ワールドクラスかヘタクソか…予測不能のダルウィン・ヌニェスへの拍手と笑いが止まらない!
プレミアリーグの過去10シーズンを振り返ると、「ストライカーが個性的である」というテーマにおいては、リヴァプールがぶっちぎりでNo.1でしょう。リーグ制覇にあと一歩に迫った2013-14シーズンは、誰もが知っているスアレス・アンド・スタリッジ。スアレスが去った翌シーズンは、セインツから来たリッキー・ランバートと「クラブ史上最大のミス」といわれたバロテッリが得点力を激減させました。
シーズン101ゴールから52ゴールというダウンは、尋常ではありません。1年で去った2人の後釜は、ヴィラのエースだったベンテケと、バーンリーで頭角を現したダニー・イングス。期待されたベルギー代表は、10月にやってきたユルゲン・クロップの戦術にフィットせず、2度の重傷を負ったイングスはプレミアリーグ3シーズンで14試合出場に留まりました。
彼らに代わって最前線に収まったのは、ホッフェンハイムではトップ下だったフィルミーノ。プレミアリーグ8シーズンで256試合82ゴール50アシストという数字を残したクレバーなアタッカーは、リーグ史上最強の偽9番といっても過言ではないでしょう。サディオ・マネ、モー・サラーと組んだ脅威のフロントスリーは、悲願のプレミアリーグ初優勝とビッグイヤー制覇という偉業を成し遂げました。
フィルミーノがアンタッチャブルだった黄金期にも、2018-19シーズンのCLで大活躍のディヴォック・オリギ、2021-22シーズンのカラバオカップとFAカップで7発を決めた南野拓実がアンフィールドを盛り上げています。2020年にはジョッタが入団し、翌年の1月にルイス・ディアス。マネが去った2022-23シーズンは、夏にダルウィン・ヌニェス、冬にコーデイー・ガクポを獲得しました。
こうして思い起こすと、この10年は、レッズの前線にテンションが上がった季節でした。スアレスに熱狂し、バロテッリに絶叫した後、フィルミーノに感嘆した私が現在注目しているのは、もちろんダルウィン・ヌニェスです。プレイを見ても、スタッツを眺めても、彼ほど興味深いキャラはなかなかいません。
今季プレミアリーグの最多ゴールは11発のアーリング・ハーランド、アシストは7本を積み上げたペドロ・ネトですが、90分あたりとなるとランキングは変わります。ゴールはカラム・ウィルソン、クリス・ウッド、ハーランド。アシストはマノー・ソロモン、ファビオ・ヴィエイラ、マテタがTOP3です。
本稿の主役のダルウィン・ヌニェスは、90分あたりのゴールが0.86で10位(PKを除くと5位)。アシストは0.64で8位です。これだけだと「なるほど」で終わりそうですが、ゴールとアシストの両方が彼より上なのは、アストン・ヴィラのレオン・ベイリーのみ。90分で比べると、ゴール関与率の高さは、ジェームズ・マディソンやモー・サラーを上回っています。
さらにスタッツを追うと、90分あたりのシュート数4.94はリーグTOP。オープンプレーにおけるゴール期待値(xG)は0,80で2位です。打てるエリアにいち早く入るポジショニングのセンスは、ワールドクラス。その一方で、59.9分に1度のビッグチャンスミスもぶっちぎりのTOPで、ボストとバーにシュートをぶつける「Hit Woodwork」を3回も記録しているのは彼だけです。
ニューカッスル戦では、たった13分で完璧なショットを2発決めてMVP。後方からのボールをボレーで左隅に収めたハマーズ戦の決勝ゴールも絶品でした。しかしアストン・ヴィラ戦では、サラーのラストパスでどフリーになったのにダイレクトショットをポストに当て、公式記録はマッティ・キャッシュのオウンゴールとなってしまいました。
ヨーロッパリーグのトゥールーズ戦でも、左足の豪快な一撃を決めた後、DFとGKを抜き去ったビッグチャンスで無人のゴールに放ったフィニッシュがポストにヒット。フラーフェンベルフがフォローして決めてくれたのに、ピッチに突っ伏して悔しがっていました。カラバオカップのボーンマス戦のゴールも、これぞダルウィン・ヌニェスです。
1-1の70分、アーノルドが左にロングフィードを送ると、高校生のようなトラップミスでボーンマスサポーターに煽られた9番は、ダッシュで拾いにいきました。フツーはこういうミスをすると、後方に預けて落ち着こうとします。しかし彼は、対峙したメファムに勝負を挑み、ボックスの左コーナーにボールを出して右足一閃。GKの頭上を抜くスーパーショットは、チームをベスト8に押し上げる決勝ゴールでした。
完璧なポジショニングから、子どものようなシュートミス。雑なトラップの後、アクロバティックなゴールシーン。予測不能のストライカーは、同郷の先輩スアレスのレベルに達するのでしょうか。公式戦14試合7ゴール5アシスト。56分に1回はゴールかアシストを決めている選手に、ケチをつけるファンはいないでしょう。
