偏愛的プレミアリーグ見聞録

デクラン・ライスとモイセス・カイセド。プレミアリーグとチャンピオンズリーグ制覇をめざすアーセナルの2大ターゲットです。ウェストハムのキャプテン獲得におけるライバルは、バイエルン、チェルシー、ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッド。ブライトンのヤングスターは、ブルーズとの一騎打ちになりそうです。

ハマーズとシーガルズとの交渉に関して、現地メディアが最新情報を配信しています。「アーセナルがデクラン・ライスを獲るための1億ポンドの契約に近づいている」と報じているのは「ガーディアン」。ジェイコブ・スタインバーグ記者は、「アドオンの額が決まれば話はまとまる」と伝えています。

個人条件は既にOK。ハマーズのサリバン会長は、彼は退団すると明言しています。問題は、移籍金のみ。9000万ポンド（約158億円）を用意したアーセナルに対して、イーストロンドンは総額が1億ポンドを超えるようになるアドオンを要求しているようです。クラブ間で合意されれば、ノースロンドンは正式なオファーを出し、ハマーズが受け取って「DONE DEAL」です。

記事によると、アーセナルの関係者は、ライバルはオファーしないと確信しているとのこと。「スカイ・ドイツ」のフロリアン・プレテンベルグ記者も、「バイエルンが割って入る可能性は低い。経営ボードは、ウェストハムのキャプテンの獲得に未だ懐疑的である」とツイートしています。

「フットボールロンドン」に寄稿したトレンドライターのサム・ヒルさんは、「現在、アーセナルではU-23代表のマウロ・バンデイラが41番を着けている。ライスがこの番号を望めば、もらえる可能性が高い」と気の早い話をしています。地元メディアで別の記事を配信したサム・ヒル記者は「今週中に決まるかもしれない」といっており、破談につながる要素は見当たりません。

順調にゴールに向かっているデクラン・ライスに対して、カイセド獲得のほうはチェルシーが強敵のようです。1月に獲得に迫ったアーセナルは、7000万ポンド（約123億円）を提示するだけと見られていたのですが、最近はブルーズが強気になっていると伝えられています。

冬のトランスファーマーケットで、クラブと選手の両方と具体的な交渉をしたアーセナルに対して、チェルシーはオファー1発を拒否され、あっさり引いたそうです。現在はまだ、ガナーズがポールポジション。しかしクラブの関係者もメディアの記者も、ミハイロ・ムドリクの件を忘れてはいません。

「フットボールトランスファーズ」のスティーヴ・ケイ記者は、「本腰を入れ始めたチェルシーを見たアーセナルは、彼らがサラリーを上乗せしてカイセドを口説き落とすのではないかと怖れている」とレポート。ブライトンのMFのエージェントは、年俸の引き上げを要求しており、気前がいいチェルシーを選ぶべきと本人に働きかけているそうです。

カイセド争奪のロンドンダービーは、それぞれが提示する条件ではなく、余剰戦力をさばくスピードの勝負となる可能性があります。資金調達という観点で見ると、コヴァチッチ、メイソン・マウント、コルヴィルらを売却する話があるチェルシーが、ニコラ・ペペやメートランド・ナイルズの移籍先を絞れていないアーセナルより有利でしょう。

チェルシーがどんなアプローチをするにしても、アーセナルがカイセドを押さえるためには、デクラン・ライスの獲得とスカッドのシェイプアップを早期に進めなければなりません。クラブ史上最高額のディールは、いつ妥結するのでしょうか。現地メディアを開くたびにドキドキする今日この頃であります。