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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

バイエルンが電撃解任!コンテの後釜の本命は、スパーズファンという噂のナーゲルスマンってホント?

「史上最凶、いや最狂の解任」は、いいすぎでしょうか?バイエルン・ミュンヘンで指揮を執っていたユリアン・ナーゲルスマン監督のお話です。就任は2021年7月、初年度からブンデスリーガ制覇。2年めの今季は、後半戦で5勝3分2敗と崩れたとはいえ、首位ドルトムントとは1ポイント差です。

昨季のチャンピオンズリーグは、準々決勝でビジャレアルに足をすくわれましたが、2022-23シーズンは2年連続でグループステージ全勝を果たし、ラウンド16ではパリを相手にダブル達成。公式戦84試合60勝14分10敗は、解任された監督の戦績ではありません。

バイエルンのオリヴァー・カーンCEOは、決断した理由を問われると「チームのクオリティを発揮する機会が減少している。ワールドカップ以降は、魅力的なプレイができなくなっていた」と説明しています。それはそうかもしれませんが、「来季以降の目標達成が危うくなると感じた」といわれると、なぜシーズン中に…と返したくなります。

今回の経緯を追っていたファブリツィオ・ロマーノさんは、解任の理由について「バイエルンの経営ボードとの関係は冷え切っていた。一部の選手は監督の戦術を信用しておらず、変化を望んでいた」とレポート。決定的なトリガーは、「トッテナムがコンテ解任を画策するなかで、トーマス・トゥヘルにアプローチしようとしていた」ことだったといいます。

なるほど。タイミングはぴったりですね。指揮官をバッサリ切ったクラブと、チェルシーのオーナーにバッサリ切られた監督は、うまくいくのでしょうか?と、おせっかいはここまでにして、「偏愛的プレミアリーグ見聞録」は、イングランドの話題に入らせていただきます。

今回の主役は、もちろんトッテナム。ナーゲルスマンが解任となり、トゥヘルが後を継ぐらしい…と聞いたノースロンドンのクラブは、35歳の監督へのオファーを検討しているようです。「テレグラフ」のマット・ロウ記者は、「ジョゼ・モウリーニョを解任したとき、本命はナーゲルスマンだった」と伝え、2年前のエピソードを紹介しています。

「ナーゲルスマンは、スパーズのレプリカシャツを持っていたともいわれている。母国ドイツから、トッテナムを応援するようになった経緯や理由はわからない。一説によると、ナーゲルスマンはマウリシオ・ポチェッティーノの下で戦っていたトッテナムの大ファンで、チームのパフォーマンスと結果に目を光らせていたらしい」

さすがドイツの戦略家、お目が高い!あの頃のスパーズは、私も大好きです。ハリー・ケイン、ソン・フンミン、エリクセン、デル・アリ、ルーカス・モウラ、トリッピアー、アルデルヴァイレルト…!チャンピオンズリーグ2018-19シーズン準決勝、アヤックス戦のセカンドレグで決めたルーカス・モウラのハットトリックとポチェッティーノの号泣は感動的でしたね。

…という昔話はさておき。スパーズファンなら引き受けてくれるかもという話は、記者の希望的観測です。プレスをかけて前で奪い、5~6人が一斉にスプリントする当時の「走るスパーズ」と今は別のチーム。ナーゲルスマンが新たなプロジェクトに魅力を感じるかどうかは、まったくわかりません。

ハリー・ケインは来季は30歳で、ソン・フンミン、ルーカス・モウラ、ペリシッチと前線がベテラン揃いのチームは、リニューアルとなると時間がかかりそうです。ましてや現在は、ニューカッスルやリヴァプール、ブライトンに後ろから突かれる4位という難しいポジション。ベンタンクールとベン・デイヴィスを失ったチームは、中盤と最終ラインの戦力が不足しています。

懸念材料は、スパーズのマネジメントの難しさだけではありません。渦中の指揮官は、未だショックさめやらぬ状態だそうです。通告の直前まで家族と休暇を楽しみ、バイエルンに呼び出されて初めて事の次第を知ったという衝撃の解任劇の後、気持ちの整理がつくまではオファーに耳を傾けないのではないでしょうか。

いずれにしても、この話はコンテ監督の今後が決まらないことには動きません。ナーゲルスマンが来たら、やばそうですね。マン・シティ、リヴァプール、アーセナルのチーム強化に怯え続けてきた者としては、それぞれに対して「ルイス・エンリケさんが空いているみたいですよ」「シメオネさんの後とか、いかがですか?」といいたくなるのですが…。

そういえばトゥヘル監督は、パリからチェルシーまで1ヵ月でした。バイエルンの激務、おつかれさまです。大変でしたね。今は少し休んだほうがいいでしょう。ね。そうしましょう!(ユリアン・ナーゲルスマン 写真著作者/crop by InterEdit88)


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