それでも、いちいちツッコミを入れたくなるのがダルウィン・ヌニェス。好調の要因のひとつは、英語をマスターしてリラックスできるようになったからだそうです。週末のルートン戦は先発か、スーパーサブか。いずれにしても、ため息が漏れる鮮やかなゴールと、言葉を失うやらかしを、それぞれ堪能させていただければと期待してしまいます。
シーズン101ゴールから52ゴールというダウンは、尋常ではありません。1年で去った2人の後釜は、ヴィラのエースだったベンテケと、バーンリーで頭角を現したダニー・イングス。期待されたベルギー代表は、10月にやってきたユルゲン・クロップの戦術にフィットせず、2度の重傷を負ったイングスはプレミアリーグ3シーズンで14試合出場に留まりました。
彼らに代わって最前線に収まったのは、ホッフェンハイムではトップ下だったフィルミーノ。プレミアリーグ8シーズンで256試合82ゴール50アシストという数字を残したクレバーなアタッカーは、リーグ史上最強の偽9番といっても過言ではないでしょう。サディオ・マネ、モー・サラーと組んだ脅威のフロントスリーは、悲願のプレミアリーグ初優勝とビッグイヤー制覇という偉業を成し遂げました。
フィルミーノがアンタッチャブルだった黄金期にも、2018-19シーズンのCLで大活躍のディヴォック・オリギ、2021-22シーズンのカラバオカップとFAカップで7発を決めた南野拓実がアンフィールドを盛り上げています。2020年にはジョッタが入団し、翌年の1月にルイス・ディアス。マネが去った2022-23シーズンは、夏にダルウィン・ヌニェス、冬にコーデイー・ガクポを獲得しました。
こうして思い起こすと、この10年は、レッズの前線にテンションが上がった季節でした。スアレスに熱狂し、バロテッリに絶叫した後、フィルミーノに感嘆した私が現在注目しているのは、もちろんダルウィン・ヌニェスです。プレイを見ても、スタッツを眺めても、彼ほど興味深いキャラはなかなかいません。
今季プレミアリーグの最多ゴールは11発のアーリング・ハーランド、アシストは7本を積み上げたペドロ・ネトですが、90分あたりとなるとランキングは変わります。ゴールはカラム・ウィルソン、クリス・ウッド、ハーランド。アシストはマノー・ソロモン、ファビオ・ヴィエイラ、マテタがTOP3です。
本稿の主役のダルウィン・ヌニェスは、90分あたりのゴールが0.86で10位(PKを除くと5位)。アシストは0.64で8位です。これだけだと「なるほど」で終わりそうですが、ゴールとアシストの両方が彼より上なのは、アストン・ヴィラのレオン・ベイリーのみ。90分で比べると、ゴール関与率の高さは、ジェームズ・マディソンやモー・サラーを上回っています。
さらにスタッツを追うと、90分あたりのシュート数4.94はリーグTOP。オープンプレーにおけるゴール期待値(xG)は0,80で2位です。打てるエリアにいち早く入るポジショニングのセンスは、ワールドクラス。その一方で、59.9分に1度のビッグチャンスミスもぶっちぎりのTOPで、ボストとバーにシュートをぶつける「Hit Woodwork」を3回も記録しているのは彼だけです。
ニューカッスル戦では、たった13分で完璧なショットを2発決めてMVP。後方からのボールをボレーで左隅に収めたハマーズ戦の決勝ゴールも絶品でした。しかしアストン・ヴィラ戦では、サラーのラストパスでどフリーになったのにダイレクトショットをポストに当て、公式記録はマッティ・キャッシュのオウンゴールとなってしまいました。
ヨーロッパリーグのトゥールーズ戦でも、左足の豪快な一撃を決めた後、DFとGKを抜き去ったビッグチャンスで無人のゴールに放ったフィニッシュがポストにヒット。フラーフェンベルフがフォローして決めてくれたのに、ピッチに突っ伏して悔しがっていました。カラバオカップのボーンマス戦のゴールも、これぞダルウィン・ヌニェスです。
1-1の70分、アーノルドが左にロングフィードを送ると、高校生のようなトラップミスでボーンマスサポーターに煽られた9番は、ダッシュで拾いにいきました。フツーはこういうミスをすると、後方に預けて落ち着こうとします。しかし彼は、対峙したメファムに勝負を挑み、ボックスの左コーナーにボールを出して右足一閃。GKの頭上を抜くスーパーショットは、チームをベスト8に押し上げる決勝ゴールでした。
完璧なポジショニングから、子どものようなシュートミス。雑なトラップの後、アクロバティックなゴールシーン。予測不能のストライカーは、同郷の先輩スアレスのレベルに達するのでしょうか。公式戦14試合7ゴール5アシスト。56分に1回はゴールかアシストを決めている選手に、ケチをつけるファンはいないでしょう。
それでも、いちいちツッコミを入れたくなるのがダルウィン・ヌニェス。好調の要因のひとつは、英語をマスターしてリラックスできるようになったからだそうです。週末のルートン戦は先発か、スーパーサブか。いずれにしても、ため息が漏れる鮮やかなゴールと、言葉を失うやらかしを、それぞれ堪能させていただければと期待してしまいます。
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