偏愛的プレミアリーグ見聞録

夏に入団したばかりのユリエン・ティンバーが、前十字靭帯損傷でリタイア。厳しいアクシデントに見舞われたアーセナルは、最終ラインにニューフェイスを加えるのでしょうか。移籍が噂されていたキーラン・ティアニーを残せば、枚数は足りています。現在は余剰戦力の整理に注力しており、戦力増強の話は挙がっていません。

構想外の選手の売却については、フォラリン・バログン、ヌーノ・タヴァレス、サンビ・ロコンガに関する新たな情報が入ってきています。バログン獲得のトップランナーは、南野拓実が所属するモナコ。「フットボールロンドン」「スカイスポーツ」によると、プレミアリーグとリーグアンのクラブは、前向きな交渉を続けているそうです。

昨季リーグアンで37試合21ゴールのストライカーに、ガナーズが付けたタグは5000万ポンド。「フットボールロンドン」のサム・ヒル記者は、負傷したブリール・エンボロの代役を探しているモナコは3400万ポンドのオファーを拒否されたと伝えています。今は両者ともに自らの金額を見直し、妥協点を模索しているとのこと。このままいけば、4000万ポンド前後で決着する見通しです。

そこに割って入ろうとしているのは、カイセドとラヴィアの争奪戦でリヴァプールに完勝したチェルシーです。ユーヴェのドゥシャン・ヴラホヴィッチとロメウ・ルカクのスワップというプランがうまくいかなかったブルーズは、構想外のストライカーを放出する目処が立てば、アメリカ代表を獲りにくると見られています。

バログンの代理人はラヴィアと一緒で、ブルーズとは太いネットワークがあります。ガナーズにしてみれば、彼らの参戦によって移籍金が吊り上がるのはウェルカムですが、得点力不足に苦しむライバルを元気にしてしまうリスクが気になります。モナコからまずまずのセカンドオファーがあれば、多少のマイナスは呑み込んで妥結させたほうが幸せかもしれません。

バログンの現状をレポートした「スカイスポーツ」は、ヌーノ・タヴァレスの最新情報も配信しています。2021年にベンフィカからやってきたレフティは、アルテタ監督に評価されず、昨季はオリンピック・マルセイユにレンタルされていました。今は代理人がロンドンに滞在し、プレミアリーグのクラブからのオファーに対応しようとしてます。

つい先日まで、ノッティンガム・フォレストとの交渉が進んでいたのですが、合意には至らず。現地メディアが挙げている有力候補は、ウナイ・エメリ率いるアストン・ヴィラです。タイロン・ミングスが開幕戦で前十字靭帯を負傷し、アレックス・モレノはハムストリングを痛めてリタイア。ECLの本大会に進出するとなれば、最終ラインの層を厚くしなければなりません。

ヴィラとなると、レギュラーは厳しいタヴァレスは、1年後に買い取るという約束があれば納得するのでしょうか。この話は、具体的なオファーがあるまで静観としておきましょう。先に動きそうなのはサンビ・ロコンガのほうです。買い取りオプション付きのローンという話を進めていたバーンリーは止まってしまったようですが、ブライトンとのディールは決まるかもしれません。

リールの19歳MFカルロス・バレバの交渉が不調に終わりそうなブライトンは、モイセス・カイセドのポジションをこなせるMFを獲得したがっています。「デイリー・メール」によると、バレバに2560万ポンドを用意したクラブは、サンビ・ロコンガはローン希望だそうです。今季のパフォーマンスを見て、移籍金を払うかどうかを決めたいということなのでしょう。

ベン・ホワイトとトロサールを売ってくれたクラブとの交渉なら、順調に進むのではないでしょうか。彼らの行き先が決まり、ベシクタシュを拒否したといわれるニコラ・ペペと、出番が激減しそうなホールディングの処遇がはっきりすれば、アーセナルは新シーズンに集中できます。マーケットが締まるまで、あと10日。エドゥSDのラストスパートに注目しましょう。