イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

主力の負傷、新戦力の空転、高齢化…苦しいシーズンとなったニューカッスルは巻き返せるのか?

6位マンチェスター・ユナイテッドとの差は7ポイント。絶望的なギャップではありませんが、今のニューカッスルが欧州へのチケットを獲得するのは難しそうです。12月のエヴァートン戦を0-3で完敗してから絶不調に陥り、1勝6敗。アストン・ヴィラ戦を3-1で制したものの、2月以降は2勝2分2敗と調子は上向きとはいえません。

停滞の要因は主に2つで、主力の負傷と新戦力の空転です。守備の要となるボトマン、守護神ポープ、中盤の運動量を支えるジョエリントンらが入れ替わりでピッチを離れ、現在の負傷者は7人。カラム・ウィルソンとアンソニー・ゴードンのリタイアは激痛で、エディ・ハウ監督は前線の選択肢を欠いています。

TOP4に食い込んだ2022-23シーズンと今季の新戦力を並べてみると、大成功と大誤算のコントラストが明確になります。ボトマンはシェアとのコンビで堅守を築き、ポープのセーブ率74.6%はラヤ、レノ、ネトに次ぐ4位。イサクはプレミアリーグ22試合10ゴール2アシストという数字を残し、冬に加わったアンソニー・ゴードンは、今季は欠かせない存在になっています。

対して昨夏は、トナーリ、ハーヴィー・バーンズ、リヴラメント、ルイス・ホールの4人でした。不正な賭博に手を染めたトナーリは、プレミアリーグ8試合出場でアウト。9月末から4ヵ月の長期離脱となったハーヴィー・バーンズは、復帰して6週間で再度リタイアしてしまいました。2人合わせて先発8試合は、信じられないのひとことです。

左右のSBをこなすリヴラメントは悪くないのですが、トリッピアーとダン・バーンがいるポジションとなれば、途中出場のほうが多いのはやむなしです。2800万ポンドの買い取りオプション付きローンのルイス・ホールは、先発がわずか2試合。ボーンマス戦とドルトムント戦はハーフタイムで退いており、チームはいずれも2-0で完敗しています。

クロスとプレースキックの職人トリッピアーに、守備のミスが急増したこともあり、リーグ最少の33失点だった守備は、既に48失点を喫しています。昨季の3失点以上はマン・シティ戦とアストン・ヴィラ戦のみ。しかし今シーズンは9試合に増え、年明けの9戦のうち5戦は殴り合いです。そろそろポープが戻ってきますが、それだけで元通りにはならないでしょう。

「テレグラフ」のルーク・エドワーズ記者によると、PSR違反を怖れて1月に補強をしなかったニューカッスルは、次の夏も大型補強は難しいそうです。ドゥブラフカ、ポープ、トリッピアー、ダン・バーン、シェア、マット・リッチー、アルミロン、カラム・ウィルソンは全員30代で、伸びしろは期待できず、それぞれ売るタイミングを見極めなければなりません。

ジョエリントンは契約が残り1年となっており、延長できるかどうかは不明です。彼らが抜けてもレベルアップさせたければ、その方法は3つに絞られます。ひとつめは最もポジティブで、ルイス・ホール、エリオット・アンダーソン、リヴラメント、マイリー、ジョー・ホワイトらU-21の選手たちのブレイク。エディ・ハウ監督とスタッフの腕の見せどころです。

2つめは、1億ポンドのバイアウト条項があるといわれるブルーノ・ギマランイスの売却。3つめは、FAカップを制してヨーロッパリーグの出場権を確保することです。プレミアリーグの後半戦の9試合で23失点を積み上げたチームが、土曜日にエティハドでマンチェスター・シティを封じられるとは思えませんが…。

いや、もうひとつ、チームを進化させる手立てがあります。悔しいシーズンとなったトナーリ、ハーヴィー・バーンズ、ウィロック、マット・ターゲットらの巻き返しです。欧州をめざすならもちろん、中位で終わるとしても、ニューカッスルのこれからの10試合は、来季の希望を見出す重要なステージになるはずです。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す