2023.08.29 リヴァプールの話題
アーノルドはレッド?ファン・ダイクは決定機阻止?現地メディアで元レフェリーの見解をチェック!
アレクサンダー=アーノルドとアンソニー・ゴードンは、試合後に話題になった3つのシーンで当事者となりました。プレミアリーグ3節、ニューカッスルVSリヴァプール。ダルウィン・ヌニェスの2発で10人のレッズが劇的な逆転勝利を決めた一戦ですが、ジョン・ブルックス主審のジャッジに関する議論のほうが盛り上がったのではないでしょうか。
まずは、賛否両論のシーンを振り返ってみましょう。最初のジャッジは5分過ぎ。右サイドでキープしたアーノルドが、アンソニー・ゴードンのチャージでピッチの外に飛ばされ、ボールを投げてイエローをもらったシーンです。マグパイズのウインガーがファールなら、FKのためにピッチにボールを戻すのは自然な行動です。
しかしレフェリーはファールを取らず、スローインのために近寄ったダン・バーンに渡さなかったとして、レッズの偽SBにイエローを突き付けました。この判断が、40秒後のジャッジに影響を与えたのではないかといわれています。サラーのドリブルがカットされ、左サイドでガクポを抜いたアンソニー・ゴードンは、アーノルドが出した左手に当たって転倒しました。
場内、騒然。多くのファンが、リヴァプールはまたもや10人で戦うのかと思ったはずです。ところがジョン・ブルックスは2枚めを出さず、再開を促しました。エディ・ハウは大声で叫び、アンソニー・ゴードンは両手を広げ、トリッピアーは説明を求めています。レフェリーが近づいてくるのを見ていたアーノルドは、犯人の表情でした。
そして3つめは27分。アーノルドのトラップミスをアンソニー・ゴードンがさらい、アリソンの股間を抜いて先制した直後でした。左サイドから中に持ったアンソニー・ゴードンがイサクに縦パスをフィード。ついていったファン・ダイクが脇から足を出し、イサクが転倒すると、ジョン・ブルックスは迷わずレッドカードを差し出しました。
一連のジャッジについて、プレミアリーグのレフェリーだったダーモット・ギャラガー氏が「スカイスポーツ」に見解を寄稿しています。アーノルドが弾き飛ばされた最初のシーンは、アンソニー・ゴードンのファールなのでイエローは不要。直後、SBが左手でウインガーを止めたシーンは、疑いの余地なく100%イエローとしています。
「レフェリーは自滅の達人だった。最初の明らかなファールにフリーキックを与えていれば、あんなことにはならなかった」
この見方を支持したのは、「スカイスポーツ」の評論家ジェイミー・キャラガーです。「主審は2回めの際にパニックになっていたのではないか。1枚めは、もしかしたらアレクサンダー=アーノルドに対するファールだったのかもしれない。この早い段階で、彼にレッドカードを出さなければ、逃げ切れるだろうか…?」と、帳尻合わせの可能性を指摘しています。
ファン・ダイクに関する元レフェリーの見解は「正しいジャッジ」。いわゆるDOGSO(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity=決定機の阻止)に則って、レッドカードが妥当である理由をわかりやすく伝えています。
「明らかなゴールのチャンスだったか?彼はボールを持てていたのか?それらは間違いない。ボールを得られれば、彼はゴールに向かうだろう。ペナルティエリアの外か?そう、だからレフェリーは退場させなければならない」
論点は、DOGSOの4条件である「ゴールにつながる距離」「ゴールに向かっている」「ディフェンス側が不利な状況」「ボールをキープあるいはコントロールできる」が成立するかどうか。ひとつでも欠ければSPA(Stop a Promising Attack=ビッグチャンス阻止)に格下げとなり、イエローカードが提示されます。
正直に申し上げましょう。私は試合中も、終わった後にVTRをチェックしたときも、厳しいジャッジだと感じました。ただしそこには、「ファン・ダイクが好き」「両者11人のいい試合が見たかった」という気持ちが乗っかっていたのだと思います。
ダーモット・ギャラガー氏の記事や、さまざまな評論に目を通した今は白旗を掲げています。ファン・ダイクは横から迫っており、足に触れた瞬間はイサクは抜け出す直前だったので、「ディフェンス側が不利とはいえないのでは?」という微妙な根拠でがんばろうとしていたのですが、今回のジャッジが誤審だったとはいえません。
話をまとめると、アーノルドの1枚めは不運、2枚めスルーは不当ですが、結果的にはプラスマイナスゼロ。ファン・ダイクはレッドが妥当で、遠藤航がデビューから2試合連続の4-4-1を強いられたのはやむなしだったということですね。
ここからは余談です。セーフティーなパスが多かった日本代表について、クロップ監督が「われわれが実際に何をやっているかを理解していない」と辛辣に語ったというニュースがありましたが、あれは現地のフリーペーパー「メトロ」が切り取っちゃった!というお話です。映像を見ると、指揮官と記者はジョークを飛ばし合いながら笑っています。
「遠藤は、またも災難だったね。10人になっちゃった。われわれが実際にやっていることを掴めていないのに(Endo has no clue on what we actually do)」
「彼は、10人が戦術だと思ってしまっているのでは?」
「ハッハ、絶対そうだ」
