2023.03.25 チームの話題(全体・他クラブ)
7年で50人超に7億ポンド、3年の赤字は3億ポンド…FFP違反を問われたエヴァートンは降格ピンチ!
「BBC」「テレグラフ」などのレポートによると、3年間の赤字はトータル3億7200万ポンド(約595億円)。プレミアリーグが認めている1億500万ポンド(約168億円)の3倍以上です。FFP違反の疑いで、処分の検討を独立委員会に付託されたエヴァートンは、ポイントの剥奪か多額の罰金を科される危機を迎えています。
この件がオープンになると、クラブはステートメントを発信。FFP違反を真っ向から否定し、ルールを守ってきたと主張しています。まずは、彼らの言い分を聞いてみましょう。
「エヴァートン・フットボール・クラブは、プレミアリーグがプロフィット&サステナビリティの規則違反の疑惑を独立委員会に付託し、検討することを決定したと聞いて失望しています。クラブは、規則違反の申し立てに対して強く異議を唱えました。独立した専門家チームとともに、すべての財務規則を遵守していることを確信しています」
「エヴァートンは委員会に対して、自らの立場を申し立てる用意があります。数年にわたり、オープンかつ透明性が高い手段でプレミアリーグに情報を提供しており、最大限の誠意を持って行動することを意識し、選択してきました。現時点では、これ以上コメントするつもりはありません」
昨年の3月に2020-21シーズンの損失が1億2090万ポンドだったという発表があり、プレミアリーグ残留を争っていたリーズとバーンリーが、エヴァートンの会計を調査してほしいと要請していました。当時のジャッジはセーフ。ライバルたちは、渋々ながらプレミアリーグの説明を受け入れたのですが、その後の調査でルール違反の疑惑は限りなくクロに近いグレーに傾いていました。
2016年2月に筆頭株主になったファルハド・モシリの7年は、失敗だったといい切っていいでしょう。欧州へのチケットを手に入れたのは、ロナルド・クーマンを招聘した初年度のみ。オフシーズンにルカクがチームを去り、指揮官が望まない大量補強を敢行したクラブは、ビッグ6との対戦が4つあった序盤戦で2勝2分5敗となっただけで、クーマンを解任してしまいました。
以来、2年続いた監督はゼロ。サム・アラダイス、マルコ・シウヴァ、カルロ・アンチェロッティ、ラファエル・ベニテス、フランク・ランパードという顔ぶれのなかで、サポーターの納得を得られたのはアンチェロッティのみでした。レアル・マドリードから声がかからなければ…と思いつつ、彼を引き留められても、せいぜいもう1年でしょう。
7億ポンド(約1118億円)を投じて引き入れた50人以上の選手たちのなかで、チームの軸となった選手はごくわずかです。失敗の代表はクラーセン、トスン、モイーズ・キーン、デル・アリ。短期間のステイとなったアラン、アンドレ・ゴメス、ハメス・ロドリゲスも本領を発揮したとはいえません。
グバミンは度重なるケガでスポイルされ、ジェリー・ミナも負傷欠場が多く、デルフはピークを過ぎていました。獲ってよかったといえるのは、リシャルリソン、イオビ、ドゥクレ、デマライ・グレイ、ピックフォードぐらいでしょう。最終ラインの補強で合格点といえるのは、ディーニュだけです。
毎年のように指揮官が代わり、求めるタイプが変われば、パフォーマンスを発揮できない選手が頻発するのもやむなしでしょう。2017年に開催されたU-20ワールドカップの優勝メンバーだったジョンジョ・ケニー、ルックマン、ドゥーウェル、コノリー、カルヴァート=ルーウィンは、全員伸び悩んでしまいました。
処分が発表されるのは、シーズン終了後となる見通しですが、今季プレミアリーグのポイント剥奪となれば、彼らは間違いなく降格します。オナナ、マクニール、マイコレンコら若手有望株には、他クラブから声がかかるはずです。2025年のオープンをめざしていたブラムリー・ムーア・ドックのスタジアム建設プロジェクトは、資金が止まる可能性があるといわれています。
今シーズンに入ってから、モシリと経営ボードの退陣を迫るサポーターが急増していますが、今回の処分が確定すれば、オーナーサイドは抗議の声を抑えられないでしょう。1954-55シーズン以来、トップリーグで68年を過ごしたクラブが資金源まで失えば、チャンピオンシップに留まるのも難しくなるかもしれません。
的確な補強で欧州に手が届くポジションに上がったブライトン、有能な監督に長期的なマネジメントをまかせたブレントフォード、エディ・ハウ監督とダン・アシュワースSDのタッグでコンセプチュアルなチーム作りを進めるニューカッスルを見れば、古豪に何が足りなかったのかは明確です。金をかけるしか手段がなかったクラブは今、金によって居場所を失おうとしています。(グディソン・パーク 写真著作者/Biloblue)
