタに代え、4-2-4のような布陣でゴールをめざします。
49分、敵陣で奪ったジョッタが中央に持ち込んで放ったシュートは、ネトが左に飛んでセーブ。ファン・ダイクやダルウィン・ヌニェスがセットピースで勝ち続けているのを見ると、中央にクロスを集めるだけで決まるように思えてきます。61分にガクポがドリブルで上がり、4対4のカウンター。最も難易度が高いジョッタへのパスを選ばなければ、シュートを打てていたはずです。
63分にファビーニョ、ダルウィン・ヌニェス、アーノルドが下がり、ミルナー、ヘンダーソン、フィルミーノ。右のSBに入ったミルナーが、ファーにクロスを上げたのは66分でした。バーをかすめたジョッタのヘッドは、アダム・スミスの腕に当たらなければ決まっていたでしょう。
VARからオンフィールドレビュー。リヴァプールは、今季プレミアリーグで初のPKを与えられました。ところが、サラーのキックは左にアウト。一連のシーンには、3つのポイントがあったように思います。ひとつめは、左SBのハンドが直接的にゴールを防いだということ。イーブンで残り20分なら、レッズはアーセナルと同様に逆転で3ポイントを得ていたのではないでしょうか。
ふたつめは、サラーのキックミス。プレミアリーグのTOP4争いの結果によっては、レッズの運命を変えた重要な1発だったと振り返ることになるかもしれません。そして3つめは、クロップ戦術の限界です。ジョッタはほぼフリーで頭に当てており、ボーンマスが横からのボールに弱いのは明確でした。なぜ、ダルウィン・ヌニェスを代えてしまったのか…。
ヘディングが強いジョッタとダルウィン・ヌニェスの2トップに、サラー、アーノルド、ガクポ、ロバートソンがクロスを合わせる攻撃を徹底すれば、プレミアリーグで最多失点のチームを混乱させられたはずです。この試合は、スペースを使えるフィルミーノより、ストロングヘッダーのヌニェスが活きるゲームだったと思います。
サラーのPK失敗の後、レッズはシュートを打てなくなり、久々の1本は90分のガクポの当たり損ね。94分のガクポのボレーも、相手のクリアミスによって得たチャンスです。87分に投入されたファビオ・カルヴァーリョは何もできず。守備を強化するために入れたミルナーのサイドをあれほど攻められるなら、クロスの精度が高いアーノルドを残したかったと思わせる終盤でした。
0-2から逆転したアーセナルの3ゴールの起点は、2本のCKと左からのクロスです。チェックしていたはずの指揮官は、従来からのスタイルにこだわり、セットピースやサイドアタックで武器となる選手を自ら下げてしまいました。敗因は、戦術選択のミスでしょう。「クロップ監督の強みでもあり、限界でもある戦術の柔軟性の欠如」と言い換えてもいいのかもしれません。
左からのクロスが、ニアのガクポに入ったのは5分。コースがないと見た18番が中央にいたサラーに流すと、左足のシュートはうまく当たらず、GKネトが正面でさばきました。5分のCKは、ファン・ダイクの決定的なヘッドをレミナがゴールライン上でクリア。先制できなかったものの、序盤の流れは悪くありません。
最下位ボーンマスは、プレミアリーグ最多の51失点を喫しているチームですが、前節のアーセナル戦は後半途中まで2-0でリードと健闘しています。実現したいのは、カウンターかセットピースで先制し、ゴール前にバスを停める展開。9分のショートカウンターは、千載一遇のチャンスでした。
アーノルドの不用意なパスをセンターサークルで奪ったのはソランケ。右に出した優しいスルーパスを前に押し出したワッタラは、アリソンと1対1になりました。すぐに打てば決められたはずのサイドアタッカーは、GKをかわしたために角度を失い、フィニッシュをニアに外してしまいました。
ファン・ダイクが縦に出したロングフィードを、ロバートソンが足元に収めたのは13分。左足の強烈なシュートは、サラーの前に手を伸ばしたネトがセーブしています。エリオット、ファビーニョ、バイチェティッチ、ガクポ、エリオット、アーノルドとテンポよくまわった15分のアタックは、高速グラウンダーにケリーが足を出し、CKに逃れました。
左に流れたビリングに、アンソニーの縦パスが通ったのは20分、クロスはソランケに届かず、アリソンがキャッチしています。イニシアティヴをとっていたレッズがピンチに陥ったのは28分。GKネトのスローを右サイドで収めたアダム・スミスが、前方でラインの裏を取ろうとしていたワッタラに長いボールを入れました。