プレミアリーグのスピードと当たりの強さについていけておらず、がんばらないといけないのは確かですが、ボスはそんなに厳しいことはいっていないということだけ、報告させていただきます。何はともあれ、リヴァプールにしてみれば、フットボールで起こりえる事件をぎゅっと詰めたような「天下一品こってり」的なゲームを勝ててよかったですね…。
まずは、賛否両論のシーンを振り返ってみましょう。最初のジャッジは5分過ぎ。右サイドでキープしたアーノルドが、アンソニー・ゴードンのチャージでピッチの外に飛ばされ、ボールを投げてイエローをもらったシーンです。マグパイズのウインガーがファールなら、FKのためにピッチにボールを戻すのは自然な行動です。
しかしレフェリーはファールを取らず、スローインのために近寄ったダン・バーンに渡さなかったとして、レッズの偽SBにイエローを突き付けました。この判断が、40秒後のジャッジに影響を与えたのではないかといわれています。サラーのドリブルがカットされ、左サイドでガクポを抜いたアンソニー・ゴードンは、アーノルドが出した左手に当たって転倒しました。
場内、騒然。多くのファンが、リヴァプールはまたもや10人で戦うのかと思ったはずです。ところがジョン・ブルックスは2枚めを出さず、再開を促しました。エディ・ハウは大声で叫び、アンソニー・ゴードンは両手を広げ、トリッピアーは説明を求めています。レフェリーが近づいてくるのを見ていたアーノルドは、犯人の表情でした。
そして3つめは27分。アーノルドのトラップミスをアンソニー・ゴードンがさらい、アリソンの股間を抜いて先制した直後でした。左サイドから中に持ったアンソニー・ゴードンがイサクに縦パスをフィード。ついていったファン・ダイクが脇から足を出し、イサクが転倒すると、ジョン・ブルックスは迷わずレッドカードを差し出しました。
一連のジャッジについて、プレミアリーグのレフェリーだったダーモット・ギャラガー氏が「スカイスポーツ」に見解を寄稿しています。アーノルドが弾き飛ばされた最初のシーンは、アンソニー・ゴードンのファールなのでイエローは不要。直後、SBが左手でウインガーを止めたシーンは、疑いの余地なく100%イエローとしています。
「レフェリーは自滅の達人だった。最初の明らかなファールにフリーキックを与えていれば、あんなことにはならなかった」
この見方を支持したのは、「スカイスポーツ」の評論家ジェイミー・キャラガーです。「主審は2回めの際にパニックになっていたのではないか。1枚めは、もしかしたらアレクサンダー=アーノルドに対するファールだったのかもしれない。この早い段階で、彼にレッドカードを出さなければ、逃げ切れるだろうか…?」と、帳尻合わせの可能性を指摘しています。
ファン・ダイクに関する元レフェリーの見解は「正しいジャッジ」。いわゆるDOGSO(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity=決定機の阻止)に則って、レッドカードが妥当である理由をわかりやすく伝えています。
「明らかなゴールのチャンスだったか?彼はボールを持てていたのか?それらは間違いない。ボールを得られれば、彼はゴールに向かうだろう。ペナルティエリアの外か?そう、だからレフェリーは退場させなければならない」
論点は、DOGSOの4条件である「ゴールにつながる距離」「ゴールに向かっている」「ディフェンス側が不利な状況」「ボールをキープあるいはコントロールできる」が成立するかどうか。ひとつでも欠ければSPA(Stop a Promising Attack=ビッグチャンス阻止)に格下げとなり、イエローカードが提示されます。
正直に申し上げましょう。私は試合中も、終わった後にVTRをチェックしたときも、厳しいジャッジだと感じました。ただしそこには、「ファン・ダイクが好き」「両者11人のいい試合が見たかった」という気持ちが乗っかっていたのだと思います。
ダーモット・ギャラガー氏の記事や、さまざまな評論に目を通した今は白旗を掲げています。ファン・ダイクは横から迫っており、足に触れた瞬間はイサクは抜け出す直前だったので、「ディフェンス側が不利とはいえないのでは?」という微妙な根拠でがんばろうとしていたのですが、今回のジャッジが誤審だったとはいえません。
話をまとめると、アーノルドの1枚めは不運、2枚めスルーは不当ですが、結果的にはプラスマイナスゼロ。ファン・ダイクはレッドが妥当で、遠藤航がデビューから2試合連続の4-4-1を強いられたのはやむなしだったということですね。
ここからは余談です。セーフティーなパスが多かった日本代表について、クロップ監督が「われわれが実際に何をやっているかを理解していない」と辛辣に語ったというニュースがありましたが、あれは現地のフリーペーパー「メトロ」が切り取っちゃった!というお話です。映像を見ると、指揮官と記者はジョークを飛ばし合いながら笑っています。
「遠藤は、またも災難だったね。10人になっちゃった。われわれが実際にやっていることを掴めていないのに(Endo has no clue on what we actually do)」
「彼は、10人が戦術だと思ってしまっているのでは?」
「ハッハ、絶対そうだ」
プレミアリーグのスピードと当たりの強さについていけておらず、がんばらないといけないのは確かですが、ボスはそんなに厳しいことはいっていないということだけ、報告させていただきます。何はともあれ、リヴァプールにしてみれば、フットボールで起こりえる事件をぎゅっと詰めたような「天下一品こってり」的なゲームを勝ててよかったですね…。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す