この件がオープンになると、クラブはステートメントを発信。FFP違反を真っ向から否定し、ルールを守ってきたと主張しています。まずは、彼らの言い分を聞いてみましょう。
「エヴァートン・フットボール・クラブは、プレミアリーグがプロフィット&サステナビリティの規則違反の疑惑を独立委員会に付託し、検討することを決定したと聞いて失望しています。クラブは、規則違反の申し立てに対して強く異議を唱えました。独立した専門家チームとともに、すべての財務規則を遵守していることを確信しています」
「エヴァートンは委員会に対して、自らの立場を申し立てる用意があります。数年にわたり、オープンかつ透明性が高い手段でプレミアリーグに情報を提供しており、最大限の誠意を持って行動することを意識し、選択してきました。現時点では、これ以上コメントするつもりはありません」
昨年の3月に2020-21シーズンの損失が1億2090万ポンドだったという発表があり、プレミアリーグ残留を争っていたリーズとバーンリーが、エヴァートンの会計を調査してほしいと要請していました。当時のジャッジはセーフ。ライバルたちは、渋々ながらプレミアリーグの説明を受け入れたのですが、その後の調査でルール違反の疑惑は限りなくクロに近いグレーに傾いていました。
2016年2月に筆頭株主になったファルハド・モシリの7年は、失敗だったといい切っていいでしょう。欧州へのチケットを手に入れたのは、ロナルド・クーマンを招聘した初年度のみ。オフシーズンにルカクがチームを去り、指揮官が望まない大量補強を敢行したクラブは、ビッグ6との対戦が4つあった序盤戦で2勝2分5敗となっただけで、クーマンを解任してしまいました。
以来、2年続いた監督はゼロ。サム・アラダイス、マルコ・シウヴァ、カルロ・アンチェロッティ、ラファエル・ベニテス、フランク・ランパードという顔ぶれのなかで、サポーターの納得を得られたのはアンチェロッティのみでした。レアル・マドリードから声がかからなければ…と思いつつ、彼を引き留められても、せいぜいもう1年でしょう。
7億ポンド(約1118億円)を投じて引き入れた50人以上の選手たちのなかで、チームの軸となった選手はごくわずかです。失敗の代表はクラーセン、トスン、モイーズ・キーン、デル・アリ。短期間のステイとなったアラン、アンドレ・ゴメス、ハメス・ロドリゲスも本領を発揮したとはいえません。
グバミンは度重なるケガでスポイルされ、ジェリー・ミナも負傷欠場が多く、デルフはピークを過ぎていました。獲ってよかったといえるのは、リシャルリソン、イオビ、ドゥクレ、デマライ・グレイ、ピックフォードぐらいでしょう。最終ラインの補強で合格点といえるのは、ディーニュだけです。
毎年のように指揮官が代わり、求めるタイプが変われば、パフォーマンスを発揮できない選手が頻発するのもやむなしでしょう。2017年に開催されたU-20ワールドカップの優勝メンバーだったジョンジョ・ケニー、ルックマン、ドゥーウェル、コノリー、カルヴァート=ルーウィンは、全員伸び悩んでしまいました。
処分が発表されるのは、シーズン終了後となる見通しですが、今季プレミアリーグのポイント剥奪となれば、彼らは間違いなく降格します。オナナ、マクニール、マイコレンコら若手有望株には、他クラブから声がかかるはずです。2025年のオープンをめざしていたブラムリー・ムーア・ドックのスタジアム建設プロジェクトは、資金が止まる可能性があるといわれています。
今シーズンに入ってから、モシリと経営ボードの退陣を迫るサポーターが急増していますが、今回の処分が確定すれば、オーナーサイドは抗議の声を抑えられないでしょう。1954-55シーズン以来、トップリーグで68年を過ごしたクラブが資金源まで失えば、チャンピオンシップに留まるのも難しくなるかもしれません。
的確な補強で欧州に手が届くポジションに上がったブライトン、有能な監督に長期的なマネジメントをまかせたブレントフォード、エディ・ハウ監督とダン・アシュワースSDのタッグでコンセプチュアルなチーム作りを進めるニューカッスルを見れば、古豪に何が足りなかったのかは明確です。金をかけるしか手段がなかったクラブは今、金によって居場所を失おうとしています。(グディソン・パーク 写真著作者/Biloblue)
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