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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ホームで過去最低得点…ヴェンゲル監督がグーナーに「エミレーツの難しい雰囲気」解消を要請!

イギリスメディア「インディペンデント」が、「Arsene Wenger blames ‘difficult climate’ at Arsenal for title failure(アーセン・ヴェンゲルが、タイトルル獲得失敗によるアーセナルの”難しい雰囲気”を咎めている)」と題された記事を掲載していました。ヴェンゲル監督が語った趣旨を要約すると、「不満はわかるけど、支えてください。リヴァプールのように」でしょうか。「クラブについて、楽しみがなくなったところからトラブルが始まる」「全員が一致団結してサポートしなければ、成功はない」というあたりは納得ですが、「下位チーム相手にホームで勝ち点を落としたことが、優勝争いに敗れる結果となった。ホームでは非常に難しい雰囲気のなかでプレイしていた。アウェイだけで見れば優勝を争っているチームだということを理解する必要がある」とのクダリには、思わず「ボ、ボス!」と叫んでしまいました。

アーセナルは、ホームの成績では5位、アウェイでは3位。ヴェンゲルさんはこれを指して、アウェイではプレミアリーグ優勝を争っているといっているのでしょうか。しかし、アーセナルのホームゲーム消化数は、レスター、トッテナム、マンチェスター・シティより1試合少なく、今日のノリッジ戦に勝てば4位。勝ち点39の首位レスターとの差は2に詰まります。一方、アウェイを見ると、レスター37、トッテナム33、アーセナル30と勝ち点7差をつけられており、しかもガナーズは消化が1試合多いのです。ヴェンゲルさんは、自説を主張するためにときどき無茶な理屈を持ってきます。今季プレミアリーグのホーム・アウェイの戦績について、まとめるとこうでしょう。

「レスターが独走態勢を築いたのは、相手が押し込んでくると威力を発揮するカウンターがアウェイで効果的に決まったから。ホームの戦績は僅差だったが、アウェイでの強さで他を凌駕した」
「アーセナルはアウェイで失点が多く、ホームではゴールが少なくライバルを上回ることができなかった」

アウェイではゴール数No.1、ホームではプレミアリーグ19位のニューカッスルと同点という信じられない少なさです。ホームとアウェイは課題が違うだけでどっちもどっちなのですが、印象として「特に後半戦は、ホームで元気がない試合が多いように感じられた」のは確かです。ヴェンゲルさんがいちばんいいたかったのは、「ブーイングや変な垂れ幕が多くて、正直、やりにくいんだよね。人数は少ないけど、クレーマーみたいな人たちが煽ってるでしょ。フラストレーションがたまってるのはわかるよ。でもエミレーツでノリッジとヴィラに負けたらマジでやばいから、あと2つ、頼むよ。ね?」ということなのでしょう。「趣旨理解、いわんとしてることはわかります」ということで、よしとしましょう。

アーセナルは、エミレーツに移転してから今季が10シーズンめとなりますが、今季のホームゲームでのゴール数は、過去最低ペースなのだそうです。数字を見ると、サポーターがイライラする気持ちがわかります。今までいちばん少なかった2008-09シーズンは、セスクとナスリが長期離脱、ロシツキがまる1年を棒に振り、冬にアルシャビンを獲得して何とかしのいだシーズンです。最終的にプレミアリーグ4位、勝ち点73だったこのシーズンを、勝ち点でもゴール数でも下回る可能性があるのが現状。「今季はプレミアリーグで優勝できるかも」と期待していた年末とのギャップがありすぎ、私がこのクラブのサポーターなら「高低差キツくて、耳キーンなるわ」とこぼしたくなります。

【アーセナルのプレミアリーグ本拠地ゴール数】
2006-07 19試合43ゴール
2007-08 19試合37ゴール
2008-09 19試合31ゴール
2009-10 19試合48ゴール
2010-11 19試合33ゴール
2011-12 19試合39ゴール
2012-13 19試合47ゴール
2013-14 19試合36ゴール
2014-15 19試合41ゴール
2015-16 17試合26ゴール

お気持ちわかります、と書いたものの、同情はできません。私が応援する5位のクラブは、ホームで23ゴール…(号泣)。プレミアリーグ最少の7失点で、本拠地における勝率は2位につけているものの、サポーターはやはり大量得点を見たいものです。ホームでは失点をしないように慎重に入りつつ先にゴールを奪って一気に畳みかけ、アウェイでは引き気味に構えてカウンターを交えながらゴールを重ねる、というのが理想でしょう。アウェイで強いレスターとトッテナムを見ていると、中堅クラブのレベルが上がったプレミアリーグでは、守備力をベースにしたカウンターが必要なのだなとしみじみ思います。グーナーのみなさん、来季はお互い、がんばりましょうね。

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“ホームで過去最低得点…ヴェンゲル監督がグーナーに「エミレーツの難しい雰囲気」解消を要請!” への3件のフィードバック

  1. Davinci より:

    なんか大敗も減ったけど大勝も減ったなぁ、と感じてたんですがやっぱり…。
    パスがまわるけどゴールが少ない展開が一番ストレスが溜まります…。

  2. リバサポ より:

    確かに今年のガナーズはホームで得点できていないんですよね。残念ながらホームで印象に残ったナイスゲーム、殆どありません。それでも自分はポジティブに考えたいので、是非とも3位フィニッシュすべく最後まで応援したいと思います!こうしてプレミアリーグが楽しめる週末も後、たった三回ですし!

    ノリッジ戦のThe Guardian、先発予想は前ゲームからトップがウェルベック、中盤二枚がコクランとウィルシャーにターンオーバーと出ていました。熱い男コクランに吠えまくってもらい、明るいウィルシャーがドリブルで違いをみせ、エジルのチャンスメークでのゴールラッシュを期待します!

    —–
    他サポからすればらファンのベンゲルやめろの大合唱は都合がいいんですよね。
    ペイズリーやグラディオラのようにベスト人線を見つけられないうちに、動き出すならそれは、破滅ですから。

  3. makoto より:

    Davinciさん>
    わかります。年末年始のマンチェスター・ユナイテッドは、まさにそうだったので。

    ヤンガナ大好きさん>
    リヴァプールは、何回か「ホームの雰囲気がいい」という理由で勝利を拾っていると思います。今のエミレーツは、TVを通じて見ていても雰囲気がいいとはいえず、選手たちはストレスを感じているのではないでしょうか。この大事な時期は、心をひとつにして応援したいですよね。

    リバサポさん>
    そうなんですよね。私は、誰に代えるか、どう進むかのプランがないのに、監督を代えれば強くなれるとする考え方がわかりません。

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