足元に収めた11番の前にいるのはファン・ダイク。後ろに戻すかと思われたワッタラは前に大きく出し、屈強なCBを置き去りにしました。ゴールライン際からの折り返しは、コナテの足にかすかに触れて中央へ。走り込んできたビリングのボレーがアリソンの左をすり抜けていきました。
プレミアリーグでは、5戦連続でクリーンシートだったレッズが久々の失点。ノッティンガム・フォレスト、リーズ、ウルヴスと、下位に取りこぼしたゲームはすべて先制されています。36分、ワッタラのアーリークロスがコナテの頭上を越え、ソランケへ。アーノルドの前にいたストライカーがうまくトラップできていれば、2点リードで後半を迎えていたでしょう。
41分、右からFKを放り込んだのはロバートソン。フリーだったファン・ダイクのヘッドは、左ポストの脇を抜けていきました。ビリングがコナテの足にかかって倒れた44分のシーンは、CBがボールに触った後、自ら引っかかったと取られたのでしょう。前半は1-0。クロップ監督はエリオットをジョッタに代え、4-2-4のような布陣でゴールをめざします。
49分、敵陣で奪ったジョッタが中央に持ち込んで放ったシュートは、ネトが左に飛んでセーブ。ファン・ダイクやダルウィン・ヌニェスがセットピースで勝ち続けているのを見ると、中央にクロスを集めるだけで決まるように思えてきます。61分にガクポがドリブルで上がり、4対4のカウンター。最も難易度が高いジョッタへのパスを選ばなければ、シュートを打てていたはずです。
63分にファビーニョ、ダルウィン・ヌニェス、アーノルドが下がり、ミルナー、ヘンダーソン、フィルミーノ。右のSBに入ったミルナーが、ファーにクロスを上げたのは66分でした。バーをかすめたジョッタのヘッドは、アダム・スミスの腕に当たらなければ決まっていたでしょう。
VARからオンフィールドレビュー。リヴァプールは、今季プレミアリーグで初のPKを与えられました。ところが、サラーのキックは左にアウト。一連のシーンには、3つのポイントがあったように思います。ひとつめは、左SBのハンドが直接的にゴールを防いだということ。イーブンで残り20分なら、レッズはアーセナルと同様に逆転で3ポイントを得ていたのではないでしょうか。
ふたつめは、サラーのキックミス。プレミアリーグのTOP4争いの結果によっては、レッズの運命を変えた重要な1発だったと振り返ることになるかもしれません。そして3つめは、クロップ戦術の限界です。ジョッタはほぼフリーで頭に当てており、ボーンマスが横からのボールに弱いのは明確でした。なぜ、ダルウィン・ヌニェスを代えてしまったのか…。
ヘディングが強いジョッタとダルウィン・ヌニェスの2トップに、サラー、アーノルド、ガクポ、ロバートソンがクロスを合わせる攻撃を徹底すれば、プレミアリーグで最多失点のチームを混乱させられたはずです。この試合は、スペースを使えるフィルミーノより、ストロングヘッダーのヌニェスが活きるゲームだったと思います。
サラーのPK失敗の後、レッズはシュートを打てなくなり、久々の1本は90分のガクポの当たり損ね。94分のガクポのボレーも、相手のクリアミスによって得たチャンスです。87分に投入されたファビオ・カルヴァーリョは何もできず。守備を強化するために入れたミルナーのサイドをあれほど攻められるなら、クロスの精度が高いアーノルドを残したかったと思わせる終盤でした。
0-2から逆転したアーセナルの3ゴールの起点は、2本のCKと左からのクロスです。チェックしていたはずの指揮官は、従来からのスタイルにこだわり、セットピースやサイドアタックで武器となる選手を自ら下げてしまいました。敗因は、戦術選択のミスでしょう。「クロップ監督の強みでもあり、限界でもある戦術の柔軟性の欠如」と言い換えてもいいのかもしれません。
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87分に投入されたフリアン・アルバレス
≫ファビオ・カルバーリョですかね?
ですです!頭のなかでよく間違えるんです。
ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。
みなさま、すみませんでした。